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中川李枝子さんのこと 2O24.O6.O6 study for the librarian

作家の村上春樹は、朝起きたら何よりも先にその日の執筆に取り掛かる。それが終わればその日の仕事は終了なので、残りの1日は何をしても良いということになる。まるで授業が終わった後の放課後のようなのびのびした気持ちで、好きなことだけをできるというわけだ。彼にとって仕事はもはや"日課"であるとも書かれている。毎日継続していると筋力がつく。いちいち重い腰を上げずとも、すっと取り掛かれるようになっていくのだろう。それってめちゃ素敵。

わたしは村上春樹ほど早起きじゃないけれど、のびのび過ごす時間がたくさんあれば嬉しいので、彼を見習ってわたしがやるべき司書の勉強を先にやっちゃおう。継続の筋肉を少しずつつけていきたい。

今日勉強するのは児童文学作家の中川李枝子さんについて。代表作は、みんなお馴染みの『ぐりとぐら』。なぜ彼女なのかというと、ジブリの宮崎駿が彼女のことを尊敬していて親交深いと聞きどんな人なのか気になったので。

さっそくネットで検索してみると彼女についてわかりやすくまとめられた動画を見つけた。先生の声を聴きながらノートをとっていくような感じでここに書き込んでいこうと思う。

今回参照する動画はこちら。わかりやすい言葉を聞き取りやすい声とテンポで話されていて、非常にいい動画でした。

https://youtu.be/iK6vqCP6BcA?si=tmuOFH2nAWGBoaAH

中川李枝子さんについて

https://news.yahoo.co.jp/articles/a9f9755491821fe75bdd90cb4291f0a2a4c54534

• どんな人? 

児童文学作家、作詞家。1935年北海道札幌市出身の現在88歳。
元々は保育士になろうとしていた。それも日本一の保育士に!
東京都立高等保母学院卒業後、「*みどり保育園」で主任保母として17年間働く。
そこで勤務している時に、児童文学作家の*いぬいとみこさんにファンレターを送ったところ、童話サークルに招待される。そこには*石井桃子さんも参加しており、次第に中川さんも自分でお話を作るようになってゆく。そうして保育士の傍ら作った作品がその後の彼女の代表作となる。

※いぬいとみこさんは1924-2OO2(東京出身)の児童文学作家。代表作は『ながいながいペンギンの話』岩波少年文庫。

※みどり保育園とは、現在でいうところの駒沢オリンピック公園あたりに、戦後その周辺に住んでいたお母さんたちが自主的に始めた青空保育園がいったん終了したのちに、新しく作られることとなった"無認可保育園"のこと。中川さんはそこで主任として雇われた二人目のスタッフ。

※石井桃子さんは19O7-2OO8(埼玉出身)の児童文学作家、翻訳家。戦後、岩波少年文庫の発展に大きく貢献した。代表作は『ノンちゃん雲に乗る』『クマのプーさん』など。子どものための自宅開放図書館「かつら文庫」の創設者。中川さん同様、宮崎駿が尊敬している人物。

• 何が有名?

https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=7

『いやいやえん』


27歳の時に制作。作中に出てくる「ちゅーりっぷ園」は自身の働く「みどり保育園」がモデルで、「なつのなつこ」さんは中川さん自身、「はるのはるこ」さんはみどり保育園の園長がモデルとなって作られている。保育園での勤務経験や、園長さんとの関係性が作品に影響を与えている。


https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=7

『ぐりとぐら』

32歳の時に制作。絵を担当している「大村(のちに山脇)百合子」さんはなんと中川さんの実の妹!
当時、子どもたちの出席率を100%にするほど人気だった絵本『ちびくろさんぼ』に出てくるのは「トラのバターのホットケーキ」。
ホットケーキよりも美味しくて高級なものを子どもたちに食べさせてあげたいと思った中川さんは「カステラだ!」と思いつく。
物語冒頭に出てくる大きな卵について、説明もなしにいきなりカステラを作り始める突飛な展開に
「卵を見つけたから食べよう!というのだから、かなわない」と宮崎駿。
(その卵を持ち主に返そう!とか、なんでここにあるんだろう?とかが丸ごと抜けてることにびっくりしたのだそう)
こうして生まれた『ぐりとぐら』は日本で*歴代売上2位の絵本となった。

※歴代1位は松谷みよ子さんによる『いないいないばあ』。

ジブリで短編アニメ化された作品 『そらいろのたね』 『くじらとり』

中川さんのその他の作品には、宮崎駿と親交が深いこともあってジブリアニメ化されているものもある。これらの短編映像は三鷹の森美術館の中にあるミニシアターで観ることができる。(時期ごとに上映作品はことなります)
プロフィールの部分に「作詞家」とそっと書いたけれど、『となりのトトロ』の「さんぽ」はなんと中川さん作詞なのだ……!


• 中川李枝子の子ども観

https://www.shinchosha.co.jp/book/339131/

『子どもはみんな問題児。』 新潮社、2O15年。

保育士やお母さん、子どもに関わるすべての人に向けて書かれた本。
中川さんの"子ども観"がたっぷりと書かれている一冊。

子どもへの最高の褒め言葉 「子どもらしい子ども」

いい子でも賢い子でも聞き分けのいい子どもでもなく、「子どもらしい子どもね」という言葉。
日本では「子どもはいいねえ、癒されるねえ」とよく言うように、子どもは純粋で邪気がなく神聖な存在、という考えが根付いているけれど、そんなふうに子どもを美化したり子どもの良い面だけ見るのではなく、汚いところ、臭いところ、不器用なところ、そういった部分も全部含めて「子どもらしさ」だと捉えて愛おしく思う、という姿勢が描かれている。

子どもと絵本の関係

絵本というと、"いい絵本"と言う言葉が注目されがちだけれど、何よりも大切なのは"ひざの上の時間"。大人の膝の上で「自分は愛されている」という安心を感じて初めて子どもは物語の世界に冒険に出ることができる、と中川さん。
”読み聞かせ”という言葉には賛否両論あり、中川さんも疑問を感じているうちのひとり。
まずは愛。その次に笑いがあったり学びがあったりすればなおのこと良い。
幼児期にこういった幸せをたくさん味わうことで、大きく成長した時に困難な壁や厄介な出来事を乗り越える力をつけられる、という考えも書かれている。


調べてみて思ったのは、本当にジブリとの関係が深い人なんだなということと、子どもが大好きな人なんだなということと、おおらかで優しい視点の持ち主なんだなということ。
『子どもはみんな問題児。』はわりと読みやすそうな印象。中川李枝子さんは最近だと"ISSUE"と言う雑誌でも特集が出ていてそれも気になる。
いつか自分が母親になるかどうかなんて全然わからないし、子ども欲しい!とも思ってこなかったけど、ぼんやり想像したりしている今日この頃。今日のタスク終了!

https://www.switch-store.net/smp/item/BO0125.html






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