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ユニークな木 ユーカリ

〜ユーカリのお仕事のこと〜

日本では珍しいユーカリ材と静岡の地場産業の家具づくりの技を活かして主に屋外用木製品の企画製造施工をする会社を運営しています。

多くの方は”ユーカリ”と聞くと”コアラが食べる葉っぱでしょ?”とおっしゃいます。その種類は約850、約6000万年前に現在のオーストラリア大陸に誕生した木なのです! 私たちの生活の中にも多岐に渡り利用されているユーカリ(ポポラスベリーや丸葉ユーカリとして人気上昇中の花材、虫除けシール、のど飴、紙の原料等)が大変ユニークな木だ、ということを少しだけ知っていただけたら嬉しいな、と思います。

ユーカリとはギリシャ語で、よく(Eu)包まれている(calyptus)という意味です。ユーカリの種(ガムナッツ)は数千度の森林火災(ブッシュファイア)により硬い木質の殻が焼け、中の小さな種が火の刺激により発芽します。

ユーカリの成長には”火”が欠かせません。枝葉には揮発性の油分が含まれており自身を焼いて細胞を活性化させるという荒技を繰り返し100年の歳月をかけて成長します。私の会社で使うユーカリ材には火災による炭化した黒い層が含まれていますが、これは過酷な自然環境の中で100年間生き抜いた証でもあります。

苦労をして成長したユーカリ材は水ほど重く、堅牢でしなやか、その材に含まれる成分により薬品処理をせずとも何十年も使えます。私のところには屋外で20年以上、故郷オーストラリアでは100年以上経過した木橋などが数多く残っています。

こうしたユーカリに魅了され20年あまりが経ちます。当初は実績も認知度もなく、その可能性も見当がつかずにユーカリ材と家具の技を信じて、ただひたすら前に向かって進むしかありませんでした。堅牢な素材ゆえに職人泣かせで日々試行錯誤の連続。しかし振り返ってみれば、私たち(ユーカリと人)を信頼し温かく応援してくださった方々に支えられ今でも飽きずに(!)お付き合いいただいています。大変ありがたく感謝の気持ちでいっぱいです。

ユーカリにすべてをかけた成果と言えるのが、2013年世界遺産に登録された”三保松原 神の道”の約500mの木道。塩害や紫外線、害虫に対抗できるユーカリ材と家具づくりの技を駆使したものです。

ユーカリの花言葉は新生、再生、思い出。

火による刺激で枝葉を伸ばして成長をし、困難を糧に厳しい大地を生き抜く、まさしくユーカリ的人生をこれからも続けられたら幸せだと思います。


http://ecowood.or.jp

エコウッド景観協同組合

代表理事 倉田明紀

静岡からユーカリ 情報発信していきますので今後もサポートどうぞよろしくお願いします!