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【感想】必殺! 恐竜神父

2017年 アメリカ・中国?
監督 ブレンダン・スティア
出演 アリッサ・ケンピンスキー
   グレッグ・コーハン
   クレア・ス

あらすじ

神父のダグは目の前で両親が爆殺されたことに心を痛め、その傷を癒すために中国へと旅行する。そこで謎の忍者に殺された女性から、恐竜の牙の化石を受け取った。その牙には、なんと人間を恐竜へと変身させる恐るべきパワーが秘められていたのだ。
凄まじいパワーをもつ恐竜人間となってしまったことに戸惑うダグ。しかし、娼婦であるキャロルを助けたことをきっかけに、正義のため、悪人殺しを始めることを決意するのだった……。
デタラメ忍者にアーメンダブツ! ツッコミ不在のスーパーZ級映画。

感想

もうね、あらすじだけでお腹いっぱいだと思うんですけど、聞いてください。

まず、出だしですよ。両親が爆殺されるシーン。爆発音が鳴り響き、吹っ飛ばされるダグ。顔を上げた視線の先には、パチパチという環境音と共に、『特殊効果 炎上する車』の文字が浮かんでる。

この時点で、あぁ、この映画ただものじゃないなって分かりますよね。そのあと中国へ行く、ってあらすじには書いてあるんだけど、あからさまにその辺の林なの。それをクソデカフォントで『CHINA』と表示させることで、もう無理矢理ここを中国として見てくださいね、って視聴者側に強制させる。やばいでしょ?

その後の展開も珍妙奇天烈。中国なのに忍者? という普通の疑問さえ浮かばないくらいにめちゃくちゃなんです。でもね、悔しいんだけど死ぬほど面白かった。

笑えるシーンは、それこそ山のようにありました。腕だけ恐竜に変身するんだけど明らかに手袋だったりとか、なんの伏線もなく『兄弟』と漢字で書かれた鉢巻をつけて出てくるキャラが本当に主人公の弟だったりするとことか、ヒロインが特になんの理由づけもなくめっちゃ強いところとか。

笑いのセンスがいいわけじゃないんだよ。むしろナンセンス。ここ、コメディですよってシーンはあるんだけど、そっちはあんまり面白くなくて、だからこそ、本来笑うように作られてないシーンが光り輝く感じです。

低予算映画にありがちなテンポの悪さが無かったってのも面白かった大きな要因かもしれない。途中何故か、先輩神父がベトナム戦争に行ってた時の話に飛んだりするんだけど、そこも含めて全体的にハイスピードでお話が進んでいくので飽きがこなかった。71分という短さもいいよね。

あとは、2018年の映画にしては流石に手作り感満載で、おそらくわざと昔の低予算っぽく演出してるな、ってところは何ヶ所かありました。ただ、マジで意味がわからない演出も同じくらいの量あって、これおふざけで作ってるのかマジなのか、本当に分かりません。その雰囲気を狙って出してるんなら天才だと思いますが、おそらく偶然でしょう。

一つだけ要注意なのは、この作品Amazonレビューで⭐︎4.2(かの名作『ニュー・シネマ・パラダイス』は⭐︎4.1です)という異常な高得点を叩き出してるんですけど、それはあくまで普段から映画をよく見る人が「なんだこれ!? 独特すぎて芸術点たけーわ!」というノリでつけた点数だというところ。冷静になって考えてみてください。だって神父が恐竜で中国忍者にアーメンダブツだよ。B級映画慣れしてない一般の方は、おとなしく『ニュー・シネマ・パラダイス』を見ることをお勧めします。

まとめ。明らかに着ぐるみの恐竜に心を許せる人だけが楽しめる、B級映画の試金石みたいな映画、です。

以上、今日は特にお疲れ様でした。夢に出てきそう。

視聴:アマプラ

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