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ロボット犬AIBOはこう開発された /毎日論文チャレンジ#4

今回はロボット犬AIBOの開発についての論文を読んでみました。そろそろ自身の専門である工学系の論文を読んでみようと思ったのですが、内容紹介が難しい!ということで、何かロボットについて分かりやすく紹介しているものはないかと調べていたところ、この論文にたどり着きました。今回読んだ論文は精密工学会誌の特集論文ですので、厳密には技術系の学術論文とは異なりますが、AIBOがどのように開発されたのかを理解するには適切な論文だと思うので紹介します。1999年に発売されたAIBOですが論文が発表されたのが2000年ですので、かなり新しい内容を反映していたのではないかと思います。

今回読んだ論文
藤田 雅博, "エンターテインメントロボットAIBOの開発," 精密工学会誌, 2000

ロボットのエンターテイメント利用

従来のロボットは危険作業や介助、救助といった分野で活躍することを目的として開発されてきた。しかし、これらのロボットには安全性や信頼性の問題で実用化に大きな壁がある。

そこでロボットのエンターテイメント利用に目をむけてみると、この安全性や信頼性に対する考えが大きく変わる。例えばペット型ロボットが転倒しても大きな問題にならないし、ご主人様の認識を間違えても大きな問題にはならない。

ロボットの楽しみ方

ロボットの楽しみ方を考えたとき次のような項目が考えられる。

・ロボットの行動や動きを見る楽しさ
・インタラクションやコミュニケーション する楽しさ
・ペット型ロボット(キャラクター)を育てる楽しさ
・操縦型ロボットを操作する楽しさ(技術を競う)
・作る楽しさ(ロボットを作ること自体がエンターテイメント)

ペット型ロボットの試作

前述の楽しみ方を実現するために、以下の目標を実現できるペット型ロボットを試作した。

人の住んでいる実世界で動作可能であること
→実環境を認識するための音処理は、雑音に弱い声認識を避け、音楽を用いたコミュニケーショを採用
→処理時間を短縮できる画像処理の方法を採用

柔軟で複雑な動き、行動をすること
→16自由度という多自由度を持つ4脚ロボットを構成

そして開発されたロボットがこちらです。論文より図を引用します。

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成長するペット型ロボット

試作ロボットには更なる改良を加え、ユーザが褒めたり、叱ったりすることで行動を変化させ、また、インタラクションの頻度や種類によって異なる行動をするロボットに成長するというソフトウェアが組み込まれたAIBOが1999年に製品として発売された。更に、音楽により操縦するモードが実装され、操作する楽しみも提供することとなった。

AIBOにはCCDカメラ、マイク、スピーカだけでなく、ロボットの動きを感知する加速度センサや、ユーザがロボットに触れたこと感知する感圧センサが搭載されている。

おわりに

AIBOは当時の価格で25万円と玩具として高価であったにも関わらず、日本向け3000体が僅か20分で完売となった。同年に増産が決定されるなど大きな反響であった。今後は応用ソフトの開発や、低価格化、様々な遊び方の提供を考えている。

論文を読んで

個人的にはAIBOの尻尾がアンテナになっているところが可愛いなと思います。AIBOが大きな反響を呼んだのは、その可愛さや新しさだけでなく、人々のロボットへの期待を反映したものではないかと思います。その後の生産終了、修理対応の打ち切り、再登場と波乱のロボット人生を歩むAIBOが、当初どのような着想から開発されたのか知ることができました。

試作機のAIBOもなかなか可愛いかったです。一点、論文の画像を引用しましたが、権利的に問題があればすぐ消します。


いかがでしたか。このように定期的に論文を紹介します。フォローの方よろしくお願いします。

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毎日論文チャレンジです。工学系の大学院生をしています。勉強のためにも毎日論文を読もうと決めました。その日に読んだ論文を簡単にまとめて紹介していきたいと思います。

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