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シェアファーム

Ohara Farmy


Ohara Farmy は大地と切り離された私たちが、もう一度地球と再接続するようなきっかけをつくるプロジェクトです。今日はその取り組みのひとつ、シェアファーム事業について Ohara Farmy の江頭一晃(以下、Kaz)さんと、津坂晋一さんに伺いました。

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2020年の日本の食料自給率は37%*1。先進国の中ではとても低い数字です。とは言っても、輸入に頼っているので困った思いをしたことはあまりないかもしれません。食料に困っているどころか、日本のフードロスは年間612万トン*2。日本は世界でも有数の食糧輸入国であり、かつ有数の食料廃棄国でもあります。

そもそも、生きることの基本は食べること。もしもっとシンプルに、一人ひとりが自分の食べ物を作ることができたならば、肥大した消費の構造が緩やかに変わっていくはずです。
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*1カロリーベース。農林水産省調べ、(2020年)。https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/012.html

*2農林水産省・環境省調べ、FAO、総務省人口推計(2017年)。


シェアファーム誕生のきっかけ


―シェアファームが誕生したきっかけを教えてください。

津坂 禅寺で住職を務めている従兄弟のところに遊びに行った時、畑で自分が育てた野菜で料理をして、お昼をご馳走になったんです。それがとても美味しくて、めちゃくちゃ感動して。地に足のついた生活に触れたというか、逆に自分が人間として当たり前のことができていないことに初めて気づいたんです。それまでサラリーマンでしたけど、自分の食べ物を畑で作ると言ったようなことを仕事にしたいと思い、そんな話を従兄弟の住職にしたら、カズ君とご縁があって出会うことができて。自分たちで作ったものを食べられるお店を作りたいなと思ったけど、まずは農をやることになりました。

Kaz 僕は元々京都の岩倉で育ったんですけど、親が家の裏で畑をやっていて、自分たちの食べ物を自分たちでつくることが当たり前という家で育ちました。循環できるものは肥料にするから、トイレには便器の横にバケツが置いてあり、尿を貯めては発酵させて畑に還元していた。高校からハワイに留学して7年過ごし、帰国してからは東京で通訳や翻訳の仕事をしていたけれど、自分の仕事が生きることに直結しているのか悶々とした時期があって。仕事でお世話になってたライブハウスの社長さんがちょいちょい徳島の奥地に行かれてたので、誘われて僕も行ってみたんです。日本の在来種の野菜・穀類は9割が絶滅しているのに、そこでは何百年も前からの種を当たり前のように継いでいて、「こここそ日本の最先端や」とびっくり。すぐにでも農を教えてもらいたいと思って即座に移住しました。

移住してからは耕作放棄地を再開墾して野菜や米をつくったり、高齢化で世話のできる人がいなくなった柚子園を借り受けて柑橘農家をしたりしていました。廃園になった保育園を地域の人と外の人が集えるカフェスペースにしようと準備していたら、COVID-19が蔓延してちょっと計画がストップしたんです。そのしばらく後に津坂さんに会い、農がらみの事業を始めたいということだったので、じゃあ一緒にやろうかという流れになりました。

津坂 Kaz君の実家がそうであるように、「一家に一畑」はこれから絶対に必要だよねというのが僕らのコンセプトです。

Kaz 僕たちが生産力を取り戻すこと。食べ物を自分たちの力で地球から引き出すっていうのは、自分だけがサバイブするんじゃなくて、周囲の人にもギフトできる能力をもつということ。それが一番嬉しいことじゃないかな。それを経済社会の中では貨幣で代用して、食べ物や家やエネルギーと交換しているけど、貨幣がなくても交換しあえる部分もあるはず。家庭菜園は資本主義社会からはみ出た現実を構築する裏技みたいな感じ。


貸農園の特徴


―Farmy Project の貸農園の特徴は何でしょう?

Kaz 農薬や化学肥料や除草剤は使用しないこと。肥料も極力与えないこと。貸農園のある場所からなるべく半径5~6キロ、できたら数百メートルぐらいの中で手に入る材料で野菜を育てたりしたいと思っていること、かな。一般的な農業に於いてはビニールのマルチを使ったりしますが、Farmy では刻んだススキ、笹、蕎麦の藁など、身近にあるものを地表にかけてあげるとか。現在、育苗のためにビニールハウスは使用してますがなるべくゴミになってしまわないものを使用したいと思っています。


―無農薬・無化学肥料・除草剤不使用にこだわる理由はなんでしょう?

Kaz 化成肥料の原材料には鉱石など、地球の裏側から運んでこなければ作れない材料が含まれています。もし何かの原因で供給が止まったら、農もストップしてしまう。そういうことを避けるためです。人類ってもともと目の前の要素を組み合わせることに非常に長けている。それで文明が生まれ、発展してきた。その繁栄をもう一度自分たちの住むコミュニティに立ち返らせるイメージです。


在来種・固定種の種とは?


津坂
 あとは在来種・固定種の種から育てた野菜を植えること。一世代だけ収穫して、種をとっても同じ形質の野菜ができないF1種は使ってないです。

Kaz そもそもおいしい野菜を育てるには、良い種がいる。これに尽きると思ってます。じゃあ、良い種とは何かという話ですが、在来種はその土地で何百年、何千年と育って来るなかで、優秀に育った野菜の種を継いできたもの。固定種も同様に、例えば10株あるうちの「この茄子が特に丸くておいしい」と思った株から毎年種を採って、何年もかけて気に入った形質を固定させたもの。風土にあっていて病気にも強いくて育てやすいから、農薬を使わなくても野菜が育つ。

津坂 大阪から来てくださる利用者の方は、とれたてのカブがめちゃくちゃおいしいって、感激してくれていた。

Kaz スーパーに並んでる野菜は収穫した後、集荷場にまず集められて市場に出て、そこからまたお店に運ばれて売り場に並んでと、収穫してから何日か経っている場合が多い。野菜の味ともまた違う「野菜が生きている」感じは人類誰しもに1度は体験してもらいたいですね。あと、Farmy では土の中に極力肥料を混ぜ込まないようにしているから、野菜が自分の力で根っこを伸ばして自分に必要な栄養素を取りに行っている。だから野菜本来の味がする。

津坂 僕も自給自足的な生活に憧れて、まだまだ入り口に立ったばかりだけど、ホームセンターがなくても生きていけるようになるのが目標かな。


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