【FC琉球】J2 第2節 vs 大宮アルディージャ

はじめに

2019 J2リーグ第2節、FC琉球は大宮アルディージャに4-3で勝利し開幕2連勝を飾る。

この試合でも冴えまくっていた中川&鈴木の2トップと90分上下動を繰り返した徳元&西岡の両SB。そして前節不安定な出来に終始した上里&風間2セントラルハーフの修正。サプライズ先発で結果を残した上門(富所は怪我でしょうか?この時期になると毎年離脱しているような)、全員が機能していました。

スターティングメンバー

開幕戦より1名変更。前述のように富所の代わりに上門がイン。
大宮はやはり3-4-2-1。個人的な注目点はフォーメーションの噛み合わせで3対2とギャップが出来てしまうファーストラインと最終ライン中央の守備設計。数的不利をどう対応したのかみていきます。

前半

ハイライン・ハイプレスを敷く琉球。
全体が20-30メートルに入るほど縦を圧縮しコンパクトな陣形を保ちながらセカンドボールを回収していく。裏にはその分スペースが有るが、そこへ出されてもDFの走力とGKカルバハルでカバー出来るという計算。相手ビルドアップ隊へのプレッシングも上門or田中が牽制。しっかりと大宮対策がされていた。

また、大宮陣地でボールロストした際はゲーゲンプレッシングで突撃し効果的なカウンターを許さない。このへんは相手が5-4-1で前に人がいないので琉球としては突撃しやすかった。

対する大宮の守備。
前からはプレスにいかず、5-4-1の守備陣形を形成することが最優先。2シャドーの大前と嶋田は守備時にはサイドに落ちる。

一見強力な守備ブロックのように見える5-4-1だが、守備の開始地点があいまいで選手が連動しない。具体的には、前半何度かあったファンマが数的不利の状況でCBにプレスをかけにいくシーン。単独でプレスに行くだけでは局面は4対1で簡単にかわされ、そこから芋づる式に選手をつり出されスペースと時間を琉球に支配されていた。同様のシーンは大山と石川でもみられた。

この試合で大宮DFを悩ませたのがFW中川の降りる動き。
ビルドアップが数的不利 or チェンジオブペースの際には頻繁に2列目3列目に降りてきてボールを散らしていく。大宮としては、少なくともこの試合は「5-4-1ブロックは崩さない」が鉄の掟でしたのでこの中川の動きにはCBは付いていかない。かといって中盤は人数が足りていないから上手く受け渡す事もできない。という事で中川は常にフリーで自由を謳歌する。
個人的にはCBがマンマークで中川に付いて来られる方が嫌な気もした。

16分、ショートカウンターから琉球が先制する。
中盤で相手を囲んでボールを奪取。これを上里がダイレクトで中川へ渡し中盤を攻略。鈴木がおとりの動きでDFを引寄せた所を逆サイド田中へパーフェクトパス。これをダイレクトで流し込んだ。
ゴールの起点はボールサイドに人数をかけてしっかり奪い切ったところと、何といっても上里のダイレクト縦パスである。これ以上手数をかけていたらうまれていないゴールだった。大宮側からしたら攻め上がっている途中でボールロストしただけにカウンターをもろに喰らった格好に。

大宮もその後用意してきたセットプレーで同点。

前半終わってパス本数トップは上里(39本)、次点で風間(32本)。
アタッキングサイドは左29%、中央20%、右51%。
右サイドが多い理由は、中川の中盤落ちで簡単にビルドアップが出来た事と西岡のオーバーラップ。大宮としては田中・西岡・中川をプレイヤー2名で対応せざるを得なかった。
懸念していた琉球最終ラインでの数的不利(増谷・岡崎と大宮の前線3名)も縦横圧縮で対応できていた様にみえる。


後半

前半同様に進むのであまり書くことがない。得点シーンだけ。

2点目、中盤でこの試合再三フリーの田中がシュート気味のパス(本当はシュートかもしれない)で中川へ。中川から中央を詰めた鈴木のゴール。大宮が5-3-2に変えていたのか単に大前がサボっていたのかは不明だが中央にポッカリスペースが出来ていた。

3点目、琉球ボールロスト→追撃守備→ボール奪取→右サイドフリーの西岡→田中→インナーラップした西岡→鈴木又抜きゴール。ここでもガラ空き右サイドを起点に得点。

4点目、増谷パスカット→中川ドリブル→右に3名、左に2名のサポート→左サイド上門にパス→ゴール
ボール奪取から9秒でゴール。琉球6名VS大宮4名になっていた。大宮ネガティブトランジションからのゴールが目立つ。

足が止まり相手の圧力をもろに受けた終盤、再三カルバハルのビッグセーブに救われた(2失点目のPKジャッジはドエライシュミレーションだった事は言っておく)。やはり簡単には勝たせてくれないし、選手交代やゲームプラン等は今後の教訓になったと思う。その中での連勝はでかい。

雑感

「リアクションにならない主体性をもったチーム」、「沖縄の青い空澄み渡る海には、守備的なサッカーは似合いません。」とは樋口監督の言葉だが、それを守備でも攻撃でも体現するサッカーだった。
琉球を応援している僕でさえ、正直開幕2連勝は全く予想していなかったし、それくらい相手の戦力は上だと思っていた。ウイイレ的な発想で選手個々の能力値を語ると相手の方が間違いなく上だと思う。だがそれを戦略や連携面で補えているのがFC琉球だと思うし、サッカーの醍醐味だなとつくづく感じる試合でした。

次節は3/10愛媛との戦いです。
GKから丁寧にポゼッションしてくるチーム。
開幕戦は3-4-2-1だった様ですが前節は4-4-2でした。
琉球戦は4-4-2でくると予想します。スタイルが似たチームだけに好ゲーム必至。注目は愛媛の王様10番神谷とイケメン監督です。

後半途中から和田も見てみたいけど、前線が好調なだけに難しそう。
富所も出てくるでしょうか、、小松のスタメンもみたい、、


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?