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良いことは二度起きる(20210903)

いつもお世話になっております、復路鵜です。本日は雑報をいくつか書きます。

逆噴射ワークショップで奨励賞を頂きました

真の男である逆噴射聡一郎先生に己の小説を添削して頂くワークショップ。こちらの奨励賞に自作『ハーベスターの二つ星』を選んでいただきました。

『ハーベスターの二つ星』はこちらから閲覧できます(第一話掲載中、無料です)。

数多くの作品の中から自作を奨励賞として選出して頂けるのは非常に光栄です。しかし作品を褒めてもらえましたが、特にメイクサクセスして500000000000000万ドル稼いだわけではないので気が抜けません。

例えば『テスカトリポカ』という佐藤究さんの小説があります。メキシコ人や日本人の悪党が活躍する作品です。そこにはバルミロというメキシコ人が登場しますが、彼は麻薬組織のトップに上り詰めたものの、ドローンで家とか家族を爆破されて文無しからリスタートします。組織のトップでさえ座を追い立てられる。MEXICO……荒廃した土地においては、常にドローンとか古代アステカ文明を信奉するサイコパス、飢えた犬、シャッガンで武装したシカリオから付け狙われます。MEXICOでも日本のKAWASAKIでも危険性は変わりません。小説業界も同様であり、一度認められたからといってのほほんとしていては、コヨーテの餌になること必至……ということで続きをモリモリ書いて完成させたいです。

しかしちょっとサクセスなのは事実なので、今度お祝いにメキシコ料理を作りたいです。ナチョスも食べたいですね。

そして10月には逆噴射小説大賞2021(ブレードランナー2049を彷彿とさせる)が始まります。まだレギュレーションも発表されていません。参加希望の人間としては、いつどんなものが来ても対応できるように書けるネタを増やしていきたいですね。もっと知らない映画とかマンガとか読んで幅を広くしたいです。


白蔵主さん主催『風景画杯』で自作を取り上げて頂きました

白蔵主さん主催の小説コンテスト『風景画杯』が完結し、講評記事が書かれました。

自作『トーンダウン・メテオノール』を取り上げていただきました。ありがたや……褒められると飛び上がっちゃう人間なので、非常に嬉しいです。しかも全作講評。マジでスゴイし、講評を読んで元の作品を見に行きたくなりますね。

私の作品は、他の参加者のように日常に胡乱さを取り入れたとか、エンタメを人生にうまく濾過したものでなく、マジで「男が自転車で仕事場に行って仕事して買い物して帰る」ぐらいのあらすじしか書けない小説です。心理描写と風景描写で23,000字を追加したので、実質通勤小説です。

この作品では、主人公の沙口(さぐち)が延々と自転車で通勤しているわけですが、作品には作者の実体験や個人談が多分に含まれています。しかし、フィクションとしてもり立てるにあたり、かなり誇張したり、マイナスしたところもあります。結果的にノンフィクションっぽいフィクションになりました。でも人間存在としての強度が強すぎる、とレビューして頂けて、かなり嬉しいです。ふへへ。

沙口は様々なことに悩みを抱えていますが、悩みの一つである〈プロフェッショナルに対する苦手意識〉については、別な本で解決策のひとつが明示されていました。ちょっとご紹介します。

自作品ではこの部分です。

沙口は責任という言葉が29歳になる今でも苦手だし、同じぐらいプロとかプロフェッショナルという言葉も苦手だ。

解法のひとつが、坂口恭平『躁鬱大学』新潮社、2021 にありましたので、引用します。167頁です。

 もちろん宮崎駿さんにはなんの罪もありません。でも、彼の姿を見るたびにいつも、自分はアニメ一筋になって生きることもできない、パソコンなんかなくても鉛筆一本で表現できるわけでもない、自然も知らない僕は人間失格だ、とまで感じてしまう。
 皆さんからしたら、「そこまで感じなくてもいいのでは?」と思われるかもしれません。でも、僕はずっとこの道ひとすじでやってきた頑固おやじみたいな人を見て、完全に自信を失ってしまっていたのです。
 そんなときにこのカンダバシの言葉を見つけました。
「『この道一筋』は身に合いません」
(引用者注:カンダバシさんの言葉とは、精神科医の神田橋條治さんが口述された『神田橋語録』を指します。ネット上にPDFファイルがあります)

「宮崎駿のように、ガチンコで同じ仕事をし続ける、職人として生活し続けることができない」という意見に対して、「追求し続けなくても別によくて、広く浅く生きてもよい」というお話です。私はこの道一本で生きていけてるわけではないので、だいぶ思うところがあったため、面白く読みました。

他のパートも面白いです。興味がある方がいらっしゃったら、ぜひ読んでください。

重ね重ね、すばらしい企画を立ててくださった白蔵主さまに感謝いたします。本当にありがとうございました。

ということで、さまざまなよいことがあった8月でした。9月には反動がやってきそうな気もしますが、人生は長いので、マラソンしながらやっていきたいです。

《終わり》

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