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2020/02/06(Thu)〜2020/02/10(Mon) あたまの具合、寒い、お茶、うつわ、遠くに23歳

2020/02/06(Thu)

 随分あたまの調子がよくなったなあと思う。「死にたい」「消えたい」と思うことが減り、まだもうしばし生きることを念頭に生活するようになった。何が変わったのかわからない、ただ今年の冬があまり寒くなかったことが関係しているのかな、どうなんだろう。緊張で言葉を噛むことも減り、頭のなかで走り回っていたことばがちかちかまぶしくてうるさいという感覚はほぼなくなった。余白が増えてぽっかりとしている。

2020/02/07(Fri)

 寒い。
 知人が「東京」は「日本」というよりも「日本のなかにある特殊な、小さな国」といったのを思い出していた。わたしもまたそう感じるときがあり、何がそう感じさせるのだろうと考えていたけれど、公共交通機関の交通網と、人との距離の在り方、あとはテーマパークのような、ひとによって作られた「見るもの」「体験するもの」であふれているところ。地方の自然に、ひとの手がはいっていないわけではないはずなのに、東京にあるものの多くは人工的、作為的だと感じてしまったりもする。このあたりはわたしの偏見もあるんだろう。……だから、だからといって、ここ以外に行ける場所があるのか、いやもう出てきてしまったから、と思ったりもする。地元に帰る可能性を考えては、想像ができないなあとつぶやくことの繰り返し。都市には都市の生活があり、わたしはそれを確かに享受している。公園で子どもたちが走り回るときのあかるさを横目に図書館へいくとき、勝手にしあわせのような気持ちを感じてしまう。

2020/02/08(Sat)

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 あいださんとyenさんとお茶をしに行く。戴国に思いをはせる。

2020/02/09(Sun)

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 東京ドームのテーブルウェア・フェスティバルへ。2回目ということもあり、見て回るコツをつかんでいたので、効率よく回れた。どうみてもアーティチョークなねずみの置物を連れて帰る。

2020/02/10(Mon)

 体感の話になってしまうのだけれど、2000年前後のビジュアル系バンドのファンダムには、女の子同士で付き合っていたり、付き合っているとは明言しなくても(あるいは個人間で明確に定めなくても)互いを特別なひとりとして関係を築いているひとたちがぽろぽろといた印象がある。

 当時まわりで付き合っていたひとたちも、わたしを含め、今はだいたい別れてしまっており、若いときのことだからといえばそうともいえるんだけど、性別関係なく高校生のときに付き合い始め、暮らしをともにするようになることはそう多くないだろう、とはいえもし、男女だったらもう少し違ったんだろうか、と考えてしまったりはする。もし男女と同じような受容のされ方を社会にされていたなら、あのとき付き合っていた女の子同士のカップルも、何組かは結婚したりしたんだろうか。

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 わたしも10代の後半から5年くらいひとりのひととくっついたり離れたりしながら付き合っていた。

 学生の時期が終わりに近づき、働き始めることを意識するようになったとき。どうしても「お付き合い」だけじゃなく、「生活を共にしていくこと」が選択肢にあがるようになった。そのときにネックだったのが経済的なことと、世間的にどう受容されるかということだった。時代として就職難だったこともあるし、相手はすでに自立していて、わたしが勝手に焦っていたのもある。女の子ふたりで互いをパートナーとして歩き出しても、誰にも祝福されないだろうと思ってしまっていたのもある。

 それでもいっしょに暮らすことを念頭に、ふたりでいっしょに子犬を見に行ったりした。
 まだ仕事も決まってなかったのに、夢ばかり見ていたのだなあと、記憶のあらゆる出来事が恥ずかしい。まったく似合わないのにレースのワンピース着させられていやだったな、とか、めんどくさがるわたしをちゃんとお風呂にいれてくれてたな、とか、プラネタリウムにいったのに冷房が寒くてはじまって3分で寝てごめん、とかそういう。こうやって書くとわたしがほんとだめだったんだなあ! とにかくだめなわたしを許しつづけてくれたひとでした。

 いまそのひとは男性と結婚して子どもがいる。きっともう会うことはないのだけど、ときどきどうしているかなあと思う。わたしは周囲のひとと、恋人や家族ではない別の関係をつくりながら穏やかに暮らしているよ。

 過去に戻りたい、とか、選択しなおしたい、とかそういうはなしではなくて、23歳のときに差し出されたものをいまやっと受け取って、なんとなく手触りみたいなものを確かめたりして、思い出になってしまったなあ、なんて思う。傷つけたり、傷つけられたりしたこともあったのに、そういうことはだんだん遠くになっていってしまう。

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