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逆噴射小説大賞2020、自作品サーベイその他

逆噴射小説大賞2020、投稿期間が終了しました。現在はチェック期間です。


参加者、読者、そして主催である逆噴射聡一郎先生とダイハードテイルズ局員の方々、この機会を設けてくださりありがとうございました。

ちなみに私の場合ですが、投稿期間は終わったのですが、この【冒頭800字】を完成させないといけないので、休みはそこそこにして続きを書いていきます。

私は五作投稿しましたが、作品の発想元など記したいと思います。

自作ステータス

かなりスッと出てきた作品でした。ゲームの設定は『血界戦線』に出てくる異界のボードゲームから来たと思います。

「僕」のモチーフは二作品からやってきています。『りゅうおうのおしごと!』という将棋小説と、『未生』という、かつてプロの囲碁プレイヤーを目指して負けて無職になったので、サラリーマンになって生活をサバイバルしようとする会社員漫画からやってきました。どちらかというと『未生』が近いですね。

字数制限によって本文から削りましたが、「僕」は将棋で負け過ぎて奨励会(将棋のプロを目指す者たちの集団、進級資格を達しないまま一定の年齢に達すると退会させられる)を追放された人間です。


とにかく声優を出したかったところから生じた作品です。ジャンル:お仕事物としては初の試みです。着想元を考えてみたら、大塚明夫さんの『声優魂』でした。

本では、とにかく仕事がない・潰しが効かない・売り込みができない、というどうにもならない世界である声優について描かれており、この世界を自分なりに解釈したかったのだと思います。

主人公であるチバは売れていない人間であり、おそらく社会において勝ち目が少ない人間です。そうした人々に自分の色をつけて、多少とも読み物として連載できないか、という試みが本作です(若干、本に引きずられているので、もう少し距離を離したいです)。

タイトルは長谷敏司さんの『あなたのための物語』からインスパイアされました。


二回書き直しています。着手当初は「フマがアシュへ喧嘩を売りに行くがノーム討伐を依頼される」という方式だったのですが、物語が走らないので修正しました。ヤクザ、エルフ、ドワーフがスッと出るところはやや手癖っぽいですが、【冒頭800字】で登場人物の半分が死んでますね……

タイトルは最後まで悩みました。別な候補としては『亡骸を拾い集めて積む稼業』でしたが、「あえて動詞を増やしたほうが、タイトルの読み飛ばしが減るだろうか……」と逆張りした形になります。

「復讐者」は主人公として考えやすいイメージなので、今回は「復讐される者」を主人公にして、スポットを入れてみたいと思いました。どう展開できるか、私も楽しみな作品です。ダークドワーフとかダークノームとか出したいですね。

とても映画的な作品です。どちらかというとスッと出てきた作品で、あまり気負わずに書けた印象があります(ちょっとキャラクターが紋切り型っぽいのがアレですが)。

焦点としては「最初に取り返しのつかない致命的なミスを犯す」を描きたかったことがあります。配偶者を殺してしまうとか、大事業をライバルに取られるとかの、数十年に渡って己を苛むミスです。どう展開しても良いようにジャンルレス、フリースタイルに作りましたが、もっと詰めた方がいいかな、とも思う作品。難しい。


五本目まで来ると難産で、全面リテイクの作品もいくらかあります。自分に課したハードルは「この書き方でnoteで連載できるか?」で、まずハードルを越えるのが至難の業でした。

第一に出したかったのはゲーム的な面白さだと思います。DORUAGAの塔……風来のSiren……Genshin Impact……ゲームは動いてナンボですが、楽しさのひとつに探索があります。今回は《バベル》の塔を上へ行かせることで未知さを出せると思いました。ちょっと最後の部分が取ってつけた感があった気もしますが、これは続きでフォローしていきたいです。

完結を望む

投稿が一息ついたので他の作品もちょっとずつ読んでいますが、やはり面白いです。【冒頭800字】で始まる文章なのに、SFあり、百合あり、童話ありと、私には書けない文章を大勢の方が書いてらっしゃいます。700作以上。読書には困らない量です。

そして改めて強調したいところですが、あなたが書いた作品はあなたにしか完結させられません。完結させられるのはあなただけの特権です。

なので、【冒頭800字】を作られたなら、ぜひ続きを書いて欲しい。作品を作って世に放流すれば、それで救われる方がいます(私も何度か命を救われました)。新人賞に投稿するなり、自費出版に行くのも選択肢の一つです。しくじって人気が出なくても、特に人気がないだけで、あなたは軽んじられたわけでも、失敗者になったわけでもありません。完結させることで作品は武器となり、「こんな作品を書いたんです」と人に言うこともできます。

メリットは多く、デメリットはありません。疲れて落ち込んでも、ドリトスやご飯、一汁三菜を食べて隣人と語り合い、映画を観て八時間眠れば気分も良くなることでしょう。そしてエネルギーを補充して新作を書いて欲しい。

私も投稿された作品をちょこちょこ読んでいるので、いずれ自薦ピックアップもしたいです。二次選考発表前に書ければ、先見の明があると読者にアピールできる……!(ピックアップはそんな用途で作るものではない)

まとめ

私は初回から参加しているので、今回で三回目です。一回目、二回目は無我夢中で作っていたので、今回はゴール地点を設けました。「ここから連載していける冒頭800字を作る」、「奇抜さ・ドライブさに集中しすぎず、先をきちんと作れる作品を書く」、「手癖としてストーリーばかりにフォーカスしてしまうので、キレのいいキャラクターを作る」の三つです。三番目のゴールは達成できたかちょっと怪しいですが、それなりにやっていける作品を作れたかな……とおおむね満足です。

二次選考には三作、いや二作入れれば最善だな……と思っています。実際どうなるかわかりませんが、落ちても泣かない。もしファイナリストになれれば逆噴射先生のコメントを頂けるので、そちらも注意深く見守りたいと思います。そして私達は頑張って書かなければならないし、別に頑張らなくても書けるので、どんどん完結させてほしい……noteや世界の荒海をサバイブしながら、創作を楽しんで欲しいです。あと、健やかで、余裕を持ち、本とかゲーム、漫画や映画、アウトドアも楽しんで欲しい……

《終わり》

Photo by felix berger on Unsplash

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