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会社を創業して3年半、また新しく会社を立ち上げる話。 [株式会社EXx 中根]

こんにちは、株式会社EXxの取締役の中根泰希です。
今日は、遅ればせながらのご報告です!

プロフィール

私と杉原で立ち上げた株式会社mymeritは、このたび株式会社EXxとなりました。

[会社・事業概要]
会社名 : 株式会社EXx (https://www.exx.co.jp/)
代表者 :  青木大和
事業紹介 : 
└ 移動型滞在施設 BUSHOUSE : https://bushouse.exx.co.jp/
└ 電動キックボード ema : https://ema.run/
└ アウトドア施設の検索サイト @Scape : https://atscape.jp/

私たちはこの数ヶ月間、日本各地を飛び回りながら、パナソニック株式会社や、山口県萩市のような、企業や市町村と共に、モビリティにまつわる様々な実証実験を行なってきました。

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*宮崎県日南市での「観光客向けMaaSプラットフォーム」導入実験を実施

これを経て、mymeritの電動キックボード事業は、「可動産」を推し進める青木大和氏の会社と合併し、青木大和を代表取締役社長に、私と杉原が取締役に就任し、晴れて株式会社Exxとして生まれ変わりました。

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このnoteでは、合併に至った、経緯や理由に触れながら、「小型のモビリティ」 と「大型のモビリティ」の両輪にのって、走りはじめた新会社についてご紹介させていただきます!

ここでお話すること

① 自己紹介
② 起業のきっかけは、村井純先生の授業。
③ サービスを10個近く作るものの、失敗の連続。
④ 人生と、旅の寄り道で気づいた「移動」そのものの、楽しさ。
⑤ 電動キックボードにまつわる様々な規制に直面。
⑤ 電動キックボードだけでは作れない、移動のカタチ。
⑥ "町やコミュニティが移動する" みらいを作るために。
⑦ 終わりのご挨拶。

①自己紹介

さて、私たちを知らない方が殆どだと思いますので、まず筆者の自己紹介をさせてください。

私、中根は、現在、慶應義塾大学の総合政策学部の4年生です。2017年の大学3年の秋学期から休学し、株式会社mymeritを杉原と創業しました。そんな私は、今年25歳になります。休学と復学を繰り返しながら、6年間しぶとくSFCに居座って参りました。ゼミには行かせていただいており、歳だけ重ねた長老扱いですが、比較的、童顔なのが、救いです。

②起業のきっかけは、村井純先生の授業。

私と杉原の起業のきっかけは、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの学部長、村井純先生の授業でした。その後も村井先生には株主、そしてアドバイザーとして、ご支援いただいています。

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*授業の最終プレゼンの資料。この授業でデザイナーの酒井とも出会った。

③サービスは、10個近く作るものの、失敗が続く。

そうして発足した後の、株式会社mymeritでは、多くのスタートアップがそうであるように、様々なサービスを作っては、クローズを繰り返しました。

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*1つ目のサービスの「予定管理帳」のランディングページ

こうして、10近くのサービスを作り、結論からいえば、全部失敗。正確には、失敗したと言える所までも到達していなかったと、今では思います。「僕たちじゃないと、できないこと」に出会うまでには、ずいぶんと時間がかかりました。

③人生と、旅での「周り道」をしてみて「移動」そのものの楽しさに気づく。

その頃、途方にくれていたときに、旅にでました。
束の間の寄り道です。休学を繰り返している時点で、既に寄り道しまくっているので、束の間でもなんでも、ないのですが、転機が必要でした。

そうして息抜きがてら、訪れたのは、高校時代の友達の住む、ロサンゼルス。

ノートを片手にベンチで悩んだ、ある日の帰り道、二人組の男女が電動式のキックボードに乗っている光景を目にしました。
何あれ...?とその後、合流した友人に聞くと、今流行っているLimeだよ。と言われました。ライム...?どうせならこれに乗って帰ろう、ということで、早速、アプリをダウンロードし、乗車。

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この時が「すごい!キックボード、楽しい!」と初めて思った瞬間でした。単に楽な移動、というのではない、まるでアトラクションみたいな体験。そうして「なぜ、これが日本にないんだ!」と思ったのが、電動キックボードの第一印象でした。

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通る予定のなかった、奥の細道が、気になったり。あっちも行ってみよう、ここも曲がってみようと、携帯のマップの指示を、無視していたり。隠れた景色を一生懸命、探す自分がそこにはました。

自転車とは違って、乗り降りや小回りや、収納が、格段に楽なので、発見してフラッと立ち寄ったお店の店内にも、快く停めさせてくれます。その後、旅先の街の探索では、電車や車で「すっ飛ばしてしまう」景色を、もったいない......とさえ感じてしまうように。

それまでの僕にとって、移動とは、単にA地点からB地点にいく手段でした。目的地にある、決められた目的を達成するために、効率的に素早くそこに到着することを望んでいました。

でも、本当は、移動の過程を、もっともっと楽しむことができる。そこには偶発的な、出会いと、濃厚な体験がある。

これがあれば、東京の小さな路地の探索も、地方の、車がないと不便な地域も、ひとっ飛びだな、と感じ、それからは日本でも、これに乗りたい!移動を楽しく、自由にすることで、これまで足を伸ばせなかったところにまで、移動の脈を作りたい!!そんな一心でした。

寄り道はやっぱり、悪くないな、と思いながら、日本に帰国。その後訪れる困難など知るよしもなく.....。


④電動キックボードにまつわる様々な規制。

帰国後、早速、車体を購入し、日本でどのような形で、事業をスタートできるか、考え始めますが、すぐに、日本では電動キックボードの走行が違法であるという情報を得ます。とはいえ、ひたすらにそれに楽観視。基準を満たす車体に改造すれば良い!そう考えていました。

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*公道走行が可能な形に加工を試みたが、ハードルは高く、断念する。

しかし、いまだに、町を見渡しても、日本では電動キックボードに乗っている人を、ほとんど見かけませんよね。電動キックボードが未だに様々な規制に抵触することが、その理由です。たくさんの試験を行い基準を満たすように車体を改良するなど、試みましたが、サービスを提供することが出来ず、一年半が経ちました。

けれども、「とにかく乗ってもらいたい」「これによって人の移動がどう変わるのか見てみたい」そんな一心で、私有地(法律に抵触しないエリア)での実証実験を重ねました。興味を持ってくれたパナソニック株式会社や、青木大和さん率いる株式会社DADAと協力しながら、この取り組みは続けました。

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同時にロビイングと言われる法律を管理している方々に、こんな価値があるので、こんな風にルールを変えて欲しいです!という訴える活動も続けました。(*)

*マイクロモビリティ推進協議会という、団体を設立し、そのような取り組みをしておりました。

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⑤「電動キックボードだけ」では、日本の移動の未来は、描けない。

さて、実証実験を通じて様々課題や可能性を発見できたとはいえ、会社としては、販売・提供できる商品がないことには変わりはなく「キックボードだけでは人の移動を変えることはできない!」と感じます。そんなときに、同じくモビリティ領域として活動している、BUSHOUSEというプロジェクトの代表の青木大和に呼ばれました。

青木のBUSHOUSE事業は、端的に述べると「移動型の滞在施設」の開発とサービス提供です。マイクロバスの後部座席を、まるっきり、くりぬいたところに、キッチンやベッドやソファーが取り付けられており、それぞれのバスはコンセプトによって内装が異なります。

キャンピングカーのように、海辺、河原、大草原、どんな好きなところにでも、乗り付けて、どんな夜景も、どんな目覚めも、楽しむことができる、自然や景色を、新しい形で楽しむための空間が、BUSHOUSEです。

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そのほか、BUSHOUSEは様々な自治体や企業とのネットワークを持っていたため、我々の技術力やサービスづくりの強みを合わせれば、お互いの事業がより加速するであろうと、青木は考えたのです。

確かに、BUSHOUSEは、電動キックボードにとって、空母のような存在になるのかもしれない。僕たちは共感し、協力しながらモビリティ事業を発展させていくことになりました。

⑥"町やコミュニティが移動する" 未来を実現するために。

我々が捉える "移動" とは、単に人が移動することのみではありません。人に限らず、場所や空間、そこに附帯する機能を移動させることで、生み出すことできるものは何かを、考えています。

例えば、

砂漠のようなひらけた空間のど真ん中に突如現れるギャラリー、海の波打ち際で食事ができるつかの間のレストラン、あるいは丘の上に自然と融合する癒しの美容室が現れたり。

そんな町やコミュニティが "移動" する未来を、僕達は想像します。そして、その未来は、そう遠くないうちに、我々が実現します。

新会社、株式会社EXxのミッションは、

Mobility for Possibility.
すべての人が、あらゆる可能性にアクセスできる世界。

暮らす場所・生まれ持った境遇に縛られることなく、あらゆる人が、平等で、ひとつでも多くのチャンスを掴める世界をつくりたい。EXxは、モビリティを通じて、意志ある人の移動を自由にすることで、その暮らしや挑戦に伴走し続ける。

私が、事業に悩み、ロサンゼルスへ旅に出たように、人々は、移動することで、新しい発想や考え方を手に入れます。
移動が自由になるということは、人々の生き方が、一つ二つと、自由に、豊かになることだと考えます。

私は、モビリティカンパニーとして、移動という概念を通して、人々をより豊かに、そしてより自由な発想で、生きることができる社会づくりに貢献していきます。

⑦ 終わりのご挨拶

人は、自然とゴールを決めて、最短距離で、そこに向かおうとします。
偶然や、アクシデントや、遠回りに、あまり価値はありません。避ける方法ばかり、一生懸命考えます。でも、そこで不意に出会う人、場所、存在に、すごく大切なものがたくさんあることに気づきました。妻との出会いや結婚も、その一つです。

ここまで、サポートしてくださった株主の皆様、そして数々のプロダクトを共に作ってくれた仲間達、様々な形でお世話になった皆様、そして、何よりもこの2年間の間で多くの幸せと出会いをくれた妻、本当にありがとうございました。

これからも全力で頑張ってまいりますので引き続き、温かい応援をよろしくお願いいたします。

株式会社EXx 取締役
中根 泰希

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