見出し画像

絶版希望 ❓ 自分のまわりの「あるある」の言葉が列記されていて、つい笑ってしまいます。でも、全てが、考えさせられる言葉です。自分の中にあった無意識なジェンダー表現を学び直し出来る1冊

本の概要
「女性なのに仕事ができるね」「男なんだから黙って働けよ」
「涙は女の武器だよな」「男だから多少厳しくしても大丈夫だろ」
「ママなのに育休取らないの ? 」「男なのに育休取るの ? 」
「就活は女性らしくスカートで」「良い奥さんになりそうだね」…
聞いた、言われた、言ってしまった。無意識の思い込み。

心を打つ「名言」があるように、心をくじく「駄言」(だげん)もあります。
駄言には無意識の思いこみ、特に、性別のステレオタイプによるものが多くみられます。
これは、そんな滅びるべき駄言を集めた辞典です。

駄言を言う人が思いとどまり、
駄言を言われた人が「それ駄言ですよ」と言える世の中にするために。
すべての人が自分らしく生きられる世の中にするために。
「絶版」を目指して、つくりました。
本の内容の要約
「早く絶版になってほしい #駄言辞典 」は、現代社会における日常の中でよく使われるけれども、実は不適切であったり無意味であったりする言葉やフレーズを集めた辞典形式の書籍です。この本は、社会の中での言葉の使い方やその背景にある文化や価値観に対する批判的な視点を提供します。著者は日経xwomanで、主にビジネスウーマン向けのコンテンツを提供しているため、働く女性たちが日常的に接する言葉や表現にも焦点を当てています。

本書は、「駄言」と呼ばれる言葉やフレーズをアルファベット順に並べ、それぞれに対してユーモラスかつ鋭い批評を加えています。例えば、「一生懸命」という言葉は、一見すると前向きで励ましの言葉ですが、著者はこの言葉が実際には過労や過剰な努力を美化する一面を持つと指摘しています。また、「お疲れ様です」という表現も、労働が当然であるかのような文化を強化するものとして批判されています。

さらに、各駄言にはその言葉がどのような場面で使われるか、なぜ問題があるのかを具体例を交えて説明しています。例えば、「残業は当たり前」というフレーズについては、日本の労働文化における長時間労働の問題点を詳述し、効率的な働き方やワークライフバランスの重要性を訴えています。

本書の特徴は、単なる言葉の批評に留まらず、それが社会や文化に与える影響についても考察している点です。例えば、「女子力」という言葉についての章では、この言葉が女性に対して特定の役割や期待を押し付けるものであり、ジェンダーステレオタイプを助長することを指摘しています。また、「自己責任」というフレーズについては、個人の失敗や困難を全て自己責任とすることで、社会的な問題や支援の必要性を見過ごす危険性を論じています。

このように、「早く絶版になってほしい #駄言辞典 」は、現代の日本社会における言葉の使い方とその背後にある価値観や文化を批判的に捉え、再考を促す一冊となっています。著者は、読者に対して言葉の力とその影響について考える機会を提供し、より良いコミュニケーションと社会を目指すための視点を提示しています。

本の評価
「早く絶版になってほしい #駄言辞典 」は、現代社会における言葉の使い方に対する鋭い批評とユーモアを兼ね備えた一冊です。その評価を以下のポイントで述べます。

強み
1. ユーモアと批評の融合
  本書は、日常で使われる言葉やフレーズをユーモラスに批評することで、読者に笑いと共感を提供します。著者の日経xwomanは、働く女性向けのコンテンツを多く提供しているため、特にビジネスシーンで使われる言葉に対する批判が鋭く、働く女性たちにとっては共感できる部分が多いでしょう。

2. 具体例の豊富さ
  各駄言に対して具体的な使用例やシチュエーションを挙げることで、読者はその言葉がどのように問題を引き起こすかを具体的に理解することができます。これにより、単なる理論的な批判ではなく、実際の生活や仕事の場面に即した実践的な内容となっています。

3. 社会文化的な考察
  言葉の批評に留まらず、その背後にある社会文化や価値観についても考察している点が、この本の大きな強みです。例えば、「自己責任」というフレーズについての考察では、個人主義の問題点や社会的支援の重要性についても触れており、読者に深い洞察を提供します。

弱み
1. 一部の批評の偏り
  本書の批評は時に偏った視点から行われていることがあり、全ての読者が共感できるとは限りません。特に、特定の言葉やフレーズに対する批判が過度に厳しい場合、読者によってはその批評が公平でないと感じることがあるでしょう。

2. ターゲット層の限定
  著者が日経xwomanであるため、働く女性を主なターゲットとしている内容が多く含まれています。これは働く女性にとっては有益ですが、他の読者層にとっては共感しづらい部分があるかもしれません。

3. 繰り返し感
  各駄言に対する批評が似たようなパターンで進行するため、中盤以降はやや繰り返し感が出てくることがあります。これにより、読者が途中で飽きてしまう可能性があります。

著者の目的と視点
著者の日経xwomanは、現代社会における言葉の使い方を再考し、その背後にある文化や価値観を批判的に捉えることで、読者に新たな視点を提供しようとしています。特に、働く女性たちが直面する言葉の問題に焦点を当てることで、彼女たちがより良いコミュニケーションと自己表現を行えるようにすることを目指しています。

全体として、「早く絶版になってほしい #駄言辞典 」は、言葉の使い方に対する鋭い批評とユーモアを提供し、読者に新たな視点と考察を促す一冊です。しかし、その批評の一部が偏っていることやターゲット層が限定されている点は、読者によっては受け入れづらい部分もあるかもしれません。それでも、現代社会における言葉の力と影響について考える機会を提供するという点で、この本は非常に価値のある一冊です。

みなさまからいただく「スキ」❤️がものすごく嬉しいので、記事を読んで「へー」と思ったらぜひポチっとしていただけると飛び上がって喜びます🙇


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?