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釣った魚に餌をやらないどころか、つつき回して弱らせるオットのえげつないやり方~トラウマになった新婚旅行


新婚旅行は楽しみだった。

海外にはめったに行けないし、子供が生まれたらしばらくは旅行もできないよ、と周りにも言われていたから。



乗り継ぎの成田に行くための便を待つために、朝早くに地元の空港にいた。


そこで私はやってしまった。

仕方ない、仕方のないことなのだけれども…女子特有のものが来てしまった。


あぁ!結婚式までは、すごく気をつかっていたのに。
旅行までに三日間もあったから、おそらく気が抜けたのだろう。


私は生理痛がひどかった。
時には痛みのあまり、失神してしまうこともあったぐらいに。
オットも私の生理痛の大変さは知っているから、余計な心配をかけてしまうだろうか。

せっかくの新婚旅行なのに。


それでもオットに言うしかなかった。
「ごめん、生理になりました。」と。


その瞬間、オットの目が三角になった。




成田に向かう飛行機の中は、生きた心地がしなかった。

延々と舌打ちやら溜め息やらをつかれた。

心配どころか、

こんな大事な時にそんなもんになりやがって‼️

とでも思われたらしい。



成田での乗り継ぎの待ち時間は六時間以上もあった。


その間どうする?って前に話していた時には、「どこかお店にでも入って時間をつぶそうね。」ってことだったけれど、オットは成田に着いた途端、なにも言わずにふいっとどこかに行ってしまった。

体調不良の私をひとり、置き去りにして。



その頃携帯もなかった私はどうしていいのかわからず、その場を離れることもできずに、近くのベンチに座ったまま待つことになってしまった。

最初は、気がすんだら戻ってくるだろうと思っていたけれど、いつ戻ってくるかわからないオットをひとりで待つ時間は果てしなく思えた。

痛みのあまり、その場に横になりたいのを我慢して、ひたすら座って待っていた。

後にも先にも、あんなに人に待たされたことはない。



乗る予定の便の搭乗手続きが始まる30分前ぐらいにオットは戻ってきたが、私の前を通りすぎ、向こうの方のベンチに座った。

私はオットのもとに行くべきかどうか迷ったが、無視されているのは確実だったので、こちらも気づかないふりをして下を向いて座っていた。

とてもみじめで泣きたい気分だった。


搭乗手続きが始まって、ようやくオットが私の前に来た。

そしてひとこと
「で?どうするんだ?」と聞いた。


すぐには言葉の意味が飲み込めなかったが、新婚旅行に行かないという選択肢を…この人は提示しているのか…とわかると、怖くなった。

体調ももうギリギリで、考える気力もなかったが、「行く…。」とようやく声を絞り出した。

オットは「行くならもうケンカはやめよう」と穏やかに言った。



あの頃「成田離婚」という言葉が流行っていたが、あれは新婚旅行から帰ってきてからの離婚のことだった。

新婚旅行に行く前の…成田離婚は聞いたことがない。

一方的に怒って置き去りにしたくせに、ケンカはやめようと言われたのには納得がいかなかったが、まぁそれも我慢した。

せっかくの新婚旅行なのだからと。

だが、新婚旅行中も私はひどい扱いを受けることになったのである。



ハネムーンのツアーだったので、一緒に行動するのはみんな新婚のラブラブカップル❣️
その中で、私たちだけが妙に落ち着いた、ろくに口もきかなくなった熟年夫婦みたいだった。

現地の添乗員さんは日本人の若い女の子で、手際よく次から次へとカップルの写真を撮っていた。

私たちの番になった時、「もっとくっついてください。」と言われ、私が近づこうとしたら、

「俺たちはいいから!それよりも、撮ってあげますよ❗」

と言って、なぜか添乗員さんに無理やりポーズをとらせ、写真を撮ってあげている謎のオットがいた。


「こんな新婚ばっかりに囲まれて、やってられませんよねぇ?」

と、しきりに彼女の気を引こうとしていた。


なんなんだろう?この人は!
新婚旅行でさえ、妻をないがしろにするのか⁉️



楽しそうなカップルたちを横目で見ながら、早く実家に帰りたい!と思っていた。

周りが新婚ばかりじゃなければ、あれほどまでに寂しくはなかったのかな?


ワクワクしながらツアーに申し込んだ、数ヶ月前の私がバカみたいに思えた。


こんな惨めな思いをさせられるとも知らずに。




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