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DXがうまくいかない理由

たく

SIer視点でDXを考えた話。


DXという言葉をご存じだろうか。
普段ITに接することのない方のために説明すると、これは「デジタルトランスフォーメーション」と読み、「ITの浸透による生活の向上」を意味する。

が、実際ビジネスの場面ではそのような使い方をされることはあまりなく、僕がよく聞く定義では「IT技術により既存ビジネスにレバレッジを利かせたり、まったく新しいビジネスモデルを作り上げること」となっている。

IT業界ではこのワードは流行りを超えて「やらねばならない命題」となっているのだが、それは2018年に経済産業省が発表した『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』に書かれた内容がIT業界に危機感を感じさせるものだったからだ。

この内容について書くと長くなるのでかいつまんで述べると、「2025年までに既存の古いシステムへの投資を行うやり方からビジネスに直結するようなIT投資をして技術革新しないと国として損失がやばいし世界においてかれるぞ」という内容だ。

そんなわけでDXというのは国内企業の大きな課題として突如として立ちはだかることとなった。

ちなみにDXの具体例を述べていくと、
某運送会社では、輸送トラックにIoT機器を取り付け運送車両そのものやタイヤの故障までのリードタイムのデータを収集した。そして手に入れたデータをもとに故障まで間もない車両の修理のタイミングやタイヤ交換のタイミングを適切なタイミングで行うことができるようになり、事故の予防となるだけでなく運用負荷軽減を実現し、大幅なコストカットとビジネススピードの向上を実現することができた。

また、もっと簡単な例だと無人コンビニはDXによる既存ビジネスの強化のいい例である。

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前置きが長くなったのでそろそろ本題に入ろうと思うが、2020年も中ごろとなった現在このDXがうまくいっている企業は稀だ。

その理由としては一般的に以下が考えられている。
①ビジネス強化のアイデアを出し、それを実行するという命題がそもそも難しい
②既存のレガシーシステムのお守りで精いっぱい
③保守などの技術的投資が定期的に発生するため攻めた投資ができない

上記に関してはとても分かりやすい。
DXにはITへの投資とビジネス開拓への投資がダブルで必要となるため、そもそも投資をする余裕がないような企業に限って言えば当然ともいえる。


では潤沢な資金がある企業に関してはどうか。


実はこっちはこっちで上手くいっていないケースがかなり多い。
上記の理屈でいえば投資と人的リソースがあればできそうなものであるが、悲惨な例としてある企業はAIを駆使したDXを行うために何十億もの投資を行い多くのAI技術者を雇ったはいいが、いまだにその回収ができていないらしい(どういった回収プランだったか具体的に聞いているわけではないので明確に失敗とは言えないが。。)。

こういった資金力がある企業がDXに失敗する理由だが、実際に見聞きして以下が大きな原因だと感じる。





それは、DXのための「体制づくり」がおろそかになっていることだ。



具体的にどういうことか。ITという事柄が絡む関係上、DXのハンドルを握るのは往々にして情報システム部となる。しかしここから間違っているケースが多く、なぜかというと情報システム部の主な役割は存在している社内システムの維持を行い業務ストップをさせないことだ。

ここでDXの定義を思い出してほしい。
DXとは「IT技術により既存ビジネスにレバレッジを利かせたり、まったく新しいビジネスモデルを作り上げること」である。



そう、根本的に情報システム部が得意としている分野のノウハウとは真逆のことを求められてしまっているのだ。

そうして多くのDX担当者は「ITはわかるけど何をしたらいいのかわからない。。」の状態になってしまい、なまじ予算が多い分手探りの投資に陥ってしまうケースが多いのだ。



ではそのような企業はどうしたらよいか。
結論から言うとDX専門の部署、または関連会社を立ち上げてしまい、独立した動きをさせることが良いと考える。

あくまで情報システム部は主体とするのではなく、そのビジネスアイデアの実現のために既存システムとの兼ね合いなどについて意見を出し、連携を図っていくのが良いだろう。

実例として、某メーカーは本社でもともとビジネス創出に関わっていたメンバーと情報子会社のメンバー、そして外部のDXコンサルをメンバーとして加えた関連会社を設立し一定の成果を上げていた。


DXという言葉に踊らされるのではなく、「何のためにDXを行っていくか」を一度明確にしてから必要な事柄を整理していくことが必要だろう。


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たく
好きな動物はアザラシ。 座右の銘は「長い物には巻かれろ」。 スタンド名は「ウェルカム・トゥ・ザ・ブラックパレード」。