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【レビュー】ポヤトスも指摘した新潟の問題点~J2第30節 アルビレックス新潟vs徳島ヴォルティス~

スタメン

ポヤトスも指摘。新潟の問題点。

--5バックの狙いは?
そこはサイドの相手、新潟のSBを引き出したかったと同時に、CBは持ったときには良いプレーをするが、横浜FC、東京V、岡山戦などを分析したら、センタリングの対処に問題があると思い、SBを引き出して、2トップをぶつけて2対2を狙いました。

J2第30節vs徳島ヴォルティス ポヤトス監督試合後インタビュー

もはやvs新潟の攻略方法の定石となってしまったクロスの部分。

前々回の岡山戦で新潟のクロス対応の何がよくないのか詳しく書いたのでここでは詳しく書きませんが、この試合でもCBが一枚釣り出されて中がCBとSBのみになってSBの方にデカいFWぶつけられて失点という岡山戦と同じ失点の仕方を繰り返す形に。

5:20'~

多分おそらく今後新潟に対してWB(SB)が新潟のSB釣り出して空いたスペースに一人走らせてCBを釣り出して、新潟の中がCBとSB2枚になって、逆サイドのSBの方にデカいFWぶつけるというのは今後も流行るでしょう。

直接相手監督に指摘されてしまいましたが、今シーズン通していまだに改善されていないこの課題をどのように改善するのか実物。

徳島の鍵になった一美の守備。消された新潟の右サイド。

徳島は普段4-1-4-1での守備。前回対戦ではそれを4-4-2に変えて、今回の対戦では5-2-1-2のような形に変えてきた。

Q:「新潟さんの良さを消す狙い」についてもう少し詳しく教えてください。具体的には守備時に5バックにすることでサイド攻撃を防ぐという狙いがあったのでしょうか?
「新潟さんのサイドバックを引っ張り出したかったのと同時に、新潟さんのCBの選手はボールを持った時にはすごくいいプレーをしますが、横浜FCや東京V、岡山との試合を含めて分析したところ、サイドからのクロスにおいてのディフェンス面での対処の仕方で少し隙があると感じ、サイドバックを引き出して2人のCBと2トップをぶつけてゴールを目指していました」

徳島ヴォルティスオフィシャルサイト試合後インタビュー

このコメントからわかるようにこのシステムチェンジの理由は守備というよりは主に攻撃のためだったことが分かる。

--ウイングの役割で意識したことは。
攻撃ではゴール前にアグレッシブに顔を出すこと。守備は高い位置からのプレッシングは準備してきたので、そこでダメージを与えられたかなと思います。

J2第30節vs徳島ヴォルティス 新井直人選手試合後インタビュー

新井の試合後インタビューの通り徳島は試合開始の序盤右WBの新井が積極的に前に出て押し込む形でプレスをかけてきた。

それに対してゴメスは高い位置を取ることで右の新井が前に出てこれなくなり、左はゴメス、右は松田が幅を取る形でWBが前に出てこない状況を作った。

左はSBのゴメスが高い位置で幅を取り、伊藤が中に入り、右サイドでは松田と藤原が幅を取る左右非対称な形。

その中で徳島の守備のポイントとなったのがこの試合2得点をあげた一美

右サイド(徳島の左サイド)で数的不利になっており、左WBの浜下が松田によって前に出てこれない状況中、一美が1人で新潟のCBとSBを見て、新潟に優位な状況を作らせなかった。

一美が相手のSBまで見てくれる分徳島の後ろは遅れてスライドして前に出る必要がなく、新潟としては中々右サイドだけで相手を動かして崩す状況が作れなかった。

「ビルドアップの入口についてみんなでゲームの中で答えを出せればよかったですけど、前半はなかなかうまく適応できなかった。そこが、未熟なところでもあります」

サッカーマガジン 堀米選手 試合後インタビュー

おそらくビルドアップの出口の話だとは思いますが、チームとして中々答えが出せなかった模様。

藤原のところだったり、相手のボランチがボールサイドに目一杯スライドしてくれる分逆サイドのボランチ脇がぽっかり空いて、5,6回いい形で左右にボールを動かして縦パスをつけれてましたが、チームとして共通認識は持ててなかった模様。

新潟としては徳島の隙をつくことができず、徳島としてはダブルボランチの運動量だったり、この試合65分でつってしまうくらい守備の部分で奮闘して走った一美の部分がこの試合を握る前半の鍵だったと思う。

後半になって完璧になった徳島の守備

後半になって新潟はゴメスが高い位置ではなく、前半より低い位置でポジションを取るようになると、徳島も右WBの新井が前に出てきて圧をかけてくる形に。

前半は中央にいる鈴木孝司、高木、星、伊藤をボランチが捕まえ切れずたびたびフリーになる状況が起きていたが、後半になってから徳島のCB陣がDFラインをコンパクトにしつつボランチが捕まえ切れないところをカバーして縦パスをシャットアウト。

後半になって一切隙がなくなった徳島は新潟の1回目の交代が行われるまでの約15分間一度しか徳島陣地内で新潟に自由で前向きにプレーすることを許さなかった。

なぜ同点にできたのか?試合の流れを変えたシマブク&小見の投入

後半になって一切隙がなくなった徳島の守備だったが状況を一変させたのが新潟のシマブクと小見の投入。

60:40'~ 最初の2枚替えの直後のシーン

伊藤に代わって入った小見は伊藤と違ってワイドにポジションを取るようになった結果、先程までゴメスにプレッシャーをかけることができていた新井が前に出れない状況になり、ボランチがスライドして相手のSBまでプレッシャーをかけなければいけない状況に。

その後一美の交代やシマブクの積極的な裏抜け、チーム全体の運動量が下がり、DFラインも上げられない状況になり、WBが前に出てこれない状況に対して、前3枚のうち2枚の両ワイド下がって後ろに重たい5-4-1で対応することに。

結果後半の最初の15分と打って変わって押し込まれる展開が作られ新潟に2点セットプレーとクロスから得点することになった。

VS栃木SC展望

1失点目も岡山戦の2失点目と同じパターンでやられてしまったが、それよりもクロスのところは何より深刻。

次の栃木も5バックかつ前には矢野貴章(187cm)、宮崎(184cm)とゴリゴリのパワー系FWがいて、183cmの根本も前にはいる。

CBのセンタリングの対応、そしてSBにデカいFWぶつけられる問題をどう対処するのか。

徳島戦では伊藤高木併存システムでゴメスが低い位置で起点になろうとするとWBに押し込まれて潰されるという課題が見えたが、運よく次節は高木が出場停止。いかに相手のWBを高い位置で守備をさせないかが一つポイントにはなってきそう。

代わりに入る選手として日曜日のTMでハットトリックをしたキングケン(矢村)を個人的に期待したい。

鈴木孝司が降りてきてCBを釣り出して空けるスペースに1.5列目から裏に抜け出せる選手として新たなタイプの選手となるか。

日曜日の富山戦も栃木同様5バック(3バック)の相手だったので色々とイメージしやすい部分はあったのではないかと思う。

結構出るメンバーも変わりそうな気がしていて楽しみです。

結果

明治安田生命J2リーグ 
第30節2022年8月6日(土)18:04KOデンカビッグスワンスタジアム
アルビレックス新潟 2 vs 2 徳島ヴォルティス
78'藤原 奏哉  17'一美 和成
85'堀米 悠斗 58'一美 和成



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