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寝言の議事録

ふとTwitterを開いたら、寝言についてのツイートが目に留まったので、寝言にまつわる記憶の記録。

わたしも時々寝言を言うらしい。らしい、というのは、わたしに全く自覚がないからで(そりゃそうなんだけど)、時々朝起きて夫から「昨日こんなこと言ってたよ」と報告を受けて初めて、寝言を言っていたことを知る。そんな夢を見た記憶ないしそんなこと言ってないよ!と言ったところで、こればっかりは聞いたもん勝ちである。変なことを口走ったりはしないかと不安しかない。

わたしの寝言は、単語の時もあれば、文章の時もあるらしい。先日は突然夜中に「福井!浜松!」と言ったそうで、ちょうどその頃仕事で話をしていたのが福井と浜松の人だったので、仕事の夢を見ていたのだと思われる。

仕事の夢と言えば。

10年ぐらい前に、妹と二人暮らしをしていたことがある。その頃わたしは社会人2年目ぐらいで、日夜仕事漬けの日々を過ごしていた。そんなある日、出勤してパソコンを立ち上げ、メールBOXを開いてみたら、妹から添付ファイル付きのメールが届いていた。おや?と思って開いてみたら、そこにはわたしが夜中の1時ごろ突然しゃべり始め、あまりにもすらすらと文章を喋るので、ちょうどパソコンを開いていたし、せっかくだからと議事録をとった、と書かれてあり、添付ファイルはその議事録だった。

姉の寝言の議事録をとったことがある妹が、いったい何人いるのだろうか。

ファイルを開いてみるとそこには、目標達成に向けて頑張ろう、どうしたらいけるかな、的な内容が長々と綴られていた。コンサルタント的な仕事をしていたので、どうやら仕事の夢を見ていたらしい。ほんとにこれわたし全部夜中にしゃべったの?とにわかには信じがたかったのだけれど、当時学生だった妹が想像で書くにはいかんせんリアルすぎる内容で、圧倒的な物的証拠の前に、そうか、わたしはこれを夜中に喋ったのかと、ただただ事実を受け止めることしかできなかった。それにしてもその場で議事録を取る妹の機転の良さよ。わたしが同じ場面に出くわしたとしてもその発想はないだろうよ。

ちなみに、その日の夜。前夜と同じ時間にわたしは再び喋りはじめたらしい。前夜の夢の続きを見ていたらしく、「すごい!目標達成しましたね!!ほんとすごいです!」と言ったそうで、どうやら無事、クライアントさんは目標を達成できた様子。夢だけど。

そしてその後しばらくは、寝言を言わなかったらしい。満足したのかな。

妹との二人暮らしの思い出はさまざまあるけれど、この寝言の議事録エピソードはお気に入りのひとつ。

わたしの記憶には全く残ることがないわたしの寝言を、当時は妹が、今は夫が、時折気づいて拾ってくれることは、知らない自分を知るようで少し怖くもあり、けれど、愛おしくもある。

さて今夜わたしはどんな夢を見るんだろうか。そして今夜のわたしはしゃべるんだろうか。

#記憶の記録  #寝言 #エッセイ

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