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アメリカ、半世紀ぶりに月へ宇宙船を打ち上げ! アルテミス1ミッションがアツい!!

2022年11月16日15時04分(日本時間)、全長98mのロケットがケネディ宇宙センターから打ち上げられます。NASAは約50年ぶりに月へ宇宙船を打ち上げ、2025年までに再び人類を月面に着陸させます。半世紀ぶりの有人月ミッション(今回は無人での打ち上げ)とあって、宇宙ファンの中では大きな注目を浴びています。この記事では、この打ち上げとミッションの注目ポイントを4つに分けて紹介します!

※打ち上げ時刻は変更になる可能性があります。最新の情報を各種SNSから確認してください。

今回のミッションは、NASAが主導する有人月着陸計画「アルテミス計画」第1段階目です。ミッションは、「アルテミス1」と呼ばれています。アルテミス1は、新たに開発された全長98mのSLS(Space Launch System)ロケット、世界で唯一現存する月まで行けるオリオン宇宙船を使用した無人試験です。宇宙飛行士は、乗り込んでいません。オリオン宇宙船は、月を周回し、2022年12月11日ごろ地球へ帰還します。

1. SLSロケット

アルテミス計画で使われるSLSロケット。今後、人類が月面へ行くときに使われます。SLSロケットは人を乗せる宇宙船だけでなく、月や火星へ貨物を輸送することも可能です。そのため、搭載する宇宙船や貨物によって、様々なヴァリエーション(形態)があり、アルテミス1ミッションでは「ブロック1(Block 1)」と呼ばれる形態が使用されます。

SLSロケットの全長は、98mです。約100mのロケットが打ちあがるのは、1973年5月14日に打ち上げられた小型宇宙ステーション「スカイラブ」を打ち上げた「サターンV」ロケット以降、約50年ぶりとなります(この50年で運用中の最も大きいロケットは、「デルタIVヘビー」ロケット)。(ちなみに私の推しロケットは、3歳ぐらいからサターンVロケットです❤︎

2.RS-25エンジン

ロケットエンジンは、ロケットの「心臓部」と呼ばれるくらい重要な機械です。このミッションで使用されるSLSロケットのエンジンは、スペースシャトルのエンジンを再利用したもの!「RS-25」エンジンと呼ばれています。

4機のエンジンはそれぞれに番号が付けられています。そしてNASAから、それぞれのエンジンの「使用歴」が公開されています。

Artemis Reference Guide p11より引用
Artemis Reference Guide p13より引用

上記の表を見ると、「エンジン1」と「エンジン4」はスペースシャトルの最終ミッション「STS-135」で使用されたエンジンであることがわかります。また一番古いエンジンは、1998年に初めて使用され、今年で24年目となります。

スペースシャトルの存在は、当時の人々に「気軽に宇宙へ行ける時代が来る」予感をもたらしました。事実、地球周辺の宇宙活動の知見や有人宇宙飛行の経験の下地を作りました。そして、そのエンジンが月へ行くロケットに搭載されて、人類の活動領域を広げる役割を担う姿を見れるのは、まさに時代の転換点と言えるでしょう。(スペースシャトルは運用後、2度の死亡事故と整備費の増大により、様々な意見も出ました。)

3.オライオン宇宙船

NASAとヨーロッパ宇宙機関(ESA)が共同で開発した有人宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」は、現存する有人宇宙船の中でも唯一人類を月へ運ぶことのできる宇宙船です。宇宙業界では、月や火星・その先のことを「深宇宙」と呼ぶことが多く、オリオン宇宙船は「深宇宙」へ飛行できる有人宇宙船と言えます。

アルテミス1では、無人飛行となります。しかし、クルーモジュールには、3体のマネキン(人形)スヌーピー、ひつじのショーン、LEGOが乗り込みます。

4.日本の超小型衛星(キューブサット)

SLSロケットには、10機の超小型衛星(キューブサット)が「相乗り」して打ち上げられます。10機のうち、2機は日本が開発した超小型衛星!なのです。

Credit: Image Credit: NASA/Kevin O’Brien

上図はNASAが公開したキューブサットに関するインフォグラフィックです。日本の衛星は「OMOTEMNASHI(オモテナシ)」と「EQUULEUS(エクレウス)」。

OMOTENASHIは、月面に着陸し、データを計測することを目指した超小型衛星です。着陸と言っても、アポロ宇宙船のように、ゆっくり着陸するのではなく、「セミハードランディング」と呼ばれる方法で行います。今回のミッションが成功すれば、世界最小の月着陸機となります。

EQUULEUSは、地球-月のラグランジュ点(L2)へ飛行する技術を習得する超小型衛星です。また、地球磁気圏の観測や月面閃光の観測、宇宙塵の計測なども実施します。

日本の超小型衛星のミッションは、非常に興味深いです。故に詳しく説明すると、非常に長文になってしまいます。以下の動画では、開発者の方がミッションについて分かりやすくご説明してくださっているので、ぜひご覧ください〜

アルテミス1ミッションのポイントを4つほど紹介しました。あとは、打ち上げを待つのみの状態です!

執筆時点では、2022年11月16日午後3時4分(日本時間)打ち上げとなっています。打ち上げの様子は、NASAのYouTube公式チャンネルで中継されます
いよいよ人類の次なる挑戦が始まります!

Go Artemis ! Go SLS ! Go Orion ! Go NASA !


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