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【社員インタビュー】クリエイターの"尖り"を活かした3DCGで、ゲームの世界観を彩る

『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』(以下ロススト)のリード3DCGデザイナーとして幅広く活躍しているWakabayashiさんをご紹介します。3DCGデザイナーの仕事内容や仕事のやりがい、クリエイターとしての想いなどをじっくり語ってもらいました!


キャラクターデザインからシーン制作まで。
幅広い3DCGデザイナーの仕事

― 3DCGデザイナーさんの仕事内容を教えてください。

3DCGデザイナーは名前の通り、ゲーム内に登場する3DCGクリエイティブを手掛けるデザイナーです。3Dキャラモデリングと呼ばれるキャラクター制作が代表的ですが、それ以外にも背景制作やモーション、エフェクトなど、デザイン領域は多岐にわたります。

私が現在関わっているロスストはバトルシーンを3Dで表現、その他は2Dで表現しています。演出をかっこよく魅力的にすることが私の責務です。

― 3DCGはさまざまなクリエイティブ領域があるイメージです。f4samuraiではどのような体制なのでしょうか?

f4samuraiの場合は、「3Dモデル」「背景」「モーション」「エフェクト」の4つの領域に分かれてデザインをおこなっています。

現在のチーム体制としては、各領域に主担者が1~2人ずつ配属されていて、細かい作業などは協力会社さんと連携しながらおこなっています。なので、社内の3DCGデザイナーは制作作業もしつつ、監修もするという人が多いですね。私は3Dモデルの制作を担当しつつ、カットシーンをはじめとした3DCGクリエイティブ全体を見る総監督のような業務をしています。

(各領域の詳しい業務内容については、以下記事もご覧ください)

これまでのキャリア・f4samuraiへの入社理由

― 3DCGクリエイティブ全体を見るとなると幅広い知識やスキルが必要になりそうですが、Wakabayashiさんはどのように身につけたのでしょうか?

前職の方針が「キャラクターは作った担当者が一番よく知っているから丸ごと担当する」というものだったので、工程でチームを分けずに1人でモデリングからモーションまでおこなっていたというのが大きいと思います。そのときに、カメラワークを意識したモーション制作していたので、基本の作り方はそのとき身に付けました。

その後、別会社さんに出向する機会があり、そこでは3Dモデル専属の業務だったので、今度は3Dモデルの最新の作り方やノウハウを学んで……といった感じで、モーションや3Dモデルをメインとしながら、違う領域の業務をさせてもらったり、依頼されたりして、今に繋がっていった感じですね。

― その後、はじめはフリーランス(業務委託)としてf4samuraiにジョインしたWakabayashiさんですが、当時感じた会社の魅力を教えてください。

まずオフィスがすごくきれいだったのと、お話を聞いた会社の中でも特に熱量高いオファーをしてくれたという点が自分にとっての決め手になりました。

f4samurai 秋葉原オフィス

実を言うと、はじめはもっと3Dモデリングを突き詰めて作業できる会社を探していて、f4samuraiの業務内容は少しイメージと離れていたんです。

ただ、当時『ワンダーグラビティ ~ピノと重力使い~(以下:ワングラ)』というf4samuraiで初めての3Dタイトルを開発していて、3DCGデザイナーチームが黎明期のようなタイミングだったので、クリエイティブもチームもこれから自分たちの手で作っていけることに魅力を感じましたね。

― 実際にジョインしてみて、いかがでしたか?

苦労もありますが、総合的には楽しいことのほうが多かったです!制作業務に加えて、ディレクションやチームビルディングなど、新しいことにどんどんチャレンジできました。

そして合流から1年ほど経ったころに、『ワングラ』のプロデューサーで代表の金から正社員へのお誘いを受けました。f4samuraiは開発において「正社員だから」「業務委託だから」という垣根を作らない会社なので、社員でなくともクリエイティブに対するアイデアや意見を出すことができます。そういう会社の文化が気に入っていたし、お誘いいただいたこと自体も嬉しかったので、正社員になろうと決意し、現在に至ります。

最高のクリエイティブを届けるために、できることをすべてやる

― 日々の業務で大切にしていることや意識していることはありますか?

「できることを全てやって、常にクオリティが出ている」状態を維持したいと考えています。手を抜くことは簡単ですが、開発者のそうした意識はユーザーさまや周りのメンバーにもすぐにわかってしまうものです。

キャラクターのルックや背景の臨場感、ライト演出、シェーダー、画面のシェイク、スロー再生・倍速再生SEタイミング、エフェクトタイミング、ブラー等の画面エフェクトなど……どこをとっても「きちんとやり切った」という感覚を持って走り続けていたいですね。

― 具体的にはどんなこだわりを持って制作に当たられていますか?

一つひとつの工程をしっかりと仕上げることはもちろん、その後の工程まで視野に入れながらクオリティを担保することを常に意識しています。

例えば、ロボットの3Dモデルを作るときは面の変わり目を意識しながら明暗をつけていくのですが、光の当たり具合や面の角度などを一つひとつ丁寧に考えて作業をしていきます。そうすることでロボット特有の工業製品らしさやかっこよさが際立ち、クオリティが高い3DCGに仕上げていくことができます。

ここにモーションが加わると、動き方やシーンの状況、演出次第でキャラクター自体がモデリングのときと違った見え方になります。悪役はわざと逆光を強めて雰囲気を出そうとか、逆に味方は順光で怪しさを感じさせないようにするとか。カットシーンにキャラクターがのったときにどう見えるか、そのときにどう見せたいかというのも含めてモデリングはこだわっていますね。

あと、こだわりとは少し違うかもしれませんが……少ない情報をもとにモデリングしなければならない時は「3DCGデザイナーとしての腕の見せ所だな」と感じます(笑)。

基本的に3Dモデルというものは二面図や設定資料をもとに作っていくのですが、キャラクターの背面など、資料には描かれていない部分も3Dモデルでは必要になります。

その場合は資料から逆算をして、描かれていない部分をいかに納得感がある3Dにできるか、よりクオリティが高い3Dモデルとして作り上げられるかというのを意識しています。元となる資料がなかったとしても、3Dになったときに360度どこから見ても完成度が高いキャラクターに仕上げたいと思っています。

― 監修者として、他のデザイナーが制作したものにフィードバックをする機会も多いと思いますが、その場合はどんなことを意識していますか?

3DCGだからこそ出せる臨場感や没入感をきちんと表現できているかという部分と、各工程が組み合わさったときのバランスを特に見ています。

モーション制作(社内だと主にカットシーン制作)では、ただキャラクターを動かすだけでなく、カメラで好きなように追い、好きな角度で見せられるというのが『ロススト』の3DCGチームの強みです。その強みを生かして迫力ある3D映像に仕上げるために、カメラに対するアクションや演出、シーンの変わり方などはいつもこだわって見ています。

やれることが多いので、時間と闘いながらいつも限界まで凝ってしまうのですが(笑)、自分の力で最後まで作り切ることができることはやりがいにも繋がっています。

また、シーン制作には後から字幕やエフェクトが入ったり、背景であればキャラクターがのったりするので、どれか1つだけをただ仕上げるのではなく、それぞれが合体したときにどう見えるかも重要です。

例えば、エフェクトは脇役になることが多いですが、ビームシーンなどエフェクトが主役のシーンであればエフェクトを主軸にシーン全体のバランスを考えたり、背景であればキャラクターがのることを考えてあえて質感を抑えたりします。

常に何か1つが主役なのではなく、シーンや画面によって「ここでは何を1番見せたいのか」を意識することで、3DCGならではの臨場感やゲームへの没入感を高めたいと考えています。

― 日々の業務で特に大変だと感じることは何ですか?

監修するとき、メンバーにフィードバックをどう伝えるかというのはよく悩むポイントです。

言葉遣いもそうですし、適切に指示を伝えたつもりでも微妙に認識の差が生まれてしまうこともあります。私はどちらかというと、クリエイター一人ひとりの個性や尖った部分を大事にしたいと思うタイプなのですが、それらを全部そのまま出してしまうとゲームとしての統一感がなくなってしまうので……そのさじ加減も非常に難しいと感じます。

ただ、尖っていたとしても「良いものは良い」と見ればわかるので、許容範囲はどこなのか、ゲーム内でうまく生かしていくことはできないかというのは常に考えながらフィードバックしています。

― やりがいや楽しさを感じるのはどんなときでしょうか?

自分が作ったクリエイティブに対して、ユーザーの皆さんから反響をいただけたときに一番やりがいを感じます。「自分の作ったクリエイティブで喜んでくださる人がいる」というのはとても達成感がありますね。

あとは、やはり納得のいくクオリティのものを作り上げられたときは3DCGデザイナーをやっていて良かったと思う瞬間です。自分が作ったものでも、メンバーが作ったものでも、良いものができるとメンバー同士で「実装したらどう動くかな」「今から楽しみですね」なんて会話をしています。そんなときはすごく楽しいですね。

活発な意見交換を通して、クオリティを追求できる。f4samuraiの魅力

― 「クリエイティブにこだわりたいけど、リソースや予算などさまざまな事情でできない」というジレンマはゲーム開発につきものだと思いますが、Wakabayashiさんから見て、f4samuraiのクオリティ意識はどうでしょうか?

会社の方針の1つに「クオリティを重視しよう」という考えがあるので、クオリティに対する意識は高いのではないかと思います。もちろん予算も締め切りも基本的に守らなければいけないものですが、コストよりもクオリティを大事にしたい部分に関しては「きちんとコストをかけましょう」と考えてくれます。

現在進めているプロジェクトも「3DCGをしっかり推していきたいからみんなで良いものを作ろう。そのための予算なら割いてもいい」と言ってもらえて。そのおかげでとことんこだわった3DCG制作ができましたし、きちんと良いものを作って会社に還元したいというモチベーションにもなりました。

― 他にf4samuraiの魅力や好きなところはありますか?

自身の仕事をしっかりこなして信頼を得たうえでですが、役職関係なくきちんと意見を聞いてくれるところは魅力ですね。f4samuraiは自分たちの作るゲームをより良いものにしたいという思いが強いメンバーが多く、普段から意見交換やアイデアの出し合いが盛んな環境です。

単純な作業だけでなく、自分の提案がゲーム作りに生かされたり、クオリティをアップさせるための提案ができたりするというのは、いちクリエイターとしてやりがいを感じられる部分かもしれません。

個々の領域を縛らないスタイルで、チーム力の底上げを目指す

― f4samuraiの3DCGデザイナーチーム独自の魅力も教えてください。

ひとつの領域を極めるのではなく、専門領域以外にもチャレンジできる点はf4samuraiの3DCGデザイナーチームならではだと思います。

例えば、「背景デザイナーとして入社したけど、モデリングもしてみたい…!」という希望の方がいたら、できるところから少しずつ挑戦していただきたいと考えています。ひとつの領域に特化せず、幅広く3DCGデザインの経験を積みたい、今までとは違う領域の3DCGデザインにチャレンジしてみたいという方には向いている職場だと思います。

もちろん、クオリティが高い制作をしたい方やそのためのアイデアを発信してくださる方も大歓迎です。私も引き続き良いものを作っていきたいので、一緒にクオリティを追求した制作をおこなっていきたいですね。

― 最後に、今後の目標を教えてください。

当社の3DCGデザイナーチームは、まだまだ成長過渡期です。そんななかでの私の命題は、現代のゲーム業界でしっかり戦っていけるクオリティの3DCGを作る力を社内全体につけることだと思っています。

なので、新規プロジェクトで今まで以上のクオリティを出しつつ、運用中プロジェクトでもしっかりとクオリティを担保できるようチーム力を底上げし、全社的な3DCGのクオリティアップを目指していきたいです。

― ありがとうございました!


▼ CGWORLD様に取材いただきました!
『ロススト』チームの3DCG制作について、計4回でご紹介いただく特別連載です。Wakabayashiも登場していますので、ぜひご覧ください。

▼ 3DCGデザイナー 積極採用中!
f4samuraiでは、現在3DCGデザイナー(背景デザイナー、モデラー、モーションデザイナー)を積極採用中です!ご興味をお持ちいただいた方は、ぜひRecruitサイトからご応募ください。

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