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3.発達凸凹児 居場所作り


発達凸凹児の困難さは、凹みだけでなく、実は凸にもあります。

知能が高い子どもはそうでない子どもよりも有利に働く場面もありますが、周りと調和できない困難さに直面します。

今回は、私たち家族が大きく動き出すきっかけとなった®️小2の時の出会いのお話です。

凸の困難さ

®️の凸は言語能力の高さです。
語彙力と文章理解力が極めて高く、加えて知的好奇心が人一倍旺盛。

2歳になる前から図鑑にかじりつき自学習を始めました。

小2にもなると、興味の対象が自然科学、化学、歴史、時事など幅広くなり、
小2の知識とは思えないほどの博学っぷりに成長していました。

ここまで興味対象と知識が早熟だと、同年代のお友達との会話もどこかぎこちなくなってきます。
「オレは伊達政宗が好きなんだけど、キミは誰が好き?」と尋ね、唐突に伊達政宗が歌った和歌を紹介し始めます。 
当然ながらお友達は、ぽかーん。
また、学校の授業は一方通行で進度がゆっくりで、おまけに苦痛な作業ばかり。
刺激がなく退屈に感じてしまうのです。


これが、凸の困難さです。


思いっきり尖れる場所を求めて

もちろんお友達と子供らしい遊びもしますし、カードゲームやDSやSwitchなども大好きでした。
しかし、私には、®️が毎日どこか退屈そうで刺激を求めているように見えてしまっていました。


どうにかこの知的好奇心を満たしてあげたい
興味のある分野の会話を思いっきり楽しめる仲間に出会わせたい

そんな風に考えるようになりました。

当時、®️が特に興味を示していたのが戦国武将。
暇さえあれば歴史マンガを読んいたので、歴史を面白く学べるようなところはないかな、とネットでリサーチを始めました。

すると、とある塾が提供している、何やら面白そうな単発の授業を発見!
授業のタイトルは

「戦国英雄編」

おおおお!まさに®️がハマっている戦国時代の英雄達を題材にした授業ではないか!
これは面白そう。

更に授業動画を見てみると、イメージしていた講義型ではなく、生徒も講師もめっちゃテンション高い。まるで遊んでいるかのような光景。
一体なんなんだ、この塾は!


その塾こそ、後に®️の心を鷲掴みにした「探究学舎」でした。
https://tanqgakusha.jp


代表は宝槻泰伸さん。
どんな方かとプロフィールを見てみると・・・

高校いかずに京大合格

アンビリバボー。もう普通じゃないニオイがぷんぷんする。

そして、グサリと胸に突き刺さったのが

「学ぶのは楽しいこと」という原体験を得る一方、その感覚を学校では味わうことができず

というコメント。
正に®️が抱いている感覚と同じ。
私も、学校では認められない®️の探究心をどうやってどこで育てたらいいの??
と思い悩んでいたので、このことばがめちゃくちゃ胸に響きました。


更に、他の授業で扱うテーマは、元素、宇宙、生命進化、歴史、経済金融と®️が興味を持ちそうな内容ばかり。


この塾なら®️は楽しいかもしれない。
この講師なら®️を導いてくれるかもしれない。

よし、行ってみよう!

※代表の著書:「強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話」→それはそれは強烈なお父様の手解きを受け、もう眩しいくらいに自由な教育方針の下で育っています。読み物としても面白いのでお勧めです。


師匠との出会い


戦国英雄編の授業は90分×3コマが2日間に渡ります。
小2にしてはとても長い時間。
しかも、小学1年生から中学3年生までが一緒に学ぶというのです。
どんな授業なんだろう!?

®️は特性上、新しい環境にはとても不安を覚えます。
「馴染めるかなぁ、楽しめるかなぁ、つまらなかったらどうしよう。。。。」
色々な不安要素が頭をぐるぐるしていたのでしょうね、探究学舎に向かう道中の®️はだんまりを決め込んで緊張している様子でした。
当時は不快なことがあるとキレてしまう事もあったので、私も一日授業を見守る準備をして臨みました。

当時の教室は、前方に大きなスクリーンがあリ、6人がけのテーブルが横に2つ、縦に3列並び、周りを保護者が囲むスタイル。

教室に入ると代表の宝槻さんが直接お出迎え、授業を受ける生徒の名前を一生懸命覚えていらっしゃいました。

授業が始まると、いかにも「先生」という雰囲気ではなく、近い存在感を醸し出しまくり。「やっちゃんと呼んで!」と自己紹介をします。
※以下敬称略 やっちゃんと書かせていただきます

やっちゃんのトークは軽快で、子ども達を盛り上げるのが上手。
子ども達も好きなタイミングで反応したりボケたりととっても自由な雰囲気。
やっちゃんのすごいところは、子ども達のボケをしっかり拾ったり突っ込んだりするけど、重要なところではしっかりと聞かせるところ。

コンテンツは大人でも引き込まれる内容。
keynoteで作ったスライドはとても魅力的でわかりやすい。
常に子ども達に問いを投げかけ、考えさせたり対話をさせたり、楽しい雰囲気を作りながら授業が進んでいきます。

®️はというと、ちょっと前までの緊張なんてどこ吹く風、超前のめりで挙手しまくり、発言しまくり!止まらない止められない。
一番後ろの席だった®️は椅子の上に立ち上がり猛烈に「指して」アピール。すごすぎる。

初めてみる®️の全力感。

®️の「これだよこれ、オレが欲してたのはこういう場所なの!」と言わんばかりのその様子に、私、胸熱。


事件は起きた


2日目も順調に前のめりに授業に参加し、このまま最後は楽しく終わる、、、、はずでした。

しかし、最後のクイズ大会で事件は起こります・・・・


グループに分かれ、クイズに答えて天下布武を目指すゲーム。優勝チームには景品!®️は勝ちにこだわるところがあるだけに、母さんは少し心配。

®️のチームは、®️の知識がなかなか良い仕事をしていて、優勢。
しかし、領地の取り合いで途中じゃんけんになってしまったり、運を味方にできず敗北。優勝の景品を逃してしました。

マズイ!!!

®️を見ると、怒りで肩を震わせながら『ずるいよ!』と猛攻撃が始まってしまった!!楽しく終わるはずが、教室に不穏な空気が流れている。

「®️あとで不満はたっぷり聞いてやる!」とやっちゃん。
お願い、キレないで!私の願いが通じたのか、なんとかキレるまでにはならず授業が終了。

しかし、怒りが治らない®️は、みんな帰り支度をはじめても部屋内を涙を流しながらぐるぐるぐるぐる歩き回っている。

こうなったら®️の気持ちをやっちゃんに聞いてもらおう、きっと向き合ってくれるはず!と、やっちゃんのサイン会(→当時から著名人だったようです)が終わるまで®️を見守っていました。

生徒が全員掃けたところで、やっちゃんが®️を呼び、宝槻兄弟(やっちゃんとやっちゃんの弟)に挟まれる形でお話をさせてもらえました。

®️、涙涙の訴え。
やっちゃんは®️の不平不満を全て受け止めてくれ、筋が通ってる、と認めてくれました。
「でもゲームにはこういうこともあるんだ!」
と言うやっちゃんに®️は「わかった」と納得できた様子。
「®️が頑張ったのわかるから、景品もってかえれよ」と言ってくれましたが、®️は「いらないよ」と断りました。

言い分をしっかり聞いてくれた事で気持ちが落ち着いたのでしょうね。

やっちゃんの神対応、あっぱれでございました。

僭越ながら、®️の師匠に決定


居場所を作ってあげよう

あぁ、ジェットコースターのような2日間。
でも学びの多い2日間。

これが我が家と探究学舎との出会いでした。

それから数ヶ月後に®️の強い希望により毎週通塾する事になります。
あれから2年たった今でも、®️にとっても我が家にとっても探究学舎は拠り所となっています。

探究学舎は、知的好奇心が強すぎて学校で浮きこぼれてしまっている子ども達にはぴったりの学舎だと思います。

発達凸凹児の中には、学校で評価を得られず、お友達ともなんとなく分かり合えない子もいて、そんな子はきっと自信をなくし、寂しい思いをしていると思います。

そんな発達凸凹児とその家族にとって、子どもが心を委ねられる、思い切り好きができる居場所を作る事はとても救いになります。

是非、自分たちの居場所を見つけてみてくださいね。



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