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ポエム

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ポエムをまとめたものです。
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#創作大賞2023

流れ星から陽だまりへ

流れ星から陽だまりへ

流れ星を捕まえたい。
子どもの頃は、そんな夢を見ていた。
でも、段々とそんな夢はもたなくなっていった。
「現実」を知っていったから。
空や海が青いのは何故だろう?
それを光のメカニズムで説明できるようになっていった。

あんなに青く綺麗な海。宇宙から見ると青い海。
手にすくうと透明だった。
だから、僕は近くでは見たこともない空も
同じなんだと科学を信じた。
流れ星のこともガスと核融合の仕組みを説明

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ボトルメールに残した勇気

ボトルメールに残した勇気

誰かが教えてくれたこと。
何にでも責任がともなうことを。
自由とか、選択とか、行動とか、言葉には
どれにも責任がともなうことを。
「責任」を背負うことが怖い私は、
言葉を声に出せなかったり、
つづった言葉を消している。

誰かが教えてくれた矛盾すること。
言葉は消えること。
言葉は残ってしまうこと。
形のないネットの世界に書かれた言葉は形に残る。
形ある僕らの世界の言葉は発した瞬間に録音でもしない

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地球の星のすみっこで。

地球の星のすみっこで。

君と、僕は離れ離れに片隅にいる。
2人を挟むものは何もないのだけれど、
近づく勇気もなくて、
距離を詰められないでいる。

彼女は黒猫を飼っているそうだ。
間に黒猫でもいれば、2人の距離は違うだろうか。
僕は変わらずすみっこに。
やっぱり、僕は変わらず距離を詰められない。

強制的にくっつく力があれば、
臆病な僕でも関係ないだろう。
磁力とか。引力とか。
僕と彼女の間になにか知らない物理法則が

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仲間はずれのリンゴ

仲間はずれのリンゴ

脇目に草原がうかがえる有料道路。
青い空と、草原の緑、アスファルトの一筋に伸びる黒みがかったグレー。
単調な景色が続き、退屈に感じる中、
無人販売所のリンゴを買った。
退屈な景色の中に突然放り込まれた赤は
景色に交わらない。
ただただ、私の手の中にあった。
それは孤独で、蠱惑的で、魅力に溢れる赤色。
宇宙の中にあるこの地球がリンゴだったらと妄想する。
引力に逆らうように宙に浮くリンゴはあるだろうか

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