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【駅・コンビニでご当地🍙】#10 五所川原駅隣コミュニティカフェ「でる・そーれ」で太宰治の愛した「若生おにぎり」と津軽名物赤いいなり入り「津軽の味っ子弁当」、早煮こんぶで若生おにぎり自作

青森へ行ったのも早くも十日前。
今回は前々から一度食べてみたかったあるご当地おにぎりをお目当てに、五所川原駅までレンタカーで向かった。青森空港から40分程度、思っていたよりも近い。

駅前はこんな感じ。駐車場が広い。こちらはJR側だが向かって左に津軽鉄道の駅舎もあり、そのお隣のコミュニティカフェが今回の目的地。

「でる・そーれ」さん。
ここでは店内飲食のみならず、お弁当のテイクアウトができる。

ちょっと見切れました

訪れたのは初めてだが、五所川原には割と親しみがある。
我が家は過去3年ほど、五所川原市にふるさと納税をしていた。中まで真っ赤なりんご「御所川原(五所川原市とは漢字が異なる)」が最初はもの珍しく、お取り寄せしてみたくて申し込んだところ、食べてみるとその甘さの少ない酸っぱみや固さが気に入って、主に加熱して焼きりんごやジャムにして活用していた。
今回はりんごの時期にはまだ少し早かったけれど、「でる・そーれ」さんでも御所川原の加工品が販売。生のりんごも予約を受け付けていた。オンラインショップでも買えます。

さて、今回のお目当ては「若生(わかおい)おにぎり」という津軽名物。太宰治がいたくお気に入りだったということでも有名な、若い昆布でごはんを巻いた素朴なおにぎりである。これが是非食べたくて、他にも買える場所を探したものの現地着が日曜だったため、営業している店舗が少なかった。こういう時にも駅ナカ或いは駅隣接の施設は頼もしい。ありがたいなあ…。

同店では単品の若生おにぎりも購入可だが、せっかくなのでお弁当をつくっていただく。注文後に詰めてもらう仕組みなので少し待つが、今回の「津軽の味っ子弁当(700円)」は五分程度でできあがる。うれしい。

会計時に「若生おにぎり食べたことありますか?」とお店の方に聞かれ、正直に「初めてです」と答えると、食べ方を教えてくださった。

若生おにぎりは昆布の繊維に沿ってくるんと巻かれているので、それに逆らって噛み切ろうとするとうまく切れずに昆布が解けてしまう。
おにぎりを縦長に手で持ち、繊維に沿って噛むとうまく食べられますよ(それ故箸では食べられない)とのこと。
こんな可愛いイラストもつけてくださった。

お弁当の包みもかわいい。太宰治のエピソード掛け紙も嬉しいし、割り箸の袋が「はしいれメロス」…こういうの嫌いじゃないです。

さてさて開封。
緑の若生おにぎりと赤いいなり、黄色い卵焼きと彩がきれいで気分が上がる。手作りのひじき煮や、口直しのお漬物も良い。

食べてみると、若生おにぎりは具のない真っ白ごはんを薄い昆布で巻いたもので、昆布の塩気と旨味がごはんにしみて素朴で美味しい。
今回は買ってから数時間後に食べたので、昆布の旨味がより染みていて美味しかった。具がないので漬物やおかずとの相性が良い。

これは飽きないなあ。食べ方を教わっていたので戸惑いなく食べられ、私は海苔で巻くのと同じくらい好きかも。とろろ昆布のような酢の味がしないので、ほぼ海苔と同じように使える。太宰のみならず、地元の味として愛する方は多いのではなかろうか。

一方、赤いいなりもつい最近津軽料理の本で見て気になり、「紅生姜をたくさん入れて赤くする」「味付けは甘い方が好まれる」程度の情報しかなかったため、紅生姜がどんな状態で入っているのか、甘さは何でつけるのか知りたかった。今回のお弁当で判明。
本当に甘い。すごく甘い。酢飯も油揚げも両方甘い。目の覚めるような甘さである。

紅生姜はごく細かなみじん切り(だからむらなくピンクに染まる)、甘さは白砂糖。若生おにぎりが余計な味付けのない薄味なのでこちらもそうかと思いきや、違った。びっくりした。が、作り方がわかってよかった。私は紅生姜好きで自作の梅酢漬け紅生姜がたくさんあるので、あまり甘くせずに今度真似してみよう。

さて、そんな美味しい若生おにぎりの記憶がまだ濃い先週末、三浦の直売所「すかなごっそ」へ行くと、こんなものを見つけた。

薄くて柔らかそうな「早煮こんぶ」。
これは若生おにぎりに使えるのでは…?と買って帰り、早速試してみる。塩蔵で要塩抜きとのことなので、最初は数時間水につけ、念のためさらに軽く湯通ししてから巻いてみた。

湯通ししたので昆布が滑る、それとボリュームが出て少々巻きづらい。

数時間待つとしんなりと落ち着いた。

でも塩抜きしたせいで殆ど塩気を感じず、昆布のごはんとの馴染み方も若生おにぎりとはちょっと違う。故に翌日、塩抜きをせずに巻いたところ、ちょっとしょっぱいけれど(故にごはんはやや多めの方がバランスが良い)こちらの方がよりそれっぽかった。
今回買った早煮こんぶはさほど塩が強くなく、湯通しもされているのでこのまま使っても問題なかったが、試される場合はお手持ちの昆布の味や状態に合わせて巻いてみてください。思っているよりずっと美味しいことに驚くはず!

最近富山へも行ってだいぶ昆布づき、自宅ににわかに昆布製品が増えている。美味しいですよね昆布。ミネラルも食物繊維も豊富。ぜひ積極的に食べたい。
若生おにぎりはかなり気に入ったので、薄い昆布が入手できれば我が家では定番化しそう。本場で食べてみてよかった。
電車で行くと五所川原は五能線。本数がかなり少ないためアクセスはやや厳しいと思っていたが、車を使うと意外なほど近い。今年も中まで赤いりんご、お取り寄せしようかな。

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