中年男人的不安與困惑-750x450

「上司が無能なのは、寧ろ幸運で喜ばしい」という感覚

私のTwitterのTLには、上司に悩まされている相互フォローの方が4人も。
奇しくも、今週は日本だと新社会人の方々が1週目を頑張っている真っ最中。

所詮は他人事ですし、詳しい状況を把握している訳では無いので正しく判断出来ているか定かではありません。異国で中間管理職をやってる一介の30歳の戯言、参考になるどころか不快になりブロックしたくなる可能性も十分に考えられる内容ですが、こんな解釈もあるのだなと思っていただければ幸いです。

【無能な上司のせいで、自分はこんなに大変である】

そうですよね、そりゃそうです。この理屈はとても正しいです。
無駄が多く余計な仕事が増える。厳しい・非効率的な手段をとらされる。
「上司がもう少し賢ければ、こんな事にはならなかったのに」
そう思うのは至極当然の流れだと言えます。ですが…

【上司が有能なら、大変な思いをしないのか?(前編)】

ここです。僕が今回、こんな戯言をnoteで投稿した理由ですが

上司が有能なら、今よりもっと忙しく、かつ逃げ場の無い状況にならないか?

とも思うのです。少し話を挟みます。この話は後編に続きます。

【日本の人は、性善説で仕事をしている?】

日本は教育の中に、部活動・スポーツが組み込まれており、特にルールに厳しい国民が(比較的)多いと、日本国籍を捨てて外国人となった今、強く感じています。スポーツの良い点は何かと言えば

・公式ルールが存在している事
・フェアプレーという概念が存在し、賞賛される事
・審判が存在する事

の3点です。
これらに触れている時間が長いせいなのか、自分はもちろんのこと、相手だって反則はしないだろう(してもペナルティがあるだろう)という安心がある。

また同時に、反則を行わず負けたとしても、正々堂々と勝負した事に対し誇りを持ち、かつそれを「よくやった」「試合に負けたが勝負には勝った」と賞賛される事もあり、勝敗<ルール遵守という傾向も見受けられます。

【残念ながらルール・法の形骸化した世界がビジネス】

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最初に言っておきますが、私は反則を肯定するつもりはありません。

しかしながら

「相手が反則した事を証明し、かつそれに対し罰則を与える、“中立の第3者(機関)”が存在しないのであれば、された側は負け続けるだけ」

という現実を前に準備が必要だとは思います。
例えるなら、勝手に人の家に入るのは大抵の国の法律でもアウトです。
でも皆さんだって、戸締りをしますよね。それは何故でしょうか?

簡単な話です。ルール違反を承知で勝手に入ってくる人を防ぐ為です。
身近な生活で出来る心構えなのに、仕事の時に出来ないとはこれ如何に。

【上司が有能なら、大変な思いをしないのか?(後編)】

先述の4名、皆さん所謂ハイスペでして、さぞかし周囲からも「使える奴だ」と高く評価されている事でしょう。そんな自他共に認める人間だからこそ、困った時に率先してパスがきます。当然、全部は処理しきれません。
(もっとも、能力の高さ故こなせてしまう場合もあるのが悩ましいのですが)

上司が無能(=その他上層部からも評価が低い人物)であれば
・指示が二転三転して、仕事になりません
・どう考えても無理な計画です
と、“最初から不可能であった”事を証明するのが可能ですし、その理由で周囲を納得させるのも容易です。
言い方は悪いですが「上手くいかないのはアイツのせい」で話が終わる。

では上司が有能(=その他上層部からの評価が高い人物)ならどうでしょうか?
性善説の話を少し挟みましたが
優れた上司とは、部下に負担をかけないような人格者である
というのは素晴らしい思想ですが、そうじゃない人も少なくありません。

寧ろその4名は将棋の駒でいえば飛車角です。優秀な指し手/上司であればあるほど、効果的に使い倒すでしょう。駒がキツかろうと何だろうと、やろうと思えばやらせられるん力があるんだから。“勝つ為には仕方ない”のだから。

結果、無能上司と同等もしくはそれ以上の難題をふっかけるでしょう。
有能上司は自身の評価(のみ)を上げる為に色々と無茶をして、周囲のことなどお構いなく丸投げです。

では、無能上司と同じ理由で泣きつく事が可能でしょうか?

無理です

・あの人が言うからには、何か理由があるんだよ
・そんな無理な計画を立てるとも思えないな

と「上手くいかないのはアイツのせい」で着地出来ない可能性が出てきて、かわりに「上手くいかないのは、君の実力不足では?」が登場するのです。
上司が変わるだけで、仕事内容は何一つ変わっていなくても。

【上司は有能な方が厄介】

というわけで、上司が無能なら、仮に自分の実力不足で上手くいかなかったとしてもその人に責任押し付けられるし、いざとなれば成り代わりが可能。

一方、上司が有能だと、上司の管理ミスで上手くいかなかったとしても、下が「使えない連中だった」と見做されるリスクがあるのです。
タイトルの通りですが「上司が無能なのってラッキーだ」って思いません?

【スペックが高い人間=仕事が出来る人間なのか?】

こんなのは定義によるんですが、僕は「作業が早く、処理能力が高い」事を「仕事が出来る」とは思えません。(あくまで個人の見解です)

「性能が良く大量に処理できる便利な人」として、どんどん仕事を次から次へと押し付けられて使われているだけなら、コピー機と何が違うでしょう?
私見ですが「あの人は重要な案件抱えてて忙しいから、邪魔しちゃいけない」と、仕事を任せたくても躊躇してしまうような人物を「仕事が出来る」と指すのではないでしょうか。

新卒1年目の新人じゃあるまいし、スペックの高さが仇となって本来自分がこなす必要のない量の処理させられてたり、自分の手に余るような重要な案件を一任されて逃げられないなんて、仕事してるんじゃなくて、仕事させられてるだけですよね。この辺の立ち振る舞いや職場での政治力っていう点で見ると「まだまだ青いな」と思ってしまいます。

【私の場合はどうか】

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僕にも、理不尽に腹を立て、立ち向かっていた時期もありましたが、
ある日言われたんです「部下に楽させる為に雇われる上司がいるか?」と。
悔しいことに、何も返す言葉がありませんでした。

一転して、今の僕は寧ろ、部下の仕事量を減らすように勤めています。
と言うより、彼らの勤務日数を平均週4日に収める事が、公約みたいなものでして。私は日本生まれ日本育ちの黄色人種です。移民として、名誉●●人といった感覚で、国籍こそ欧州にありますが、外様もいいところ。
そんな私が現地民を差し置いて上司として振る舞うのは、日本の企業の支社であれば周囲も納得するでしょう。しかし私は現地企業や現地の政府機関で働いているのです。「なんで外部からやってきた人間の言う事聞かなきゃならねーんだ?」という彼等の反発も頷けます。故に、良い上司として在る事を意識して日々を過ごしているし、目に見える形でメリットを享受させる。馬に人参ぶら下げてるだけなんですが、そうしないと乗れないんですよ馬に。

少し救われた気がしました。鞭を打つより飴をあげる事を職務に出来て。

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とはいえ、仮に僕がいま日本で管理職になったら、パワハラとして訴えられないラインを姑息にも守ったうえで、スペックの高い人をボロボロになるまで使い倒すに違いないでしょう。なにせ私の仕事は産業医でもカウンセラーでもなく、利潤を追求するために役職と権限を与えられた上司なのですから。

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国を転々とする重国籍移民。C2級5言語、B2-C1級6言語のマルチお喋りクソ野郎。民間を経て、欧州委員会下位機関と欧州連合専門機関。Heidelberg→Oxford。ソムリエ、唎酒師、ビアソムリエの酒オタク。西欧人とのバツあり限界三十路です
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