羽化する

音楽素人のライブ後記 vol.15

1st Single「ハナヒカリ」リリース記念
東名阪ワンマンツアー
リーガルリリーpresents「羽化する」
@LIQUIDROOM
2019.12.10
(初)



結成からは5年が経つが、
現Ba.の海が加入してから、
約1年。

その海が、
ツアータイトル「羽化する」に込めた、
新生リーガルリリーとしての気概。

ライブの終わりにまず感じたのは、
未来だった。



彼女らはきっと、
2020年代を代表する、
ロックバンドになるだろう。






とにかく、
ライブの姿勢が素晴らしかった。

ファンに迎合するのではなく、
表現の場として振り切って、
音楽を真っ直ぐに伝える。

一見するとその姿勢は、
押しつけに思えるかもしれない。

しかし、
それを感じさせない圧倒的な説得力が、
たかはしほのかの歌声にはあった。

自由自在な声量と、
息の量。

複雑なメロディでも、
崩れないピッチ。

メロディと歌詞の合間を繋ぐ、
余韻の深さと長さ。

生だと一層際立つ、
透明感。



さらに彼女の声は、
どれだけバックが爆音でも、
消えることがない。


まるで楽器だ



そしてまた、
たかはしの非凡な世界観を結実する、
バンドサウンドも素晴らしい。

3人の軸が
どの曲でもぶれることがない。

深い共通理解があるからこそ、
成しえる業だ。



それはまるで、
「私達には音楽しかない」
とでも言っているかのようであった。



昨年のSXSW、
言葉の通じないステージでの経験も、
影響しているのだろう。

リーガルリリーはきっと、
それで良いし、
それが良い。

派手なパフォーマンスも、
観客への煽りも、
息抜きのようなMCも、
いらない。



音楽だけが名刺になるライブ。



これで十分だ。

さなぎから蝶になって、
これから一体、
どこまで羽ばたくのか。

初のアルバムリリース、
さらに全国10箇所ワンマンも控える、
2020年。

捕まえられなくなる前に、
観ておきたい。

ライブハウスにいる間に。


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