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勉強と運動

最近この話題のことを考えることが多いので流します。

得意なことはどっち?
みたいに考えることないですか?

自分のこどもに対して「この子は勉強が得意」、「下の子は運動が得意」の様に。

でもそれって本当でしょうか。

興味を持つ対象はそれぞれで良いと思います。
興味=入口  です。

その際に理解しておいて欲しいのは
『勉強』、つまり新しい知識が入ること、分からないことが分かるようになることが好きな人には、それをやりきるための体力や、運動を行って気分転換をしたり、体の柔軟性を取り戻す作業が必要なこと。

『運動』、つまり体を自由に動かすこと、人と競って勝つことが好きな人には、そのために必要な知識を身につけたり、人に教わって学ぶことが必要なこと。

どちらかではなく、広い意味で考えるとどちらも必要。

文武両道は基本中の基本。どちらかではそのうち行き詰まります。


もっと具体例を挙げると、音楽を演奏するにも運動が必要ということ。

よく吹奏楽部が走っているのを見て、疑問に思ったことはないでしょうか。(直接体験したわけでもなければ、話を聴いたこともありませんが)きっと長い時間、安定した肺の機能を維持するためには体力が必要なのでしょう。練習時間も長く、時に重い楽器を持ったまま数時間も同じ姿勢に保つことになります。

姿勢を固定する作業は人にとってかなりの負担です。重力下では動き続ける方が楽なのです。固定したままでは同じ部分の筋力を使っています。動くことで、上手く切り替えを行い、効率よくエネルギーを消費していると考えられるからです。


体の動きの意味を考えることはいろいろなところで役に立ちます。

なぜその姿勢が痛いのだろう??

なぜ力が入りにくいのだろう??

どうしてそんな歩き方なのだろう??

勉強があまりすすまない理由が体の使い方にあるかもしれません。疲れやすい理由も体の使い方にあるかもしれません。じっとしていられない理由も・・・

動きの始まりを詳しく理解していくと、様々なものが見えてきます。でも、それは作り出している本人には見えていません。それがとてももったいないと感じます。運動と関係なさそうという理由で、そこにアプローチできていません。

そういった知識のある人、体の専門家はたくさんいるのに、その両方を兼ね備えた『一般の人に体の使い方を教えて、幸せに導くことのできる達人』はまだそのポジションを獲得できていません。

日本には少ないトレーナーという職業がもっと身近になり、医療よりももっと手軽に利用できる機会が増えるとそういった環境も変わっていくのかなと感じました。

すべての人に、なんとなくそこに通っているだけで、生活がちょっとでも良くなるお手伝いができる様に。医療のハードルをググッと下げてお待ちしています。

中川将吾
小児整形外科専門ドクター

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