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葬頭河総務係補佐

 三途の川は広い。留吉が泳いで渡ろうとすると般若の顔で渡し守が飛んできた。

「ちょっと! ちゃんと船に乗る!」

「どうせ順番待ちだしいいじゃん。俺、前世が病弱でさあ、いますごく健康」

「マニュアル通りにしろ。さもないと石積み送りだ」渡し守は川辺で手を動かす少年少女を指さした。賽の河原。親より先に死んだ罰で石を積むが、積まれた石は鬼が破壊していく。

「あいつらが反乱起こしたらどうするんだろうね。石って痛いぞ」

「おだまり! さてお前の来世だが……ミミズか」渡し守は書類をめくる。

「ウソだろ、どうにかならないのか! なんでもするから!」

「おだまり! そういうのは大王の仕事だ。一介の渡し守にはどうにもならん……あ」渡し守は河原を指さした。少年少女はせっせと仕事する。

「あの河原は定期的に鬼が寄るが、鬼って裸足だろう? 石が足の裏に刺さって痛いって苦情が多いんだ。それを減らしたい」

「まずそんな制度やめろよ」

【続く】

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