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お花選び

あなたと一緒にお花屋さんに行った。

お花屋さんにはたくさんの色とりどりのお花が並んでいる。

どのお花を買おうかなって熱心に眺めていたら、あなたと一緒に来てることをつい忘れちゃった。

あなたのことを思い出して、振り向いてみるとあなたは私を優しく見つめていた。穏やかな表情で私を見てたんだ。

「もぉ、ちゃんとお花選んでる? 私を見てちゃダメだよ」

そう言ってあなたの背中をぎゅーっと押して、あなたをお花の前に押しだした。

「どのお花がいいと思う?」

私はあなたの背中越しにそう尋ねた。

しばらくじっとお花を眺めたあとで、あなたは1つのお花を指差した。

「これ、好きだな。やわらかいオレンジ色だね」

ふふ。

私もそれがいいかなって思ってたんだよ。同じお花を選んでくれてうれしくなった。あなたの広い背中にピトッてくっつきたくなったけど、ダメダメ。ここはお花屋さんの中だからね。

お花のラベルには「ラナンキュラス」と書かれている。名前もかわいいね。

何本か買って帰ってテーブルに飾ろうね。二人で選んだお花を見たら、幸せな気持ちになれそうだよ。

お花屋さんをでたら青空が広がっていた。冬の風は少し冷たかったけど、スーッと息を吸い込んだ。

ふと振り向くと、またあなたは私を優しく見つめていた。もぉ、見過ぎだよ。

あなたと手を繋いであなたの部屋に向かう。夜ご飯は何を作ろっか。

熱々のグラタンとかもいいね。


#エッセイ #花 #ラナンキュラス #オレンジ #恋



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