作文・レポートの書き方

 DACで小説を書いている黒崎きつねです。
 学生時代、いやというほど文章を書かされた。特に大学では、ほぼ同時期に複数のレポートを課されるのは当たり前だった。800字なら楽な方だ。1000字程度が平均的で、たまにA4三枚分(3000字以上)という条件も出される。卒業論文は最低二万字という桁違いの字数を求められた。
 国語が得意だったわけではないが、大学時代、文章には定評があった。卒論で指定の三倍ほどの量を書いた、オレなりのやり方をここに記す。少しでも役に立てば幸いである。
 紙を出し(またはワードを立ち上げ)、まず行うのは軽いメモだ。いきなり文章を書くことはしない。

手順①三段階にわけたメモ
・はじめ
・中身
・おわり
などと、小分けにしておくといい。ただ箇条書きした場合、どこにどの情報があるか混乱してしまうからだ。

手順②テーマから連想されるワードや自分の意見を書き出す
・はじめ
○○○○、★★★、◇◇◇
・中身
○○、★★、◇
・おわり
◇◇、★、〇
こうして、ある程度どのタイミングに使うかを割り振っておくと後が楽だ。

手順③本文
メモを元にコピーペーストしながら繋げたり、付け加えたり、削除したりして文章を整える。手書きなら使ったワードは線や丸で印をつけておくといい。

 ざっとした流れは上記の通りだ。
 さらに、内容の詳細についてコツを少し書いておこう。例題として、夏休み課題の定番「読書感想文」を挙げてみる。
 冒頭は短めに書くのがよいだろう。読んだ本のタイトルの他に、選んだ理由や簡単なあらすじ、シリーズものならどの部分なのか、読む前に「タイトルを見てこんな話かな?」と予想して「読んでみたらこうだった」などと付け加えてみてはどうだろうか。
 冒頭の常套句「私が読んだのは○○だ」を少し変えてみるのも手だ。「読んだ」を「手に取った」といったように、表現を工夫するだけで印象が違って見える。
 中身に当たる部分は、印象に残ったシーンに対して思ったことを書くのが常だ。そのまま感想を述べるのもいいが、「自分ならこうする」と自分の視点を入れてみてもよい。また、本文を「」つけて引用すると、字数が稼げる。
 さらに言えば、印象に残った場面を複数挙げる場合や、登場人物の好きなところを書く際には、順序を明確にすると文がすっきりする。例えばこうだ。

○○な理由は三つある。
一つ目は、○○
二つ目は、○○
三つ目は、○○

他にも、文頭に「まず」「次に」「さらに」「そして」「最後に」とつけると、読みやすい印象を受ける。
 シメの文には、「ぜひ読んでみてほしい」などと勧めたり、「あなたはどう思う?」と問いかけたり、自分の意見をまとめるのがいいと思う。
 最後に、言葉のチョイスについて述べておく。小説でも使う技法だ。あまり語彙力のある方ではないが、一例として挙げてみる。

 「見た」・・・目についた、視界に入った、目が捉えた
 「言った」・・・呟いた、口を開いた
 「思った」・・・考えた、感じた、気がついた
「驚いた」・・・腰を抜かした、息をのんだ

 このように、同じような意味を持つものをいろんな言葉で言い換えると、表現に幅が出る。
 作文やレポートに、必ずしもこうでなくてはならないというやり方はない。自分らしさとわかりやすさが鍵になる。偉そうに一例として書いてみたが、一つでも参考になっただろうか。なっていたら書いた甲斐があったというものだ。

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