マルノウチスゴイタカイビルってなんだよ

「フユコ……トチノキ……マルノウチスゴイタカイビル……!」この、ニンジャスレイヤーことフジキド・ケンジのセリフをわたしが初めて見たのは、ニンジャスレイヤー本編ではない。冒険企画局から出た吸血鬼殺すべしTRPG「ブラッドクルセイド」付属のリプレイである。リプレイで、理不尽に殺されたフィクションのキャラクター名を呟いてモチベーションを上げてる奴がいたのだが、そこで元ネタが分からなかったのがこの発言だった。

「この会社のリプレイだしなんかいつもの与太話なのでは?」というのが正直な印象だった。ところが、そうではなかったことが、それからだいぶ経ってから判明する。

知り合いがだいぶTwitterにいたのでなんとなくアカウントを取りしばらくしてから、フォローしていた冒険企画局のアカウントによる「SFセミナーでニンジャスレイヤーの翻訳チームにインタビューする」旨のツイートを見かけた。「ニンジャスレイヤー? なにそれ」と思って検索した。「フユコ……トチノキ……マルノウチスゴイタカイビル……!」のセリフを見つけた。「実在したんだ……」と思った。

忍殺語の項目でひとしきり笑い転げ、公式アカウントを覗いたら「鹿めいたキック」のあたりで笑い転げ、連載はおいといてwikiやニコニコ大百科のおすすめエピソード「メリークリスマス・ネオサイタマ」を読んだ。ノボセ老がかっこよすぎて旦那さん(当時はまだ恋人であった)に紹介したところ実在を疑われた。結局旦那さんは物理書籍が出るまで実在を疑っていた。

メリークリスマスを読み終え、そこからは時系列順に読みつつ、シカの方のマグロこと「チューブドマグロ・ライフサイクル」に追いつきその後ガンドーさんに出くわしてからのシルバーカラスで完全に沼から抜けられなっていた。

あらためてまとめてみると、キャラクターでハマる自分の傾向と、与太話だと思ってたら予想以上だったぞっていう当時の翻訳チームの思惑どおりの動きが明らかにされてしまったなと思う。

4部は今までよりのんびり追いかけているけれど、3部の頃から塗り変わった勢力図やネオサイタマが新しい景色を楽しみつつ、特派員最終シリーズを待っている。