春野よる

ねみ〜

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最近の記事

「リア充」ってもう死語だよね。

僕は、もう2年くらい彼女がいない。 一年前、会社でパワハラをしていた人が地方に異動になった。 いわゆる左遷というやつだ。 彼は異動先で心を病んでしまったらしく、今は休職している。 休職する前、彼はこんな弱音を漏らしていたそうだ。 「45にもなって、1Kの部屋から1Kの部屋に引っ越して、その部屋には誰も話す相手がいない。俺のこれまでの人生ってなんだったんだろう。」 この話を聞いて僕はゾッとした。 中年の危機という言葉をなんとなく聞いて知ってはいたが、周囲で真正面から危

    • 蟻の手の皺

      僕の手はシワシワだ。 子供の頃からずっと乾燥肌で、肌のケアをきちんとするほどにマメな子供ではなかったから、そのせいでシワシワになった。 おじいちゃんの手もシワシワだった。 長年働いてきた男の手だなと、幼心に感じたのを覚えている。 同じシワシワでも年季が違う。 それは見た目からもなんとなくわかる。 おじいちゃんの手はとても骨張っていてゴツゴツとしていた。 僕の手は弱々しくて、ハタチを超えてもまだ子供の様相を残しているみたいに見える。 仕事をする、ということはきっと、体の形

      • 慣れ

        もう三月。 花粉が飛んでいる。 暖かくなったり寒くなったり、お天道様は気まぐれだ。 僕はいつも通り、仕事に励む。 おはようございます。 僕はみんなの目を見ずにそう言って、俯きながら席に着く。 パソコンを立ち上げて、ほとんど反射的にパスワードを打ち込む。 「ようこそ」 君にそんなこと言われても嬉しくないんだけどな〜とWindowsに心の中で話しかける。 今日も変わらずやっていきますか〜と、心の中でだけ明るく振る舞ってみる。 粛々と仕事を進める。 作り、試し、作り、試し 説

        • 訊かれなくても、話そうよ。

          カタカタカタカタ。 キーボードの上を指が走る。 2年目の終わりにして、自分の書くプログラムのまずさがようやくわかってきた。 とにかく動けばいいと高を括って、なんの工夫もない乱雑なコードをエディタに書き殴る。 こんなものを後から見て、分かりやすいとか、直しやすいとか思う人はきっと一人もいないんだろうな。 まあ、それも悪くないか。ユニークだし? そんな見られたら怒られてしまいそうな思考を机の下にひた隠しながら、1人黙って粗雑なものを作る。 出来上がり。 僕は何度かミスタ

        「リア充」ってもう死語だよね。

          夢と絶望のソフトアサシン。

          枕を買い替えてしまった。 あまりにも普段、睡眠の質が悪いので、まあまあな値段のする結構良い枕をAmazonで買ってみてしまった。 不釣り合いなほどに大きな段ボールに入ってやってきたそいつは、窮屈そうに真空の袋の中にぎゅっと押し込められていた。 僕はそんな不遇な彼に慈悲の眼差しを向けながら、誤って傷つけてしまわないように慎重に袋に鋏を入れた。 ずっと息を止めていた彼は、その瞬間、しゅはわわああああああ、と大きな音で深呼吸をして、体を何倍にも膨らませた。そのふかふかさに、僕

          夢と絶望のソフトアサシン。

          新しい本を買いに行こうかな。

          小さな窓から光が矢のように顔を射す。 鬱陶しい光。 朝、心地よく目覚めたことなど、ついぞ記憶にない。 重たい体を無理矢理に持ち上げて、ノロノロと洗面所へ向かう。 昨日風呂に入っていなかったことを思い出して給湯器を点ける。 熱いシャワーを浴びて、ようやく意識がはっきりした。 最近、歯磨きをしているとイライラしてくる事がある。僕はあと何回歯磨きをすれば良いのだと、そんな途方もない問いが思考を掻き混ぜる。 髪を整え、装飾と新鮮さを極限まで削ぎ落とした服を着る。 IQOSをなんの

          新しい本を買いに行こうかな。

          人生における"仕事"の優先順位を確定させたい。

          友達に弱音を吐かなくなった。 **** 僕は、仕事をする時いつもデュアルモニターでPCを使っている。 初めはただ、「かっこいい」と「周りがそう」という主に二つの理由だけでモニターを1つ追加注文した。でも今ではもう画面が2つないと不便で仕方がない。 机上の右斜め前に置いた大きめのモニター画面の下、定位置に置かれた僕のスマートフォンが突然なった。 『今日、新橋で飲まないか?』 僕は二つ返事でOKした。 定時間近に頼まれた面倒な仕事を残業で片付け、約束の時間を少し遅れて

          人生における"仕事"の優先順位を確定させたい。

          本当に優しくなれるのは強い人だけ。

          しがない働きアリとして毎日毎日コツコツと小銭を稼く生活を1年半ほど続けた。 まあ、仕事は割とうまくこなしている方だと思う。 1年半も同じ部署、同じプロジェクトで働いていると、そりゃ少しずつ戦力として見られるようになってくる。 戦力として見られるようになると、どうなるか。 そう、出張に行かされる。 出張で愛媛に飛んだ。 飛んだというのは「僻地に島流しにされた」という意味ではなく、「飛行機で空を飛んだ」という意味だ。愛媛は僻地ではない。 飛行機というのはなんとも乗るのが難しい

          本当に優しくなれるのは強い人だけ。

          精神薬

          僕は割と頻繁に、精神的に不安定になる。 不安定になっている気になっているだけなのかもしれないけれど、僕なりに精神が傾くことがよくある。 どういう時に不安定になるのかをまとめておいたら、今日はこれ、と冷静に指をさせると思うので、書いておきたい。 まず、体調が悪いとき。 これは言わずもがな、体と心の関係が切れない所為だ。 風邪を引いたとき、低気圧で頭がガンガン痛むとき、何をしても楽しく無いし、何をされてもイライラするし、何をしても反芻して凹む。 そんなときの僕には、美味いもん

          虚無感と仲良くなりたい。

          もうすぐ23歳になる。 大学生の時はもう22歳かと思っていたけれど、社会人になってからはまだ22歳かと思っていた。 年齢の感覚が変わったが、変わらず日々は重なっていく。 23本の年輪は、それほど細くはないけれど、まだまだ大木とは言えない。 高校生になってから見た中学生はまだまだ小さな子供に見えた。 大学生になってから見た高校生もまだまだ小さな子供に見えた。 社会人になってから見た大学生はなんだか光って見えた。 高校生も光って見えたし、中学生も光って見えた。 大人になるってこ

          虚無感と仲良くなりたい。

          どうにも煮え切らない。

          たまには何か書いてみよう。 そう思って、とても久々にパソコンを立ち上げた。キーボードの配置が会社のものと微妙に違っていて、ミスタッチが多くなってしまう。 三連休が終わる。 仕事は辛くもないし楽しくもない。 楽しいと思えばきっと楽しいのだろうな、なんておもって、「最近楽しくなってきました!」と、上司に嘯いてみてはいる。 会社のビルの隣に細い公園がある。 そこに金木犀が一本、堂々と咲いていた(彼らは堂々となんて咲かないけれど、むしろ堂々とする必要がないという点において堂々と

          どうにも煮え切らない。

          なんのために生きてるの?なんていうくだらない疑問が頭の中を渦巻いて、全てをどうでもいいと思いつつ、何がどうでも気になって、早く、何か、生きる為のこじつけを、見つけなきゃ。

          なんのために生きてるの?なんていうくだらない疑問が頭の中を渦巻いて、全てをどうでもいいと思いつつ、何がどうでも気になって、早く、何か、生きる為のこじつけを、見つけなきゃ。

          境界線ってあるのかな。

          あまりにも疲れていた。 肩も凝っていたし、目もしょぼしょぼした。 平日だけど、飲みたい気分だった。 「なあ、飲みに行かね?」 「わるい、今日は他のやつと飲むんだ」 僕と仲良くなってくれる人は、みんな人気者だ。 人気者に好かれるタチなんだ、なんて浮かれていた時期もあった。 でも本当は、僕みたいな狭量な人間とも仲良くすることができるから彼らは人気者なんだ。そんな当たり前のことを悟ったのはいつだろう。 高校生になっても、大学生になっても、社会人になっても、人の本性というものは

          境界線ってあるのかな。

          本心滅却。

          本心を口に出さないことのメリットが、相対的にだがとても大きいことに気づいた。 僕はひまわり畑があまり得意ではない。 単体ひまわりならいいのだが、大量ひまわりを見ると途端に吐き気がしてくる。 この体の反応は、トラウマとかそう言う後天的なものではなく、かなり反射的に生じる反応だったので、理由を考えてみたことがある。 僕は(恐らくだが)、ひまわりが「人の目」のように見えるから、大量のひまわりを見ると体調が悪くなってしまうのだと言う結論に至った。(集合体恐怖症ではないし、他の花畑

          本心滅却。

          ゴミを捨てようと外に出た。 雨上がりの草の匂い、少し涼んだ空気、綺麗な風、なんだか少しだけ手が届きそうな月に誘われて、なんとなく歩く。 家系喰ってうんま❗️ 午前0時の暴食。 帰りにコンビニで酒買って飲んでたら死にたくなった。 幸せすぎて。 幸せの基準がバグり倒している。

          ゴミを捨てようと外に出た。 雨上がりの草の匂い、少し涼んだ空気、綺麗な風、なんだか少しだけ手が届きそうな月に誘われて、なんとなく歩く。 家系喰ってうんま❗️ 午前0時の暴食。 帰りにコンビニで酒買って飲んでたら死にたくなった。 幸せすぎて。 幸せの基準がバグり倒している。

          愛ってなんだろうな。

          愛ってなんだろうな。 突然、飲みの席でそんな話になった。 みんな少し酔いすぎていた。 こんな話、普通だったら恥ずかしくて真剣にできっこない。 それでも、大衆居酒屋のど真ん中の席で、大声を出してそれについて話そうとしていた。 「愛ってのは、つまり、無償の施しだよ。 昔の誰かが言ってたろ、愛ってのは与えられるものじゃない、与えるものだって。」 ありきたりすぎー まじで何百回も聞いたわそんなのー 酔っているのもあって、みんなそれなりに辛辣なガヤを浴びせる。ガヤを浴びせら

          愛ってなんだろうな。