見出し画像

フルタイムの教師として(タガログ語翻訳・通訳者 林田マリトニさん:その3)

外国ルーツの子どもたちと

翻訳・通訳の仕事をはじめましたが、フルタイムではありませんでした。
そんななか、夫がクモ膜下出血で倒れ、仕事ができなくなりました。
14年前のことです。

だから私がフルタイムの仕事を探すことになりました。
そして、国際中等教育学校での仕事をFACILの吉富さん(FACIL理事長)に紹介してもらい、無事採用されて今に至っています。

週末が空いていることが多いです。
平日の夜はできるだけ翻訳をしたくありませんし、できても1~2時間ほどなので、週末に集中的にやるようにしています。
納期が非常に短い依頼は、週末しか時間がないため断らなければならないこともあります。

平日は学校、週末は翻訳の仕事と多忙な毎日

職場は中高一貫校で、同僚には外国人が多いです。

毎年約80人の新中学1年生が入ってきますが、そのうち30人が外国人枠、30人が帰国子女枠、残りの20人が一般枠です。
日本語ができない子が60人近くいるということです。帰国子女の子たちも、漢字が苦手な生徒たちが多いです。

私の担当は英語とタガログ語です。
フィリピンルーツの子が多い学校なので、担当生徒数がとても多いです。
子どもたちはもちろん、保護者の対応も行います。

すべてのプリントやテストを翻訳します。5教科のうち、国語以外は対応します。英語は問題がない生徒が多いですが、数学、理科、社会は通訳をしながら生徒たちと一緒に授業を受けます。

同じ業務をしている先生も結構います。
ポルトガル、スペイン、フィリピン、韓国、中国、ネパールの担当がいます。各担当の先生につき生徒は1~2名の場合が多いですが、中国の生徒が多いため中国語は3人担当しています。

私はひとりで7~8人担当しているんですよ。
英語の生徒も多いですし、フィリピンルーツの子も担当しているので多くなります。

この学校は英語が特徴的で、レベル別で5クラスに分かれています。
英語がネイティブの生徒が多く、その生徒たちは一番上のクラスです。

英語担当の先生は人数が多いですが、翻訳・通訳はできないようです。
だから私は自分の担当生徒に関する業務以外の仕事もします。
例えば、留学のための書類も私が担当しています。

2言語に対応するのは大変ですが、英語とタガログ語の組み合わせは仕事がしやすいです。
フィリピンでは教育が英語で行われますから、テストなどの翻訳はタガログ語ではなく英語のみでよいのです。保護者用のプリントも、タガログ語だと慣れていないので逆に読みにくいと感じます。

しかし、英語を話すのはあまり得意ではない生徒もいます。
そういう生徒にはタガログ語で対応します。

中学1年生から外国語の選択科目があり、タガログ語の授業も行っています。中学1~3年生のタガログ語は私の担当です。
だから仕事は結構ハードです。

通訳として同席する授業も、自分が教える授業もあるので忙しいです。
それに、教材が揃っている言語もありますが、タガログ語はありません。
だからすべて一からつくる必要があります。
自分でつくった資料を少しずつ改善しながら使用しています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?