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愛ゆえに

「何が欲しい?」

二人きりの部屋であなたが私にそう聞きながら、そっと私にキスをした。優しく触れた唇はあたたかくて安心する。でもすぐに離れて、少し寂しい。あなたの唇に視線を流す私をあなたが見つめる。

「ねぇ、何が欲しい?」

もう一度聞かれて、私はほんの少し考えるフリをした。

それからゆっくりあなたをベッドに座らせて、あなたの髪に触れる。あなたの髪はやわらかで幸せな手触りで、その質感を感じたくて、あなたの髪を口に含んだ。

私が欲しいもの。

それはね、

「束縛・・・」

その言葉をあなたの唇から体に注ぎ込む。濃い色を帯びた束縛があなたの体に流れていく。その流れをなぞるように、唇から首に、肩に胸に、そして腰にと指を這わせた。その指がしっとりしているのは私のせいなのか、あなたのせいなのか。

籠のなかの鳥が羽をばたつかせ、鳥籠が揺れる。

「束縛・・・したいの? されたいの?」

馬鹿ね、そんなこともわからないなんて。

私はあなたの唇に人差し指を立てて言う。

「しー」

鳥が静かに羽を閉じる。

私はあなたを胸に抱き、たぎる愛を鎮める。

まだ足りない。

ねぇ、まだ足りないんだよ。



お気持ち嬉しいです。ありがとうございます✨