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【今週の週末ごはん】#38料理名は「茄子」!スウェーデン料理オバジン(aubergine)、れんこんステーキバルサミコ醤油、青唐辛子のチーズトースト、ミネストローネ

何年か前からとても気になり、しかし詳細が不明な或る北欧料理があった。
それは「オバジン」という名で、スライスして揚げた茄子にアンチョビをちぎってのせ、チーズをかけて焼いたものを熱々のうちにごはんにのせる、というラフな作り方以上の情報がほぼない。どうやらスウェーデン料理らしく、スウェーデンにはかの有名な「ヤンソンさんの誘惑」等アンチョビを使った料理がいろいろある。おそらくそのひとつだろう。

北欧料理にはまってレシピをいろいろ調べていた頃偶然目に留まり、材料とつくり方から美味しいに違いないと判断できたが、なにぶん正解がわからない。現地や日本の北欧料理店で食べた方の写真をいくつか拝見するに、チーズがたっぷりかかったバージョンとホワイトソースがかかったドリア仕立てのバージョンがあるくらいはわかったが、どうにも情報が少な過ぎる。
見知った頃になんとか一度試作して以来随分長くご無沙汰していたが、茄子が余っていたある週、久しぶりに思い出しつくってみることに。茄子が余っている…茄子??そうか、そういうことか!

突如閃いた。
そうだ、「オバジン」とは茄子のことである。

アメリカ英語で茄子はeggplantなのですぐには結びつかなかったが、15年ほど前にギリシャで買った英文のレシピ本では茄子は一貫してaubergine表記だった。イギリス英語ではaubergine、フランス語で言うところのオーベルジーヌ。

つまり同じヨーロッパ圏の北欧でも同様ということだろう。それにしても料理名が素材そのままとは、レシピ解読に非常に困る。たいへん困る。焼き茄子なのか揚げ茄子か、それとも炒めた茄子、或いはペースト?
いやあまりに雑過ぎないか…?まるで田舎の婆さま方が「今日豆食べる」とか「芋食べる」とか言うのと同じような雰囲気を感じる。

ともかく、数年来の謎が解けてすっきりし、その素朴な由来から適当につくって大丈夫と気分よくつくった週末ごはん。オバジンは豆乳ホワイトソース仕立てのドリアにし、中のごはんは麦と蕎麦の実を混ぜてより北欧〜ロシア圏っぽいバターライスにした。

手前のグリルパンがオバジン。豆乳ホワイトソースが黄色い

◆オバジン(スウェーデン風茄子とアンチョビのドリア)

蕎麦の実のぷちぷちした食感が良い感じ。アンチョビは数年前の自家製です

基本的なつくり方は上の通りだが、今回はややリッチに。
フライパンにバターを溶かして刻み玉ねぎと麦ごはん、茹でた蕎麦の実を炒めて塩・こしょうで味を整え、バターを塗ったグリルパンに敷く。
その上に7mm程度にスライスしてソテーした茄子を並べ、ちぎったアンチョビも均等にのせ、全体に豆乳ホワイトソースをかけておろしたパルミジャーノを振り、焦げ目がつくまでグリルで焼いて完成。

茄子を焼く、または揚げるのにどれだけ油を使うか、アンチョビをどの程度使うか、ホワイトソースやチーズを量と種類は?等によって仕上がりが大きく異なる。何せ名前は「茄子」。家庭料理と思われるので、各自の好みに合わせて作るのが良いと思う。
私好みに美味しくできました。蕎麦の実ライスもおすすめです。

◆れんこんステーキ・バルサミコ醤油風味

厚手のフライパンやグリルパンで根菜をじっくり焼くと美味しい。特にれんこんは塩だけでも、ブルーチーズやバルサミコのように多少主張の強い味付けでもしっかり受け止め美味しくなるので、柔らかく煮るより焼いて食べるのが好きだ。

皮付きのまま少し厚めに切って少量の油を敷いたフライパンでじっくり焼くところまでは共通。今回は両面しっかり焼けた後、バルサミコ酢と醤油を小さじ1強ずつ混ぜたものをじゅっ!とふりかけ、全体に絡めた。
焦げた醤油の香ばしさと煮詰まり甘みの出たバルサミコの両方がれんこんに絡んで実に美味しい。ワインに最適である。あつあつより少し冷めかけた温度帯で食べるのが美味しいと思う。

◆ミネストローネ

朝目を覚ました時に少し胃腸の疲れを感じ、スープが食べたくて最初につくった。
ミネストローネはその時ある材料でつくるので決まったレシピはないけれど、必ず入れるのは小さめダイスカットのにんじん、玉ねぎ、キャベツ。これらを最初に塩ひとつまみを振って鍋で炒め(軽めのソフリット)、それから同程度の大きさに揃えた皮付きかぼちゃ、トマトと生ハム少々を加えて余計な水分が飛ぶまで炒め、茹で白いんげん豆を茹で汁ごととひたひた程度の水を加え、蓋をして10分ほど煮て火を止め、後は余熱で。
最初の塩以外味付けはしていないが、とても美味しく馴染んだのはかぼちゃと白いんげん豆のおかげかも。優しい甘みのある食材を使うと美味しく仕上がるように思う。

◆いちじくのカプレーゼ

千葉の直売所でいちじくを買ったので、前週に続き登場。今回はシンプルにモッツァレラと生ハム、ミントでカプレーゼに。前週の和歌山産より千葉県産いちじくはさっぱり味で、シンプルな組み合わせとよく合い美味しかった。

◆ちょっとイタリア風ゴーヤチャンプルー

肉を入れずにトマトを加え、塩で味付けしたさっぱりゴーヤチャンプルー。どのお酒にも、パンにも合って便利。アンチョビを加えても。

◆青唐辛子チーズトースト

最近気に入って繰り返しつくっているチーズトースト。青唐辛子の酢漬けを使っているが、醤油漬けでもきっと美味しい。

ポイントは、先に食パンまたはイギリスパンを両面軽くトーストしてから具をのせて焼くこと。私はピザトーストも同様にしてパンが具の重さや水分で沈むのを防ぐ。
トーストに直接スライスチーズをのせても美味しいが、私はケチャップを塗った上にチーズをのせ、青唐辛子を散らしてチーズが溶けて焦げ目がつくまで焼くのが好き。
炭酸飲料(炭酸水でもコーラでもビールでも)に合う味だなと思う。

青唐辛子の酢漬けは、本来辛いものが苦手なはずの夫がちょくちょくつまんで食べている。「シャキッとしたい時にいい」のだそうで、気に入ってくれてよかった。

オバジンはどの種類の茄子でつくっても美味しいので、これからの秋茄子シーズンによろしければ是非。
この日のワインはこちらでした。美味しかった。

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