見出し画像

こんなワークステーションが欲しい!RAM特化型!研究者・技術者

はじめに

研究者・技術者の私ですが,現在,RAM(メモリ)特化型のワークステーションを求めています.そんなことを,つらつら書いていきます.

業務内容とRAM特化型ワークステーションの必要性

現在,水工学・河川工学分野の仕事において,コンピュータに負荷を要する作業として,数値シミュレーション,シミュレーション結果の可視化・分析,CAD,GISが挙げられます(その他の作業).その中でも現在,数値シミュレーション結果のデータ整理がボトルネックになっており,ここを改善することによって仕事の効率が爆上がりすると考えています.

それでは数値シミュレーションに関するワークフローを見てみます.

  1. 研究目的に応じたシミュレーションの条件設定等@PC

  2. 数値シミュレーション@外部or内部のスパコン

  3. 3次元空間の時系列データ(4次元情報)の分析(分析プログラムの実行@ここが現在のボトルネック)

  4. シミュレーション結果の可視化@PC(tecplotやエクセル,GIS)

  5. 結果の考察,まとめ

(研究として一番重要なのは,1番と5番であろうことは置いといて..)
ここで,数値シミュレーションそのものは,職場外のスパコンをレンタルしたり,職場に設置してあるスパコンを用いて解析しています.そこで,1ケースあたり数TBのデータを出力し(4次元情報),これを分析します.しかし,どのコンピュータで分析するかが課題となっています.

まず,多くのスパコンレンタルサービスでは,コンピュータの使用台数と使用時間の積に基づく従量課金制となっています.また,高性能なスパコンは人気があり,多くの人がスパコンに計算をお願いすることから,実際に計算が実行されるまでに待機期間を要します(下手すると1週間以上要します).このことから,外部のスパコンでデータ分析をすることは効率的ではありません.

また,職場内のスパコンは,ストレージにHDDを採用しており,データ分析をする際にファイルの読込に膨大な時間を要し,全く現実的ではありません.さらに,同時に実行されている他の計算においてデータの読み書きが遅くなるため,結果として職場全体の計算効率が悪くなります(以前,職場内で深刻な問題となりました).

そんなことから,手元のワークステーションで高速にデータ分析出来る環境を構築したいと考えています.

ワークステーションでの作業内容

それでは,手元のワークステーションでの作業を見てみます.

  1. スパコンからワークステーションに着けた外付けSSDにデータをダウンロード(数テラバイト/ケース)

  2. 自作プログラムを用いて,大量のデータを分析(時間平均値や高次統計量の算出)

  3. 分析結果を可視化用のソフトウェアで確認したり,エクセルに張り付けて定量的な議論を実施(ここは,現在のワークステーションでもクリア)

1.について
さて,スパコンからワークステーションへのデータダウンロードにおいては2つの課題がある.1つ目は,通信回線速度です。スパコン施設や職場内の回線速度に関しては,個人ではどうしようもありません.個人で出来ることは,ワークステーションのイーサネットを2.5Gbitや10Gbitに対応させることくらいでしょうか(実施済み).2つ目の課題は,大容量SSDの準備である.私が構築したプログラムでは,1つのストレージにあるデータしかアクセス出来ません.プログラム言語の問題か,プログラムそのもの問題かも分かりません.そのため,数TBのデータをひとまとめに保存することの可能な外付けSSDが必要となります.最近,SSD性能のトレンドが,データ通信速度から大容量化へ変わりつつあるので助かっています.市場原理によってもう少し安価になることを期待しています.

2.について
大量のデータの分析において,ワークステーションのメモリ(RAM)容量がデータ分析プログラム処理の時間と直結します(流体解析におけるメモリ容量については,下記記事を参照してください).

そこで、数TBのデータを記憶できるRAMを個人で用意することは難しく,以下のように,小分けした領域についてデータ分析を行っています.

  • 分析領域を小分けにする.

  • A領域のデータを読み込み,データを分析する.分析結果のデータのみ記憶する.

  • B領域のデータを読み込み,データを分析する.以下,小分けにした分析領域の数だけ,同じことを繰り返す.

  • データ分析が終わり次第,全領域にわたる分析結果を出力する.

そのため,メモリ容量が多いほど,分析領域の分割数を減らし,データの読込回数を減らすことが出来,プログラムの処理時間を減らすことに繋がります.メインの数値シミュレーションが終わってから,さらにデータ分析に10日要するか,2日で終わるかといった違いは,業務効率に直結します.

この様な理由から,業務効率UPのためには,メモリ容量の大きいワークステーションが必要になります.

こんなワークステーションが欲しい!

一般的なワークステーションでは,CPUやGPUの性能に合わせて,メモリ容量も大きくなるプランが紹介されており,私の需要に合っていません.そこで,BTOメーカーを中心にメモリ容量の大きいワークステーションの構成を見積もってみました.

マウスコンピューターDAIV

マウスコンピューターからはクリエイター用としてDAIVがあります.下記条件を満たすワークステーションとして選定しました.

  • 可能な限り,最大のメモリ容量

  • 20スレッド以上のCPU(Intel XeonやAMDのEPYCの必要性はない)

  • NVIDIA GeForce 4060以上のGPU

  • 1TB以上のストレージ

  • 2.5Gbit以上のイーサネットアダプタ

  • 予算100万円以下(60万円以下がベスト)

ドスパラraytrek

パソコン工房

windowsのワークステーションですと,CPUにIntel Coreシリーズを採用すると,メモリ容量が128GBで頭打ちになるのかな? IntelのXeonやAMDのThreadripperを使う場合はメモリ容量を増やすことが出来そうなので,予算との相談ですね.

サイコム

おっ!サイコムなら,メモリ容量を192GBまで増やせますね!これは決まり?

apple Mac studio

appleのMacについても確認しました.静穏性の良いMac studioでは,現在M2シリーズしか選択できません.同シリーズで,メモリ容量を増やすにはM2 Ultraチップを採用する必要があります.192GBまでメモリ容量を増やすことが出来ます.

早く,M3シリーズやM4シリーズのチップを搭載してほしいです.

ただし,,,,Macを使ったことがないので,操作感になれる必要がありますね...

おわりに

さて,今回は,研究者・技術者として業務効率化のために,メモリ容量特化型のワークステーションについて見積もってみました.もう少し,検討し,年度末あたりに購入出来たらと考えています.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?