命の使い方

壮大な見出しではありますが、
2020年から新天地でスタートを切るこのタイミングで、自身が生きる上で「なにを成し遂げたいのか」、
仕事を通して「誰を幸せにしたいのか」、「社会にどう貢献したいのか」を考え直しました。

そこで、わずかではありますが見えてきた、私という人間の「命の使い方」つまり「使命」というものについて大晦日に書いてみたいと思います。

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なぜ、このようなことを考えようかと思ったかというと、私は2019シーズン限りでプレーヤーとして野球を引退し、今まで自分の人生の大半を占めていた大切なものが生活の中から消えました。

同時に、長らく描いてきた「NPB選手」という目標とも完全に別れることになりました。

引退したあとは、なんとなく「経営の勉強がしたい」、「ビジネススキルを学びたい」と漠然としたものがありましたが、結局それらは自身の承認欲求や知的好奇心を満たすものに過ぎず、
「では具体的にそれを学んでどうしたいのか?」
といったところまで深く考えられていませんでした。

11月・12月時点で、アルバイトという形で福井球団に関わらせていただいていましたが、
球団そのものがまったくの0からのスタートとなるため、ベースとなる経営理念が必要となります。

福井ワイルドラプターズの存在意義や経営理念、つまりミッション・ビジョン・バリューを考えていく中で、
ではその中でそもそも私は何をしたいのか、何ができるのか」と根本の部分に疑問を持つようになりました。

例えば、SNS運用やCRM(顧客管理)の部門を極めたい!という思いはあるものの、
では、「それはなんで?」と聞かれたときに、これまた深く答えることはできませんでした。

ですのでこの年末の時間的余裕があるときに再度自分と向き合うことで、
球団の経営理念とは切り離した、自分自身の理念・フィロソフィーを定義させました。

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2019年末時点での、三木田龍元の理念は以下となります。

【ミッション】(使命)

誰もが自らのふるさとに胸を張れる社会の実現に貢献する

【ビジョン】(将来像)

1、スポーツを起点とした地域の魅力づくり、魅力発信へ寄与する

2、誰もが垣根なく、楽しめる・誇れる・一体となれる場を創出する

3、夢を諦めないための環境を整え、発展させていく

【バリュー】(行動指針)

Ⅰ、地元の方々が誇れるか

Ⅱ、子供たちが笑顔になるか

Ⅲ、自身が10年後に後悔しないか

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抽象的なものも多いため、一つずつ補足させて頂きます。

【ミッション】(使命)

誰もが自らのふるさとに胸を張れる社会の実現に貢献する

近年の日本の課題、そして今後ますます表面化してくるであろう問題は、少子高齢化若者の地方離れです。

雇用、情報、人、お金はすべて東京へ集まり、この一極集中の流れは加速していくことでしょう。

通常、0歳~18歳までは生まれ育った地域に住むかと思いますが、そこからの進学や就職となったときに若者はふるさとから離れていってしまいます。

ですが、彼ら・彼女らは決して自分のふるさとが嫌で出ていくのではなく、そうせざるを得ない状況となっているからです。

誰もが生まれ育った地元のことは好きですし、誇りを持っているはずです

ですので、地域が盛り上がり、魅力的な雇用・興行が生まれることは、大人になっても地元に残る人が増えることに繋がるのではないでしょうか。

その地方創生の一つとして、スポーツ、特に独立リーグが寄与していければと考えます。

独立リーグをはじめとした、地域スポーツ・地方ビジネスが活発になることで、それらが地元に住む方々にとって胸を張れることとなり、
そして地元を離れなくても自分の夢を実現できる環境を育てていくサポートをしていきたい
と思います。

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【ビジョン】(将来像)

1、スポーツを起点とした地域の魅力づくり、魅力発信へ寄与する

どんな地域にも誇れる魅力はあります。ですが、それらは認知されていないことも非常に多いです。

独立リーグといった地域スポーツそのものが魅力的なコンテンツ・観光名所となることももちろん重要ですが、

それ以上に、そのスポーツを通じて、その地域の元来ある魅力を相互に高め合い、そして魅力発信の場になっていけばと思います。

福井球団の野球を観るために県外から福井県に人が集まる。
そしてスタジアムでは野球以外の体験も提供することで福井県そのものの魅力を感じられ、翌日にはスタジアムとは異なる魅力を享受しに行く。
というモデルを作り上げていきたいです。

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2、誰もが垣根なく、楽しめる・誇れる・一体となれる場を創出する

今まで述べてきたことと重複しますが、
スポーツの場、野球でいうところの「球場=楽しい場所」にしていきます。

その競技そのものの面白さを伝えること・競技レベルを高めることへの追求は大前提のもと、
例え野球のルールが分からなかったとしても、そして応援しているチームが負けてしまったとしても、
初めて来た人が、子どもが、誰もが楽しめるようなスタジアム空間を目指していきます。

球場に行けば楽しいことが待っている、と一人でも多くの人に思っていただき、学校や職場とは異なる新たな地域コミュニティとして一体となれる場、そして地元の人が県外の人に誇れる空間を創出します

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3、夢を諦めないための環境を整え、発展させていく

私は大学卒業後に3年間も独立リーグでプレーする機会を与えていただきました。

野球を始めたての小さい頃は「プロ野球選手になる!」と高らかに宣言していたものの、
中学、高校、大学と周囲のレベルが上がっていくにつれ、その夢は遥かに遠いものとなっていました。

ですが、そんな自分にもう一度その夢を抱かせてくれ、遠い夢から「本気で目指せるもの」に変えてくれたのが独立リーグでした。

社会人野球が縮小していく中で、高校や大学卒業後に野球を続けられる環境は非常に限られており、多くの選手が学生野球で引退を余儀なくされます。

自分のように、下手くそな人間が最後の最後に夢を追いかけられる独立リーグという環境を絶やしたくはありません。

独立リーグを絶やしたくない、というよりはむしろもっともっと発展させていきたいと思っていますし、それが自分にできる恩返しの一つの形とも捉えています。

他競技を見ても、ほんの一部のトップ選手しか食べていけないという状況だとよく見聞きします。
地域から各種スポーツ選手の夢を支えられる環境を作っていきたいですし、まずその一つの成功例として福井ワイルドラプターズを盛り上げていきたいと思います。

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【バリュー】(行動指針)

Ⅰ、地元の人が誇れるか

Ⅱ、子どもたちが笑顔になるか

Ⅲ、自身が10年後に後悔しないか

これらは言葉のとおりです。
自分の中で大切にする価値観を、以下の3本の軸でまとめました。

つまり、これらは今後の私の行動指針となります。

何かに迷ったとき、どうして良いか分からなくなったとき、苦渋の決断をするとき、
そうした場面では、この3つの疑問を自分に投げかけ、この価値に照らし合わせて選択していきたいと思います。

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一般にスポーツビジネスは儲からないと言われています。
だから優秀な人材も集まりづらいとのことです。

たしかに現状は、早い段階で給料の天井が見えてしまうかもしれません。
ですがスポーツというものは、選手だけでなくそこに関わるスタッフや応援してくれる人たちまでもが、どこまでも高い夢を見ることができます。そこに天井はありません。

そうした部分に強烈な魅力を感じました。

大学卒業後に独立リーグに進むことに関してブレーキをかけてくるご意見はたくさんありましたが、
引退後の今回、独立リーグ球団のスタッフという選択には、さらに強い批判的な声もいただきました。

ですが、上に述べたような強い信念と覚悟を持って福井に飛び込みます。
中途半端な気持ちで下した決断ではありません。

福井に何年いるかも分かりませんし、独立リーグや野球界、もっと言えばスポーツ業界から離れる可能性も0とは言い切れません。
今こうして書き上げたものに対して、疑問が生じるタイミングや、新たな目標が芽生えることもあるかもしれません。

変化の激しい現代では数年先のことも誰も予想できません。
ですので、先を見すぎて目の前のやるべきことに手がつかなくなってしまわないよう、
まずは明日からの1年間、しっかりと地に足をつけ、掲げた人生のビジョンとミッションに毎日1ミリずつでも近づけるように過ごしていきたいと思います。

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長くなってしまいましたが、
1年間ありがとうございました。

これからもTwitterを中心に、日々の気づき・学びを発信しながら、皆様と意見交換や情報共有ができればと思います。
今後も温かくご指導ください。

特に、日頃より独立リーグを応援してくれている皆様には、ファン目線としてたくさんのアドバイスを頂けたらと思います。

それでは良いお年を!

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ルートインBCリーグ
福井ワイルドラプターズ
運営部広報担当
(←肩書きは仮)

三木田 龍元

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