経営者がまずやるべきことは「休養」である
休養学という本との出会い
片野秀樹さんの著書『休養学』を読んだ。
一番惹かれたのは、「疲労状態を修復するにもエネルギーが必要で、修復するためのエネルギーを保ち続けることが大事」という部分だ。
私はこのことを全く意識せずに生きてきた。
若いと修復しやすい。
だから私も若い時は修復しやすい体だったと思う。
そのため、忙しく働いてきた中で、「休むスキル」というものを全く培ってこなかった。
現在でも、どうしても仕事優先のスケジュールを組んでしまう。
朝早く起きて、パソコンの前に座り続ける。
朝9時には、もう既に疲れている。
それから連絡や打ち合わせをし、書類を作る。
夕方にはクタクタになって放心する。
充実というより疲労感とイライラで夜を迎える。
そんな生活が当たり前になっていたけれど、今考えると、ずいぶん前から、このやり方には修正が必要だった。
ゴールは「充電が切れない状態を保つこと」
『休養学』が教えてくれたのは、休養の目的が単に「疲労回復」だけではないということだ。
休養は、気力がなくなってから補うものではない。
それでは疲労状態を修復するエネルギーもなくなってしまう。
「充電が5割くらいから減らない状態を保つ」ことがカギなのだ。
(ちなみにいっておくが、ここから先のことは、この「教養学」という本の中を探しても書いていない、と思う。)
例えば、スマートフォンをずっと使い続けてバッテリーがゼロになる直前で慌てて充電するのではなく、日々のこまめな充電が重要だと考えてみてほしい。
スマートフォンは、「使い切って0パーセントにしてから充電すべき」と言われていたこともあったが、あれは嘘で、バッテリーはまったく充電されていない状態にあるとダメージを受ける。
人も同じようなことが言えるだろう。
つまり、疲れが少ないうちに休養するのだ。
人(私)は頑張っている部分しか参考にしない
もう一つ思い出したのは、ほぼ日の學校で紹介されていたタナカカツキさんの動画。
タナカカツキさんはマンガ家だ。
ちょっと前に「サ道」という、サウナをテーマにしたマンガでヒットを飛ばした。サウナ版孤独のグルメみたいなマンガだ。
タナカカツキさんは、作品の量産を目標にしていて、毎朝早起きしてルーティンワークをこなしている。
動画では、なぜこのスタイルになったかが等身大で語られている。
一部が記事になっているので、ぜひ先ほどのリンク先をみてほしい。
この動画を見た時、「自分も見習って毎朝時間を確保しなきゃ」と思った。
でも上手くいってない。
振り返ると、タナカさんにはもう一つの大切な習慣があることに気づく。
それが「昼からサウナに行くこと」だ。
正直に言うと、私はサウナには興味がないし、そこには関心を寄せなかった。
でも、このサウナ時間が彼にとっては重要なリフレッシュと休養の時間なのだと気づいた時、自分がいかに「人の頑張っている部分しか見ていないか」を痛感した。
サウナという休養もサイクルを回している一部であることに気づいていなかったのだ。
この視点の欠如は、自分の働き方にも影響していたと思う。
「仕事を頑張る」ことばかりを優先してきて、「休養を取る」という大事な習慣を無意識に無視してきたのだ。
この国の「休養をとってしまってすみません」という価値観が、自分にも根深くあると感じた。
休養も経営の一部である
「経営者は24時間タスクと向き合っていかないといけない」という思い込みは、自分を苦しめるだけだ。
むしろ、適切に休むことで、長期的に良い成果を上げられる。
したいことも、疲れているとしたくない。
ここ、重要。
これから年を追うごとに重要になるだろう。
あえてカッコよく言うと、「休養は単なる息抜きではなく、重要な戦略の一部」だ。
もっと等身大の言葉でいうと、休み方が下手な自分を続けると、違った自分になってしまうだろうという予感がする。
本来したかったことをイヤイヤながらする、いやな自分になってしまう気がするのだ。
休養がもたらす未来
この記事をお読みになっている経営者の中には、自分も「休養不足かも」と感じる人がいるかもしれない。
いや、ほぼ間違いないだろう。
「休養学」によると、8割の人間は疲れているらしいのだ。
もし本来やりたかった経営をイヤイヤやっていると感じるなら、まずは簡単なところから始めてほしい。
ちっとも本のことを紹介してませんでしたが、「休養学」では寝る、運動するばかりではない、様々な休養を取る方法が紹介されている。
お風呂に入ることや娯楽も休養だ。
小さな休養を積み重ねて、エネルギーを保持し続けることが、大きな変化を生む。
「経営者の仕事は、自分の体と頭脳が資本だ。」
この一文を読んでなんだか嫌な気持ちになった人は、頑張りすぎている。
アドラー心理学でいえば、勇気がくじかれているのだ。
早速休もう。
ぜひ「休むスキル」を、いっしょに高めましょう。
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