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部下とのコミュニケーションは量より質

株式会社エスノグラファーの神谷俊です。

 先日、あるプロジェクトが完了しました。上司・部下のオンライン面談に関する調査です。今回の記事では、その結果について一部共有します。

 このプロジェクトでは、面談における頻度や、定期実施の有無、面談に対する心理的な不満・満足などを多角的に調査しました。データを分析すると、次のような結果がでてきました。


図1

 これはかなり見にくいですね。ざっくり言うと、数字が大きいほど影響レベルが高いと考えられます。マイナスの値は、ネガティブな影響と思ってください。

この結果から、読み取れることは、次のようなことです。

(1)上司・部下間の良好な関係のためには、コミュニケーションの頻度よりも、コミュニケーションの満足度のほうが影響度が大きい。
(2)コミュニケーションの頻度が多くなると、コミュニケーションに対する満足度が低下する可能性がある。

 いずれにしても、コミュニケーションの回数を増やすんじゃなくて、1回あたりのコミュニケーションの質を大切にしようよ、そんなメッセージが見出だせます。

 オフィス環境だと、このような結果にはならないと思います。別に、1日に何度声をかけられたって気にならない。でも、オンライン環境だとちょっとストレス感じますよね。私だったら「1回で終わらせてよ」って思っちゃいます。

コミュニケーションの満足度をあげるために

 では、どうすればいいか。やはりコミュニケーションに対するニーズに関心を持つことが大切なのでしょう。例えば、人がコミュニケーションに何を求めているか?についてこんな整理がされています。

図2

 こういった観点で「相手がこの話に何を求めているのかな?」って、相手の気持ちを感じとろうとする姿勢が大切なのでしょうね。

 面談で「タスクの進捗」を共有してても、ほんとうは仕事の愚痴を吐きたかったり、楽しい会話をしたいのかもしれない。本当に基本的なことですが、オンラインだと相手の表情が読み取りにくくなるので、意外と意識しなくなってしまうかもしれません。

 もちろん、コミュニケーションにアジェンダをつくることは大事なことです。事前に、何を話すのか?何を決めるのか?を共有しておいた方がいいいですから。ただ、そのアジェンダにそって、コミュニケーションを構造化しすぎると、満足度は落ちてしまうんだろうなと。

「今日はなにを話したい?」

そんな気楽な切り出し方があってもいいんでしょうね。

参考文献:
Rubin, Rebecca B., Elizabeth M. Perse, & Carole A. Barbato. 1988. “Conceptualization and Measurement of Interpersonal Communication Motives.” Human Communication Research 14 (4): 602–28.





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