しいたけ賞(仮)その42 俺は神剣を求めダンジョンに潜る 作者 XX様

本編URL(リンク先R18注意)

https://novel18.syosetu.com/n1469io/

前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的感想です。
例えそのような内容であろうと、作品の価値を定めるようなものではないことは予めご了承ください。

あらすじ

アシハラ王国という国があった。
歴史の長い国であったが、あるとき邪悪な魔法使いの恨みを買い、王都の近くに魔界の穴というダンジョンを作られてしまう。
魔法使いは最下層で魔王を召喚し、王国を滅ぼそうとしたが、厳選された6人の勇者の力で魔王ともども討ち取られた。
だが、邪悪な魔法使いは死の間際、魔王に対し無限復活の魔法を掛ける。
魔王は完全な力では無いものの、倒されても約2年で復活する性質を持つに至った。
魔王が存在する限り、魔界の穴は魔物を産む。
王国は手詰まりかと思われたが、そこで発想を転換した。

魔界の穴の魔物は、下層にいくほど強力になるが、より貴重な宝物を隠し持ち、そしてその死骸から貴重な素材を剥ぎ取れる。
これを売りとして、世界中の腕利き冒険者を呼ぼう!

……かくして。
アシハラ王国の王都は、一流の冒険者が最後に目指す街とまで言われるようになった。

そして300年経ち……

ここに、ひとりのヒュームの青年がいた。
名をタケミ。職業は侍。

彼は諸事情で、たった1人で魔界の穴に潜り続けている。
……表向きは。

実は迷宮に潜るたびに、自分とは属性の違うエルフの女と組んでいる。
自分とは正反対の属性「黒」でしか就くことの出来ない職業「忍者」のエルフの女・リンフィルトと。

これは大っぴらには言えない。
属性が「白」である自分が、「黒」と組んでいるなんて。

……でもやめることはできないんだよ。
最下層での仕事で、欲しい能力を持ってる相手だから。

そこまでして彼は何故ダンジョンに潜るのか?

……それは、天下無双の最強の刀を手に入れたいからだった。

ストーリーとかについて

最強の刀を求めてダンジョンに潜る、二人の男女を描いたファンタジー小説。
主人公は男側で、物語は彼の一人称視点で語られる。

設定がかなりしっかりと作り込んでいるのが特徴で(何かのゲームのオマージュ?元ネタはわからなかった)要所でそれらしい世界観の解説が入る。この辺りが長すぎず、作品の世界観を説明するのに一役買っている。

最序盤の魔法の階位の下りはちょっとくどかった気がしないでもないが。
問題になるほどではない。

作中の登場人物が白と黒、それから中立である灰色の三つで分けられており、どうやら白と黒の人間は基本的には相容れないというのがユニークな設定。
そんの中で、主人公は白であり黒のヒロインとパーティを組むという世界での異質さ。そしてそれが今後どのような展開になるのかが物語の面白さの一つ。

それ以外にもR18ということで下ネタというか、ちょっとしたサービスシーンなどが多いのも個人的には満足度が高い。

下読みの段階では直接的な場面はないものの、そういった描写は存在している。

一人称の文章表現は少し淡々としているが、主人公の性格的な部分と上手く噛み合っていて、これはこれで作品の雰囲気作りに役立っているように思える。

キャラクターとかについて

主人公のキャラクターは掴みやすい。ヒロインに関しても、魅力的に書けているように思える。

最終評価(極めて個人的な感想)

文章

上にも書いた通り、何処か淡々としている。
それが上手く作品の雰囲気や主人公のキャラクター性に噛み合っており、読んでいて妙に引き込まれる。

キャラクター

主人公達以外の登場人物も、わかりやすい個性がある。
とんでもないネーミングのキャラクターも登場するが、嫌いじゃない。

構成

場面ごとのバランスも良く、主人公の過去や目的に関しても上手い具合に解説してくれているので話に入りやすい。
盛り上がり部分もちゃんと用意されているので、その辺りも良き。

設定

魔法の階位やキャラクターの色など、独特な要素が多いが特に複雑すぎるということもなく、すんなりと頭に入ってくるいい塩梅となっている。

総評

独特な雰囲気が魅力のダンジョンファンタジー小説。
メインとなる二人の関係性や、主人公が目的を達成することができるかなどこれから先に向けて気になる要素は数多い。

時折出てくるセクシーな描写や、特徴的過ぎる登場人物達の名前もとてもいい。
戦闘シーンなどではしっかりと盛り上がりつつ、ヒロインの魅力を見せ先展開への期待を煽ってくれるのも読んでいて楽しいところ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?