クラブハウス

京都・大原の畑の一角では、活動の拠点となるクラブハウスが建設中です。もともと地域の特産物であるしば漬を保管するための倉庫がどのように生まれ変わり、一体どんなことが行われるのでしょうか。Ohara Farmyの津坂晋一さんと江頭一晃さん(以下、Kaz)にクラブハウスについて伺いました。

クラブハウス誕生のきっかけ


―クラブハウス誕生のきっかけを教えてください。

津坂 Ohara Farmyのはじまりは禅僧である従兄弟のお寺に行った時、畑でとれた食べ物でシンプルだけど体に染みるようなおいしいご馳走を頂いたんですが、自給自足的な生き方に感動したんです。こういう感動を通して、自分自身を癒すことや、自然環境への意識にもつながってくるという。僕はたまたま従兄弟がそうした暮らしを営んでいましたけど、この環境に人生の中で出会うことなく終わってしまうことも多いんだろうと思います。であれば、1人でも多くの人に僕が人生で初めて味わった感動を知ってもらえたら、今よりもいい世の中になっていくんじゃないかな。あるいはもっと幸せに生きられるんじゃないかなと思いました。

Ohara Farmyのスタッフや僕らの取り組みに賛同してくれる仲間って、とても面白いメンバーがいるので、いろんな意見を交わしたりできる場があれば、そこまで自給自足的な暮らしや環境に対する意識が高くない人でも、徐々に知識をえたり、少しずつその世界に興味を持っていくことができる。もしかしたら、ヴィーガンになってしまいました、みたいな人も出てくるかもしれない。そういう色んな影響を与えられるような場所を作ろうと思ったのがきっかけです。


―2階建てのクラブハウスですが、1階から順番に施設内をご紹介いただけますか。

津坂 Ohara Farmyでは貸農園や開墾事業を手がけていますが、いずれにしても畑を作り、作物を育て、食べるというところにつながります。そしてこの「食べる」「おいしい」という感動が、実は生産者になるための一歩かなと思うんです。そのために「キッチン」という場所が欠かせません。ゆくゆくは全て畑で採れた無農薬の野菜を使った料理を提供したり、ピザ窯があるのでピザも提供したいなと思います。将来的には100パーセント自分たちの畑で採れた野菜で材料を賄っていきたいですね。キッチンはテイクアウト専門になっているので、買ったフードは、1階のラウンジスペースや外のテラスで食べていただけるように考えています。ラウンジには、農にまつわる本を集めたライブラリーを設置するので、飲食しなくてもゆったりくつろいでもらえたらと思っています。そのほか1階のエントランススペースは、大豆の選別といった簡単な農作業ができたり、ワークショップを開催する場所として予定しています。

2階の東側は開放的な大きな窓があっていい田園風景を楽しんでいただけます。基本的に2階はシェアファームの会員さん限定の場所です。ここでヨガや坐禅、ハーブティーワークショップなどが体験できる場所になる予定です。クラブハウスは地に足の着いた生活をすることで、心身がトータルで整っていくような場所にしたいと思っています。


―野菜作りで土に触れて座禅やヨガもできる、まさにホリスティックな空間ですね。

津坂 身体への癒しと、その先にある環境問題にも意識をむけるきっかけになったらと思っています。本当は井戸を掘って、ライフラインである水も自給したいし、ゆくゆくは太陽光パネルを設置してオフグリッドを目指していきたいと思ってます。

―薪を置くスペースもあるんですね。

津坂 ピザ窯は薪で焚く予定なのと、ラウンジに薪ストーブを導入する予定です。


クラブハウスのオープンアワーは?


―クラブハウスのオープンアワーは何時から何時までですか?

津坂 現時点では10時~17時を予定していますが、この辺りは飲食店が少ないので、できればモーニングが食べられるように朝から営業したいなと思っています。

Kaz 夏って、めちゃくちゃ早朝から畑をやるのが気持ちいんですよ。逆に朝8時を過ぎたらもう暑い!早朝の涼しいうちから畑をして、適度に汗をかいて、最後に涼んでお茶ができたら最高かな。そうそう、大原は朝霧が立つんですよ。谷の向かいの山から朝日が登ってきて、5時半ぐらいになると毎朝霧が出て。それがすごく神秘的な太陽の登り方をしていて。まさに頑張った人のご褒美っていう景色です。

去年の夏に岩倉でみんなで開墾したり蕎麦畑の準備をしたりしていた時は朝から仕事して、12時まではめちゃくちゃ頑張って、そのあとは川に入って涼んで、実家で大量のそばを茹でて、とれたての葉物野菜をてんこ盛りにして食べて。そのあとは座敷でごろごろみんなで昼寝して、みたいな日々でした。


―夏休みにプールから帰ってきた後に昼寝するみたいな感じですね。

津坂 シエスタイベントとかおもしろいかもですね。ただ寝るだけのイベント。


クラブハウスで行われるワークショップについて


―2階はヨガや坐禅のほかにイベントスペースとして利用されるというお話でしたが、これまでもテスト的にイベントを開催されていると聞きました。

Kaz  2月にそば職人の吉田健人さんをお招きして、畑で穫れたそばを石臼でひいて粉にして蕎麦がきを作って食べるワークショップをしました。そばがきって、そば粉を水で溶いてフライパンの上でかき混ぜながら加熱しながらできるんです。すごい簡単に。

もうひとつ、味噌作りもやりました。茹でた大豆を木の杵と臼でじっくりと潰して、塩と混ぜた麹と合わせるという本当にシンプルな作り方。去年の7月に蒔いた大豆を収穫して、乾燥させて選別した大事な大豆を使いました。ゆくゆくは田植えもして Farmy 自前のお米で麹を作って味噌を作っていけたらと思ってます。

会員じゃなくても参加できるイベントやワークショップを予定しているし、ドキュメンタリー映画の上映会とかやっていきたいね。


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