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愛知教育大学2007年:線分の長さの和

問題

座標平面上に点A(1, 0) を固定し,点Pを直線 $${y=x+2}$$ 上に,点Qを円 $${x^2+y^2=1}$$ 上にそれぞれとる。このとき,線分の長さ AP+PQ の最小値と,そのときの点P, Qの座標を求めよ。

愛知教育大学2007年の問題です。図を描くとこのようになります。

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「Qが円周上の点」でなければ,よくある「川に水を汲みに行く問題」です。
次の図の点Aに家があり,Bに畑がある。家を出て川(直線)で水を汲み畑に行く最短路を求める問題。

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畑が川の対岸(川に関して対称な位置B’)にあるものとすると PB=PB' です。点B' とAを結ぶ経路は直線が最短なので,川との交点Pで水を汲めばよいことになります。

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図にあるように,畑の対称点のかわりに,家の対称点をとっても同じことです。

 この問題の応用が愛知教育大学の問題です。このような応用は,空間内の平面と2点でも入試問題として出されています。

 さて,先ほどの川に水を汲みに行く問題では,Aの対称点をとってもBの対称点をとっても同じでした。
 では,この問題ではどうでしょう。

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Qの対称点をとる場合と,Aの対称点をとる場合の両方を考えてみましょう。

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これが結構難しい。Aが固定された点であるのに対し,Qは円周上の任意の点なのです。Qの対称点をとると,Qを動かすたびにその点も動くので考えにくいでしょう。Aの対称点ならQが動いてもこの点は動かないので,A'Qだけを考えればよいことになります。
正解は $${\srqt{5}-1}$$ で,およそ 1.236 になるのですが,これを実際に点を動かしながら確かめてみましょう。
次のリンク先に,インタラクティブに動かせるものがあります。

始めは問題図。「補助図1」ボタンを押すとQの対称点,「補助図2」ボタンを押すとAの対称点が取られます。(図は「補助図2」を押したところ)

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AP+PQの値が表示されるので,点QとPを動かして,最小になる位置を探すわけです。

※ 図はCinderella(CindyJS)で作成しています。

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