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不動産調査の着眼点「敷地境界上のブロック塀」編

賃貸マンションの物件確認

購入を検討している賃貸マンションの内見をしに行った時のこと

敷地境界に作られた塀

ちょうど敷地境界に作られた塀を見つけました。

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越境していないか確認

検討物件と隣地との間で、どちらかの塀が境界線上からはみ出てはいないか、近くに行って確認してみると、

敷地境界を示す印があります。

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これで、ちょうど敷地境界上で検討物件のタイル貼りの壁と隣地のブロック塀が作られているのが分かりました

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この状態だけなら何の問題もないのですが、

ブロック塀の控え壁

敷地内に進むと、タイル貼りの壁はなく、隣地のブロック塀だけになっていました。

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ここで気になったのは、ブロック塀を支える様に作られている控え壁です。

先程確認した境界点からすると、控え壁は、隣地から物件側へ越境していることになります。

ブロック塀の構造基準

もう一点、気になったのは、ブロック塀が物件側に倒れてこない様に控え壁を作っていたとしても、この控え壁は高さが低すぎます。この控え壁は、ブロック塀の構造基準を満たしていません。

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下記の各団体やメーカーの構造基準を見ると、この控え壁の高さが明らかに低いことが分かります。

控え壁の高さ 事例1

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控え壁の高さ 事例2

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売主側仲介会社に質問

売主側の不動産仲介会社の担当者に、下記2つのことを聞きました。

Q1 控え壁は、越境していますか。

A1 ブロック塀は隣地の所有ですが、控え壁は本件物件の所有者が作ったものです。

隣地所有者にブロック塀に控え壁がなく、倒壊の危険があるから控え壁を作ってくれと要請した際、隣地所有者は、費用のかかることはしたくないと、控え壁を作ることを拒否したということでした。

そのため、控え壁は本件物件の所有者で作ったということ。しかし、構造基準は満たしていなかった。

Q2 越境の覚書は交わされていますか。

越境の覚書は締結予定です。

ブロック塀と控え壁についても覚書に盛り込むが、その内容は現在検討中とのこと。

境界線上にあるブロック塀について、権利関係の問題点を放置せずに対処していることが確認できて良かったです。

敷地境界の確認は最重要事項

不動産の物件調査について、敷地境界に関することは、権利関係で揉めやすく、最重要項目です。

今回は、不動産調査:物件確認で何を見ているか、ブロック塀の越境について書きました。

宅建図鑑では、不動産業の現場から気付いたことをお送りします。

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瑕疵(かし)ある物件お宝に変える方法

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この方法について、こちらの記事に書きましたので、併せてご覧ください。

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