竜馬がゆく 司馬遼太郎


どんな本なの?

司馬遼太郎先生の代表作の一つ。明治維新の時代に活躍した坂本竜馬の激動人生の長編小説。

なぜこの本に出合ったの?

最近CONTENRADIOで歴史を学ぶ中で、「志士とは何か?」を探求してみたく、20年ぶりに読破。

概要

近代の日本国家を作る明治維新の歴史の物語。徳川幕府が長く続き、制度が腐敗していく中で列強の植民地にならないように社会を変革しようとする志を持った志士たちの熱いドラマ。色んな諸藩や当時の封建社会の身分や考え方が垣間見えて、今の時代のありがたさを実感できる。志士という志を持った人々がたくさん屍となり大政奉還・明治維新という大事を成し遂げており、心を打たれ勇気づけられる名作。

心に刺さった言葉・内容

・志を持つのが幕末志士、ないのが戦国武将
・志士とはその名が冠せられたときいのちは無き者とおもっている者のこと
・外夷が来るような時代になると、長州も土州もない。そういう時代がくる
・議論に勝っても相手の名誉を奪うだけのこと
・人生は芝居というが、芝居と違う点は自分にあう舞台をこつこつ作ってそのうえで芝居をする。他人が舞台を作ってくれない
・土佐には帰らない、天下を棲家としてくらす
・時流に同調することが正道ではない、5年後には天下がこの竜馬になびくでしょう
・わずかに他人より優れているというだけの知恵や知識がこの時勢に役立つか
・よくないのは気と気でぶつかり合うこと。お互いが双方向で同じ気を発すれば気がついた時には斬りあっている
・金よりも大事なものに評判というものがある。金なんぞは評判のあるところに自然と集まってくる
・亀山社中を麹の一粒、この一粒さえあれば酒をつくることができる
・大事をなすものは酒間で1人冷めている必要があるが、同時に一緒に酔態をさらすべきだ
・弁論よりも事実を作り上げ、事実をして言わしめる
・興奮すると話の筋がわからなくなる、気軽に伝えれば十分伝わる
・自分の手で改革することは難しく、外から力をかけないと変革は成し遂げられない

現代日本社会と照らし合わせて

今の現代の日本に志士はいるのだろうか。今の社会は物質的に豊かになり皆が生活に不自由しない時代が来て、それを維持する為の社会が続いている。別にその社会が続いて人類が幸せなら全然いいと思うが、欲望は膨張するもので物質的に豊かな現代社会が人類にとって幸せかというとそうではなく、SDGsや社会課題解決や国家間の戦争という、物質的豊かさだけでは解決できなくなっている。自分は徳川の時代が今の日本の製造業の時代と同じように感じている。日本の製造業の場合は作って売れて利益が出るという構造から脱却することができず、GAFAMを代表するテクノロジー業界が今の経済を席巻しており、パソコンやスマートフォンという物がある前提で、人々の欲望を満たせる企業が成長している。今の日本には、いいものを作ればいいという従来の価値観を変革させることが重要で、その為には明治維新の志士のような存在が必要で自分もそうありたい。



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