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【EZO SUMMIT トークセッション② 時代の変化、地方の可能性。大事なものの変化】

2020年6月に発足した「えぞ財団」。2020年11月28日(土)EZOHUB SAPPOROにてえぞ財団の想いを載せた最大級のイベント、「EZO SUMMIT」(えぞサミット)を開催しました!前回のトークセッション①「2030年北海道の未来に向けて 」に引き続き、今回は②「時代の変化、地方の可能性。大事なものの変化」をご紹介します。

◆EZO SUMMITの概要はこちら

◆【EZO SUMMIT トークセッション①】
 「2030年北海道の未来に向けて 」はこちら


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◆廣瀬 岳史:NoMaps実行委員会事務局長(通称NoMapsJK)◆
北海道大学経済学部を2000年に卒業後、民間企業を経て民間シンクタンクに入社。以降10年にわたり、道内自治体の政策立案や地域活性化事業の運営等に従事。その後、現場により近いまちづくり系の会社に籍を移して、地域活性化や地域人材育成事業の企画・運営などに携わる。2016年、NoMapsの前身の一つである札幌国際短編映画祭関連の調査業務に携わったことを契機に、NoMapsに立ち上げから参画し、産官学の多様な主体が関わる事業の調整役を担う。2017年4月よりNoMaps実行委員会事務局長を務める。

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◆野々宮 秀樹:GOOD GOOD 合同会社創業者/CEO◆
元配当受益権組成&流動化の専門家で、現在は畜産とお肉の価値流動化の専門家。 牧場経営とお肉の事業を開始。金融資本主義の世界に、文化資本主義のエッセンスを。GOODGOOD合同会社とは、事業開発&事業配当受益権流動化を専門にしていた野々宮が、資本の在り方の一部を、金融資本から文化資本へ変換してするために始めた事業会社。長期保有株主らと共に、物事を"Slow"に捉え、"最先端テクノロジー"を駆使して、"SocialGood"に取り組み直すことでイノベーションの余地が大きく生まれる事業領域に取り組んでいる。
まずは、大好きなお肉の世界から。 -GOODGOODMEAT

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◆片桐 孝憲:ピクシブ株式会社創業者 DMM.com代表歴任◆
1982年、静岡県浜松市生まれ。北海道弟子屈町在住。高校時代から起業を志向し、2000年にインターネットと出合い、大学在学中からウェブ制作会社で働き始め、デザインやプログラミングを習得。クリエイターを目指すなか、知人からECサイト構築を依頼され、課題解決のためのソリューションが得意であることを自覚。2005年に大学を中退し、2名の仲間とウェブ制作会社を創業(現:ピクシブ株式会社)。ホームページの受託制作を始めるが、会社の規模を拡大させるために自社サービスの必要性を感じ試行錯誤。2007年、5つめにリリースしたイラストコミュニケーションサービス「pixiv」が大ヒット。2008年にピクシブ株式会社に社名変更し、本サービスに集中特化する。10年間で全世界に約2,000万人のユーザーをもつ巨大サービスに育て上げた。2017年より株式会社DMM.com及び株式会社DMM.comラボ 代表取締役社長に就任。2019年2月1日付の亀山会長のCEO兼任復帰に伴い、同社執行役員(イノベーションに特化)に役職変更後、退職。

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◆木下 斉(発起人) : 一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事◆
1982年生まれ。一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。 商店街つながりでお酒も飲めない高校時代に、狸小路商店街の青年部忘年会に参加したのをきっかけにして、札幌大通まちづくり会社の設立に関わり、近年は道内の公共資産活用、エリアマネジメントに関わりながら、今年には余市町に現地仲間と共に新たなワインツーリズムを睨んだネゴシアン会社を設立予定。母親が北海道紋別郡旧丸瀬布町(現遠軽町)出身。著書『地元がヤバいと思ったら読む凡人のための地域再生入門』『地方創生大全』『稼ぐまちが地方を変える』等


人生において大切にするものとは?2030年の北海道がどうあるべきか

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廣瀬:みなさんこんにちは。NoMaps実行委員会事務局長の廣瀬と申します。今日は「時代の変化、地方の可能性。大事なものの変化。」ということで、これから大切にしていきたい価値観についてお話ししたいなと思っています。トークセッション①では、スタートとして北海道の課題からお話をして、結果的にかなり価値観のお話に踏み込んだなという印象でした。

今日はこの『EZO SUMMIT』自体が“2030年の北海道がどうあるべきか”というテーマです。トークセッション②はどちらかというと、その先の2030年以降の北海道のあるべき姿みたいなものを、それぞれの地域・コミュニティあるいは皆様の人生・会社などに当てはめた時に、

「自分は一体どんな価値観でこのさき生きていきたいのか」
「どんな地域で生きていきたいのか」

そういうことを考える時間になればなということで考えています。
このような話なので、正解もないし、オチは全然考えていません。自由にざっくばらんに、ゲストの方と話しながら皆さん自身も考えていただいてもらって、自分なりにこんな価値観を大事にしたいなっていう気づきの時間を作れたらいいなと思っています。

今日は正直ゲストが豪華すぎるんじゃないかと思うのですが、まずは軽くご紹介していきましょう。まず1人目、今日は厚真からのご参加で、『GOOD GOOD合同会社』創業者の野々宮さんです。“お肉の野々宮さん”と覚えてください。それから二人目「pixiv(ピクシブ)」の創業者でDMM元代表の片桐さん、そしてセッション①から出て頂いている木下さんです。よろしくお願いします。

価値観の多様化〜文化そのものが価値創造に繋がる【文化資本主義】〜

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廣瀬:一応資本主義経済って『お金を大事にしましょう』とか、『資本を持ってる人間が経営者になって労働者がいて使役して利益追求していきましょう』とかいう経済社会で、ほぼ半分崩壊しているんじゃないっていうのはあるかなと思っています。
そこは多少今も残りつつも、新しいものをみんなどんどん模索していますよね。その輪の中でも、経済合理性の話もあればそれぞれの価値観がすごく多様化している。今までは割と全体的に、みんなで資本主義の社会を作っていこうとしていましたが、多様化する中で『これからの新しい価値観だったり経済主義みたいなのってなんなんだろう?』とそれぞれが考え、それに沿って自分が生きていくという時代になっているんですね。

今後はカネなのか、健康なのか、文化なのか…最近だと、資本主義に代わって評価経済や信用経済が出てくるんじゃないかというような話もあります。シェアリングエコノミーとかもあるので、今皆さんが考えている価値観を共有しながら、それぞれちがう「本当にそっちがいいの?」「稼ぐのは大事だけどお金じゃないよね」といった話もあるというところが、非常に深い話になるのではないでしょうか。そのなかで「皆さんはどう思っていますか」というところを含めてお話していきたいと思います。

1つめの問い、「これからの価値観について、ゲストの方々はどう考えますか」ということを聞いていきたいと思います。これは個人でこんな価値観を追求していきたいでもいいし、社会はきっとこういう価値観に流れていくはずということでもOKです。

では野々宮さんからまいりましょうか。
野々宮さん、今厚真で「和牛メゾン」を作るためにすごく頑張ってらっしゃると思いますが、自己紹介とこれからの価値観についてコンパクトにまとめて頂ければと思います。

野々宮:初めまして「GOOD GOOD」の野々宮と申します。僕はもともと22~23年前から金融業界にいまして、どちらかというとローンじゃなくてエクイティ(株主資本)の世界にいました。まさに今日の議題である資本主義のど真ん中にどっぷり入っていましたが、5年程前からとにかくサステナブルな畜産をしたくて、今和牛の牧場を九州と北海道で準備をしています。
九州の方はもうすでに稼働していて、北海道の方は去年ぐらいから、今厚真町に居住しながらその事業を進めているところです。よろしくお願いします。

端的にいうと、これからの今どんなことを考えているかという価値観については、結局は好きなことをやったらいいと思いますね。僕の個人的な立場から言わせてもらうと、恐らく資本主義は明日も明後日も続いて、資本主義が終わることは多分ないだろうと。こんなに便利な仕組みが他にないからだと思ってるんですよね。
ただいわゆる金融資本主義といわれる価値をやり取りをする基準が、金融資本から違う資本に変わっていく可能性は高いかなと思っていて、僕は今こういった牧場や畜産に取り組んでいるというところですかね。


廣瀬:今野々宮さんがやられている活動で言うと、何ていう言葉で表現できるんですか?

野々宮:僕は今「文化資本主義」という言葉を使わせてもらってる状態ですね。これはもともと社会学上にある言葉で、どちらかというと教養や文化的な資産・資本が新しい価値創造に役立つんじゃないか、というような考え方なんです。
僕の場合もう少し広い意味でそれを捉えていて、単なる教養だけではなく、実は色々な文化そのものが新しい価値創造になってくるのではないかと思っているところです。

廣瀬:人についていくような教養だけではなく、コミュニティなどにしっかりと長く長く根付いていくものを資本としてみていこう、みたいな形で考えているということですね。
特にハイエンドの世界とか特に日本もそうかもしれませんが、もしかしたら地方にとっては教養よりも信用の方が大事かもしれないですし、そういったものも含まれるとは当然思いますね。ありがとうございます。


価値観の変化〜「お金持ち」から「時間持ち」へ。勤労と遊びのグラデーション〜

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廣瀬:それでは片桐さん、よろしくお願いします。片桐さんはこれからの価値観という問いをどのように考えておられますか。東京の最前線で、ピクシブやDMMを退いて弟子屈に移住して、今自然の中で色々なことをされているかと思いますので、その経緯を含めてお話頂ければと思います。

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