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「無駄っぽいもの」に向き合う態度~冗長さと自然さの間で~

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いつもお世話になっています、株式会社エスノグラファーの神谷です。

このメルマガでは、月に2回のペースで、当社に寄せられたお悩みや共通する課題、プロジェクトの実例、イベント情報など旬なトピックをお届けしたいと思います。

有益な情報の発信に努めていきたいと思います。

今回も頂きましたご相談について動画で解説しております。
ご興味のあるテーマでしたら、ぜひ御覧いただけたらと思います。

今回もお付き合いどうぞよろしくお願いいたします。


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◆「無駄っぽいもの」に向き合う態度~冗長さと自然さの境界で~
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だんだんと春めいてきましたね。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか。

さて、今日は“「無駄っぽいもの」に向き合う態度”として、
仕事を進める中で生まれる一見ムダで非効率なものについてお話をしようと思います。


コンサルティングの仕事をしていると、クライアントから

「生産性を高めたい」
「労働時間を削減したい」

といったご依頼をたくさん頂きます。

そのようなご要望に応えるべく組織のなかに足を踏み入れていくと
「無駄っぽいもの」たちにたくさん遭遇します。

皆さんの周囲にもひっそりと存在しているはずです。

仕事の合間にタスクと関係ない情報を検索してネットサーフィンしている社員。

営業中にカフェに立ち寄ってアレコレと物思いにふけっている営業担当や、
同僚と連れ立ってコンビニや喫煙所に行く若手社員たち。

アジェンダは一通り済ませているにも関わらず会議終了後も談笑している管理職もいます。


また、ひときわ「無駄っぽさ」が光っているのは経費を注いだ社内イベントたちです。

「お祭り大好き」を自称する事業部長が、業務を強制終了させてまで
定期開催している大規模な花見企画。

総務部のベテラン社員が定時後に外部ゲストまで招聘し、
会議室を使って開催している「一般教養講座」など。

「それ仕事に何の関係あるの?」と訊かれたら言い訳をつくることが難しい
「無駄っぽい」イベントは企業内に複数存在します。


また、ある部長が「ナレッジ共有が大切!」と独断で導入を決めたけど、
もはや雑談スペースになってしまった社内SNS。

かっこいい名称が付いている割には、どう考えても有効活用されていない会議室。

すでに「物置」と化している事業部間に横たわる広大なデッドスペースなども含まれます。

こういう一見「無駄」に見えるものたちに、
私たちはどのようなラベルを貼り付けるべきでしょうか。

私はこの判断に時間をかけるようにしています。

いつも娘に読み聞かせているサンテグジュペリのあの言葉が頭をよぎります。


「大切なことは、目には見えない」


明らかに「無駄」に見える行為であっても、
それによって職場で働くことの豊かさや幸福感を感じている人がいるかもしれない。

傍から見れば意味を感じられない催事であっても、そこには
いくつもの重要な「物語」が埋まっていて、それに背中を押されている人がいるかもしれない。

「さぼり」やネットサーフィンによってイノベーティブな仕事が進むこともあるとされています。


どこまでの「無駄」を省けばいいのか。

なにを職場の生態系を保つために必要な自然さ(naturalness)と見なし、
なにをもって職場機能を損なう冗長さ(redundancy)と見なすのか。

そのジャッジは容易くはありません。


そもそも、そこに線を引くことはできないのかもしれませんが、
仮に妥当な判断を下さなければならないとしたらどのようなスタンスが求められるのでしょうか。

私は、「境界」に立つという姿勢を大切にしています。

「内」と「外」の両方の眼差しを併せ持つために尽力する姿勢です。

「内」の視点で「無駄っぽい」ものたちと深く関わり合い、その価値や意味を体感しつつ、
一方「外」の視点で組織社会の健全性や効率性を冷静に判断する。

ジレンマに悩みながら、もっとも社会が豊かになるための思考を回し続ける。

そういう人だけが、ひとまずの「最適解」を提示するための視座に立てると考えているからです。


常に揺れ動き、悶々とする。

一貫性なく思考し、思い悩む。

そういう態度でしか「無駄っぽいもの」たちとは向き合うことはできない。

そう言い聞かせるようにしています。

多様化・複雑化が進む社会です。何が大事なのか、本当の価値を
理解することも難しい時代になってきました。

自分なりの志や価値観を持つことも大切ですが、
ときにそれを全てリリースして揺らぎ続ける姿勢も必要なのかなと思っています。


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◆ 「質問箱」への返答(動画コンテンツ)
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今号も、頂きましたご質問の回答をYOUTUBEで限定公開しております。

今回は以下のテーマについてお話しています。

■今の時代にマナー研修は必要か?ー関係構築とプロアクティブ行動についてー
https://youtu.be/y997jmLxzj4

今回はマナー研修の必要性についてのご質問です。

オンラインコミュニケーションが進む中でそもそもマナー研修は必要なのか?
必要だとすればどのような点に注目して取り入れるべきなのか?

そろそろ新入社員研修の時期ですね。
同じお悩みをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧いただけたらと思います。

今後もテレワークに関する調査や、人事課題(たとえば、組織開発・人材開発、
戦略人事や研修、採用・オンボーディング等)に関するご質問やご相談がございましたら、
以下からお気軽にご記入いただけたらと思います。

【匿名質問箱Peing】匿名でご質問いただけますので、お気軽にご利用下さい。
https://peing.net/ja/ethnographer

このメルマガでも取り上げさせていただこうと思います。

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◆ NEWS・情報発信
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〜〜〜 登壇イベント情報 〜〜〜

■【有料】開講中
宣伝会議主催:【オンデマンド配信】オンライン時代のマネジメント実践講座
https://note.com/ethnographer21/n/n282ed730895a
※お申し込みから7日間視聴可能なEラーニング講座です。

〜〜〜 取材・記事掲載情報 〜〜〜
■戦略人事を「英雄」にしないためのデザイン(マイナビキャリアリサーチラボ)
https://note.com/ethnographer21/n/nbca01a1dcea9

■採用学研究所の神谷俊氏と服部泰宏氏が2021年の採用を振り返り、2022年を展望する――採用学8周年記念セミナー【後編】
https://note.com/ethnographer21/n/n764581d5f968

■リモートワークで『放置』しても成果を上げさせるコツ(マイナビニュース)
https://note.com/ethnographer21/n/naa4dc3255a6e

■みんなのアンラーニング論 組織に縛られずに働く、生きる、学ぶ(長岡健 著)
本書は、かつての慣習や常識を問い直す「アンラーニング」をテーマとした書籍です。
そのなかで、神谷俊が「先駆者」のモデルケースとして取り上げて頂いています。ぜひ、ご一読ください。
https://www.amazon.co.jp/dp/4798164313/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_82AQ0C9ATS3GDT6ZEM0Y

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今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
これからも有益な情報をお伝えできるように努めて参ります。

今後とも宜しくお願いいたします。

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◆ ご質問やご相談がございましたら、以下の質問箱からお気軽にご記入下さい。
【匿名質問箱Peing】 https://peing.net/ja/ethnographer
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株式会社エスノグラファー
神谷 俊 / KAMIYA SHUN
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