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期間限定キャンペーンKindle行動探求――個人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ

「今ここ」に意識を集中し、アルケミスト型リーダーをめざせ。

変革の鍵である意識レベルの変容はどうすれば可能なのか。7つの「行動論理」で成長の指針を示すリーダーシップ開発手法「行動探求」の理論と実践。


個人・組織の変革の鍵である「意識レベルの変容」は、どうすれば可能なのか。「行動」と「探求」を同時に行うことでこの問いにアプローチするのが、発達心理学の知見に基づくリーダーシップ開発手法「行動探求」である。独特の観点から人と組織を特徴づける7つの「行動論理」によって、読者は自身・自組織の傾向をつかみ、適した成長の指針を得られるだろう。理論的解説にさまざまなビジネスパーソンの臨場感あふれるストーリーが織り交ぜられていることで、実践の場面を想像しながら学べるはずだ。リーダーシップやマネジメントの力を飛躍的に高めたい人、必読の一冊。


「『行動探求』はビル・トルバートの最高傑作であり、組織の発展と個人の成長、理論と実践、内省と行動、身体と精神を新たな形で統合する。本書を読めば、自分自身の全体性をよりよく感じられるようになるだろう。」
―― ロバート・キーガン(ハーバード大学教育大学院教授、『なぜ人と組織は変われないのか』著者)

▽本書で解説される7つの「行動論理」
機会獲得型―自己に有利な機会を見出し、結果のために手段を問わず行動する
外交官型―周囲の状況・既存の秩序に合わせて調和を重んじて行動する
専門家型―自己の論理・効率を重視し完璧を目指して行動する
達成者型―目標を掲げ、効果を得るのために他者を巻き込んで行動する
再定義型―戦略・手段・意図の一貫性を問いながら独創的に行動する
変容者型―相互性と自律性を好み、時宜を得て発達を促しながら行動する
アルケミスト型―意図を察知し直観的・タイムリーに他者の変容を促しながら行動する

レビュー:『行動探求――個人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ』

『行動探求人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ』は、リーダーシップの発展と変容をテーマにした書籍です。本書の中心には、「行動探求」という概念があり、これはリーダーが自らの行動や思考を反省し、学び続けるプロセスを指します。ビル・トルバートと共著者たちは、この行動探求が個人、チーム、そして組織全体の成長と変革にどのように寄与するかを詳細に論じています。

本書は、リーダーシップ開発の枠組みとして、「アクション・ロジック」というモデルを紹介しています。アクション・ロジックとは、リーダーが環境や状況に対してどのように反応するかを示すものです。これには以下の7つのステージが含まれます:

1. オポチュニスト(機会主義者) 短期的な利益を追求し、規則や他者を無視する傾向があります。
2. ディプロマット(外交官) 集団の一員であることを重視し、対立を避けることで和を保とうとします。
3. エキスパート(専門家) 専門知識や技術に頼り、他者の意見や新しいアイデアに対して閉鎖的になりがちです。
4. アチーバー(達成者) 目標達成に向けて組織的に行動し、効率性と成果を重視します。
5. インディビデュアリスト(個人主義者)自己理解と他者理解を深め、個々の違いや複雑性を尊重します。
6. ストラテジスト(戦略家)長期的な視野で組織全体の変革を見据え、システム全体の改善を目指します。
7. アルケミスト(錬金術師) 極めて高度なレベルの自己認識と他者認識を持ち、変革を超えた革新的な変化を追求します。

著者たちは、各ステージにおいてリーダーが直面する課題と、それを乗り越えるための具体的な方法を解説しています。また、リーダー自身がどのステージにいるのかを評価し、次のステージへと成長するためのステップも提示しています。これにより、リーダーシップの成長は段階的かつ継続的なプロセスであることが強調されています。

さらに本書では、行動探求を実践するための具体的なツールとテクニックも紹介されています。例えば、「アクション・インクワイアリー(行動探求の問い)」という手法があります。これは、リーダーが自分の行動や決定に対して問いを投げかけ、自己反省と学びを促進する方法です。この手法を用いることで、リーダーは自己の限界を超え、新たな視点やアプローチを取り入れることができるようになります。

また、著者たちは、行動探求が個人レベルだけでなく、チームや組織全体にも適用できることを強調しています。チームや組織が行動探求を取り入れることで、メンバー間の信頼と協力が深まり、組織全体のパフォーマンスが向上すると述べています。このプロセスを支えるのは、オープンなコミュニケーションとフィードバックの文化です。リーダーは、自らが行動探求を実践するだけでなく、他者にも同様のアプローチを奨励し、全体としての成長を促進する役割を果たします。

強み

『行動探求――個人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ』の最大の強みは、その実践的なアプローチです。著者たちは理論だけでなく、実際の事例や具体的なツールを豊富に紹介しており、読者がすぐに実践に移せるような内容になっています。特に、アクション・ロジックのステージごとの解説は非常に詳細で、リーダーが自分の成長段階を把握しやすくなっています。

また、本書はリーダーシップ開発を個人の問題だけでなく、チームや組織全体の課題として捉えています。これにより、リーダーシップの成長が個人だけでなく、組織全体の変革に繋がることを強調しています。この視点は、多くのビジネス書が個人のスキルや能力に焦点を当てる中で、非常に新鮮であり、実際のビジネス現場でも応用しやすい内容となっています。

さらに、本書はオープンなコミュニケーションとフィードバックの重要性を強調しています。行動探求を通じて、リーダーとチームメンバーの間の信頼関係が深まり、組織全体の協力が促進されるという考え方は、現代の多様性と変化の激しいビジネス環境において非常に重要です。

弱み

一方で、本書にはいくつかの弱点もあります。まず、アクション・ロジックのステージが非常に細かく設定されているため、読者が自分の位置を正確に把握することが難しい場合があります。特に、自己評価が苦手な読者にとっては、自分がどのステージにいるのかを判断するのが困難かもしれません。

また、本書の内容は非常に濃密であり、一度に全てを理解しようとすると情報過多に感じることがあります。そのため、読者は本書を何度も読み返し、時間をかけて内容を消化する必要があるでしょう。これは、忙しいビジネスパーソンにとってはハードルが高いかもしれません。

さらに、本書はリーダーシップの変革を強調していますが、そのプロセスが必ずしも全ての組織に適用できるわけではありません。組織文化や業界の特性によっては、本書のアプローチがうまく機能しない場合も考えられます。そのため、読者は自分の組織の特性を考慮しながら、本書の内容を取捨選択して適用する必要があります。

著者の目的や視点

ビル・トルバートと共著者たちの目的は、リーダーシップの本質を再定義し、個人、チーム、そして組織全体が持続的に成長し続けるための道筋を示すことにあります。彼らは、リーダーシップが単なるスキルや知識の集積ではなく、自己反省と学びを通じた継続的な成長プロセスであると主張しています。

また、彼らはリーダーシップの成長を段階的かつ継続的なプロセスとして捉えており、アクション・ロジックというモデルを通じてその理解を深めようとしています。このアプローチは、リーダーが自己認識を深め、自分の行動や決定に対する責任を持つことの重要性を強調しています。

全体として、『行動探求――個人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ』は、リーダーシップ開発の新たな視点を提供し、リーダーが自己と組織の成長を追求するための有益なガイドとなる一冊です。その実践的なアプローチと詳細な解説は、多くのリーダーにとって貴重なリソースとなることでしょう。


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