小説

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分割予報

月が半分に割れたので、映画を見るのはとりやめになった。
 スマートフォンの分割予報には、月、と表示されおり、空を見上げると、たしかに月が割れていた。やすこは「たのしみにしてたのに」と言ったが、ユキは「月、割れちゃったし」と言うばかりでそそくさと大学の正門から消えてしまった。
「割れるなんていつものことじゃん!」
追いかけようとしたけれど、ユキの脚は速くあっという間に見失ってしまったのだった。
「ど

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