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04年11月28日 河口湖(現:富士山)マラソン

 3回目のフルは河口湖。41歳、初めて最後まで走り切れた!達成感はあるが後半の失速はどうにもならんなぁ。SUB4の生涯勝敗は勝ち無しの3連敗!なお、このレースはいつの間にか呼称が「富士山マラソン」に変わったようです。

 約1か月前の「東京夢舞マラソン」にて初めて42.195キロを走りきれて大層気を良くした。ただ、夢舞では信号待ち間のストレッチがあったからこそ走りきれたのかもしれない。本当に42.195キロを一貫して走りきれるか、真価が問われるのは河口湖だと思っていた。信じたい格言の一つが「一週間で42キロ走ればフルを完走できる」というもの。ここ数ヶ月は月間140キロ程度、週に42キロにはちょっと足りないがいい線で実践している。この格言が事実かどうか問われるのも河口湖だろう。
 もう一つの格言「10キロ減量すればフルで30分短縮できる」というのは誇張ではないことを実感した。2週間前の横浜ハーフ、今春より7キロ減量で臨む。格言どおりなら30×7/10×1/2=10.5。約10分短縮ということだったが、その通りの自己ベスト1:42’33をたたき出す。昨シーズンのハーフの平均タイムより約10分、昨年の同大会より11分早いタイムであった。

 フル出場を決心して、数あるレースの中から河口湖を選択したのは「なるべくフラット、景観もよく、参加者数の多いメジャーな大会」が理由であった。選択理由に誤りがあったとは思わない。しかし、大切な要素を見落としていた・・・・。スタート8:30で受付は8:00まで。なんと自宅からは始発電車でもたどり着かない!!殆どの参加者がグループで前泊するようである。単身で泊まるのはとても高いし、知らない人との雑魚寝の大部屋はイヤだ。「じゃ、マイカーで東名から東富士五湖道路で2時間くらいで行けるだろう」と思ってINで調べると、「駐車場にたどり着くまで渋滞」「案内された駐車場から受付まで徒歩30分」とか。極めつけは「帰りはずーっと渋滞」となっている。首都圏の渋滞はごめんだ。
 札幌時代に洞爺のフルにも車で参加したが、行きは極めて快適なドライブ、駐車場から受付まで徒歩3分、帰りの渋滞も1箇所、せいぜい20分というものであった。ここでも札幌を懐かしく思うが、そんなセンチメンタルに浸っている場合ではない。
 結局、八王子の実家に前泊することとした。八王子を5:35発の中央線下りであれば、河口湖到着予定は7:19で忙しないだろうが間に合いそうだ。朝早いのはやむをえない。実家が八王子であることを、14歳で転居してから初めて感謝した瞬間かもしれない。
 朝4:30起床、5:00前に実家を出る。まだ外は真っ暗。大月で富士急に乗換えるころ明るくなる。富士急の途中でふと窓から外を見ると、視界目一杯の富士山!朝日に輝く霊峰は厳かであった。
 7 :19に予定通り河口湖駅に到着。「寒っ!」。おそらく摂氏1度程度だろう。寒気の中、凛とそびえる霊峰富士の姿を、今日の記念に撮影した。駅からゆっくり歩いて10分くらいで受付を済ませ、湖畔に面した旅館「サンきよすみ」に入る。湖畔の宿・7~8軒が「無料更衣室」兼「荷物預り」兼「入浴所」となっている。本マラソンが町を挙げてのイベントと言うことがよくわかる。 大広間で着替えたり準備をして、スタートラインへ着いたのが8:20。既にスタートを10分後に控え長蛇の列。今日はフルマラソン(河口湖2周)、27キロ(1周)、ファンラン(11キロ)の3種のレース合計約10,000人、これが一斉にスタートを切るとのことでスタートゲートははるか前。これではスタートライン通過まで何分かかるかわからん。「少しでも前に出よう」と単身の身軽さでちょこちょこ前に出る。行けるところまで行って8:30の号砲を待った。

 8:30Bang!スタートライン通過が2’45、ゆっくり入る。スタート地点は山陰だったが、ちょっと行くと陽射しを浴びる。とたんに「げっ!暑いか?」。駅に7:19に着いたときは「寒い!」と思ったが、太陽が昇るにつれ、気温も急上昇したようである。今日は長袖着用、下は短パン。暑いのは避けたいところだが、走り出した後に気がついてもどうしようもない。「新しい長袖シャツは機能が優れているはずだから何とかなるだろう」と諦める。「汗が出るから給水だけはちゃんと取ろう」と改めて自己に言い聞かす。
 5km通過のネットが29’10。ゆっくり入るつもりであったので予定通り。そのまま10km。この5kmが28’49。そろそろスタート後の混雑も解消してきた。河口湖大橋を渡り、山陰に入ると、ぐっと冷え込む。後続のランナーも「お!日陰は寒いな」と漏らしていた。ここで違和感を感じる。両足の大腿裏に張りを感じるのだ。2週間前の横浜ハーフの夜に痛んだところだ。軽量シューズによるものだと思っていたのだが、まだ疲労が抜けていないのだろうか?ペースアップは自重し、そのままのペースで足を気にしつつ進む。15kmまでの5kmが29’13、引き続き同じようなペース。
 18kmで考えられないことが起きた。足が重くなり、前に持っていけない感じ。「おいおい、まだ半分来ていないぞ!」失速状態といっていい。
 20kmまでの5kmが29’13。25kmまでは30’17。@6'00を超えたとわかって、さらにガックリくる。「河口湖1周レース(27km)の参加者と一緒にゴールに向かい棄権するか?」とも思う。
 しかし、半年にわたる減量は今日のため。夢舞で瀕死の思いで完走したのが1ヶ月前、ハーフのベストを出したのが2週間前、「今日ここで棄権したら絶対に悔いが残る」と、自らの身体と精神に鞭を入れ、2周目に突入した。
 30kmまでの5kmは31’08。通過タイムはグロスで3:00’48。「あ~ぁ。30km3時間も切れなかったわ」。35kmまでが34’04、さらにガタッと落ちて、40.195kmまでは39’12、実にkm7’33までペースが落ち込んだ。それでも一応走ってはいる。
 最後の給水では、水のほかに「きのこの山」がデスクに置いてあった。鷲掴みにして口に放り込む。バリバリ食ってちょっと目が覚めた。残り2キロを14’27かかって、たどり着いたゴールはものすごい人出。知り合いはいないはずだが、それでも満面の笑顔を作ってゲートをくぐった。グロスで4:28’30、ネットは4:25’45。
 ゴール後チップをはずすために並べられた椅子にへたり込んでいると、となりのジイサンが「やはりきついですな」と話しかけてきた。「ホント、ばてました」「私は北海道から来たんですよ。」「え!私も昨年まで札幌にいたんです。私の初マラソンは洞爺湖です」と途端に話が盛り上がる。聞けば室蘭からお越しの70歳。一昨年氷道を走っていて転倒して足首を骨折するまでは3:30程度で走っていたそうである。「最高が3:06、50歳から走り始めたんだが、ついにSUB3はできなかった」と笑顔が爽やかであった。私が魅せられた真駒内公園の緑は、先日の台風で数百本も倒木したそうである。今年の異常気象を象徴している。さらに洞爺や千歳、札幌ハーフと話は弾むが、身体はばてている。早く温泉に浸かりたい。折を見て「またどこかで逢いましょう」と私から握手を求めて立ち上がった。ゼッケンを覗かれ「41歳か。まだまだですな」と言われた。無論このままのタイムで終わるつもりはない。「ありがとうございます。また必ずどこかで」といって別れた。河口湖の地で、北海道の参加者とめぐり合えるのも本当に奇遇であったし、私に対する天の励ましなのかもしれない。
 完走Tシャツをもらい、群れる雑踏をさけ、脇から湖畔の道に上り、「サンきよすみ」に戻る。戻って他の参加者をみて気がついた。「しまった。完走証と名物完走トン汁!」雑踏は、その2つをゲットするためのものだったのだ。いまさら雑踏に降りていくのも大儀。あきらめた。
 温泉はぬるめだったが、汗の結晶の塩を流せてゆっくりできた。場所を提供してくれたお礼の意味もあって「サンきよすみ」売店で、家族と会社に土産を購入。行き以上にゆっくり駅まで歩いて、富士急行・中央本線・JR・バスで帰宅した。富士急、中央本線は満席であったが、それを見越していた私は釣り人が使うような簡易イスを持参していた。周りはランナーと登山客ばかりなので、そんなイスを使っていても顰蹙はかわない。重宝した。
 自宅での夜。翌日は有給休暇をもらっているにもかかわらず、21:00過ぎに就寝した。夜中、両膝の痛みで何度か目が覚めた。さすがに激闘苦闘の42kmであった。
 本日の総括は「快晴微風、絶好のコンディション(スタート時の気温6度、ゴール時12度)のなか、歩かなかっただけの42km。唯一のヒットは簡易イス」という感じでした。
 で、本日のトピックス。

★日本一景観のいいコース
 パンフレットにそう書いてあった。ちなみに洞爺湖マラソンのパンフレットにも全く同様の文言がある。どちらが真の日本一か!
 5月の北海道洞爺湖は新緑に萌える季節、11月の富士河口湖は晩秋というか初冬で紅葉は少し盛りを過ぎている。単純に比較は難しい。河口湖はコースのところどころから霊峰富士を仰ぐ。これは日本を代表する景観だと思う。ただ、湖のまわりの周回道路や緑の具合は間違いなく洞爺のほうが素晴しい。どちらが日本一か?もう1度出るのならどちらがいいかと考えると、やはり新緑の洞爺のほうに軍配を挙げる。
★フルでの失速
 なぜ失速したのか。それも18キロ程度で・・・突っ込んでいったのなら分かるが、今日はフルの距離をケアしてゆっくり入ったというのに。最初のフル(02年洞爺)は「とにかく30km3時間」を目標に走り、それを達成して37kmで尽きたのだからまだ納得できた。今日の目標は「フル完走」、そして目標タイムは・・・。
 現在の「マイペース」は5'40程度。このペースで42kmを走れば丁度4時間でゴールできる計算になる。だから、今日の目標は①「サブ4」であった。少なくても②「4:13」(km6’00)ではゴールできると思っていた。本当にまさかの失速、しかも半分も行かずに。悔しい。
 考えたら上記の洞爺では最後の5kmを歩いて4:24’59。今日より、歩いたときのほうが早いでやんの。何度も言うが悔しい。
 12kmで感じた大腿裏の張り。実は5日前の軽めのランニングのときも感じていた。毎朝毎晩のストレッチは欠かしていないんだけどなぁ。原因不明。
ただ、失速してからの24kmを走り通したのは、終わってみると本当によかった。気持ちよく走ったのは12キロまでで、残り3時間以上は苦闘苦役であった。「せめて青梅の距離の30までは」「洞爺で歩いた37までは」「あと5kmならなんとか」と意地を通せたことで、42kmの距離は一応征服した。「1週間で42km走れば~」は中途半端な気はするが一応真実といえよう。あとはタイム。今シーズンもう1度チャレンジしようかと思う。
★減量
 「10kg減量すれば~」は今回に限って言うと、まったくの虚言であった。
                               以上

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