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こうして「都会の人」は作られるのか、という衝撃


ついに春休みも終わり、我が子たちは今日から登校です。

ドイツ時代、春休みはいつも旅行にばかり出掛けていた我が家ですが、今年はコロナ禍もあり、そして長男アユの塾の春季講習もあり、結果家で過ごしました。

新中3の春とはいえ、毎日16時から21時半まで。私が中学生の頃には考えられなかった生活です。正直、こんなに塾漬けで大丈夫なの?とこちらが不安になったくらいなのですが、なんと次男ワタと同学年の中学受験組の方がスゴイことが判明!春休みの間、なんと朝の9時くらいから夕方まで塾の春季講習に行っているのです!

それだけ聞くと、「うわ〜!遊ぶ時間がなくて勉強だけさせられてかわいそう!!」と思われるかもしれません。が、都会の子のスゴイところって、そうした受験塾に通いながらも、スポーツの習い事を継続していたり、隙間の時間に上手に友達と遊んだりしているところではないでしょうか。次男ワタの友達が春季講習で9時半から塾だからと、7時半ごろに公園で待ち合わせして1時間ほど遊んで帰ってくる!なんてこともありましたし、春休みの大半の日はお昼から塾チームのお友達とも午前中早起きしてめいいっぱい遊んで昼頃に帰ってきました。おかげで春休みは規則正しい生活ができて、今日の学校もすんなり行くことができました。

しかしそんなことがサラリとできる(かどうかは人それぞれですが)都会の子はやはり恐ろしいなと、正直驚きを隠せません。ただ事実、日本の都会は相当な競争社会ですし、ある程度満足できる年収を満たすとなるとどうしてもかなりの時間働かざるを得ないのが現状です。が、仕事ばかりしていると人生が終わってしまう、ということで隙間時間を上手に利用できることが日本の都会で人生を充実させるために生きるための術でもあるのだ、と最近思うようになりました。

一方で、ドイツの子どもたちは長期休みに宿題もでない、ひたすらのんびりした生活を送り、職業学校や大学などを経て働きます。その、のんびりした生活の中でさまざまな経験(例えば旅行やボランティア、音楽などの習い事、プチ留学などで語学スキルを磨く)をすることが結構重要。日本のような偏差値教育ではないので、「どこの大学に行くか」ではなく「何を学ぶか」を真剣に考え、その自由な時間で自分の個性を磨いている気がします。なので日本人の唱える「隙間時間の有効活用」や「弾丸旅行」などはドイツ人からみたら考えられられないわけです。これは完全に文化の違い、というか社会や教育システムの違いでしょう。

もちろんドイツも都会と田舎で競争の度合いは違いますが、日本ほど差はないと思われます。日本の田舎で生まれ育ち、ドイツで6年間子育てした身としては、「都会の子育て」は完全に未知の世界でもありました。泥臭く要領の悪い、田舎者だった私が東京の大学生になり、そこで出会う都会の人たちが、「スマートなのにタフ」だったことに衝撃を受けたのですが、小学生ながらにいろんなことをすでにバランス良くこなしている都会の子どもたちをみて、「ああこうやって都会の人は作られるんだ」と知ってしまった感じ。

教育は人格形成にやはり大きく影響を及ぼすんだな、というのが現時点での私の考えです。

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