「夜桜ってなんか艶やかだね」
月の光をほのかに浴びながら、風にゆらゆらと揺れている桜。
「あのね、あんまりはっきり言えないけど、ちょっとだけね」
と言って君は僕にそっとキスをした。
「ちょっとだけ」って君はよく言うけど、ぜんぜんちょっとだけじゃないから笑っちゃうよ。
僕をとっても好きだと思ってくれる君が愛しい。
優しく髪を撫でて、僕の胸に君を抱きよせた。
この時間が永遠につづけばいいのに。
そんなふうに思ってるんだけど、僕のその気持ちは君には内緒。
でもバレてるかもね。
君がかわいくてかわいくて仕方ないから、たぶんちょっと動くだけで君への愛がこぼれ落ちてる。
#短編小説 #超短編小説 #夜桜 #気持ち #愛