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「伝説の人になる」か「伝統を継承する人になる」か■□下田コラム□■vol.39

「伝説の人になってはいけない。伝統を継承する人になることが大事」

先日、福岡にあるミシュラン三つ星の鮨屋さん、「行天」の行天さんとお話をしていたときの言葉です。

「伝説を目指すのではなく、伝統をしっかりと引き継いでいきたい」と想いを語られていたのです。

伝説の人とは、その人がすごいということです。

その人の腕が一流で、匠の技をたくさん持っています。

しかし、誰もそれを真似することができません

人の命は有限ですから、いずれ匠の技を持った人もこの世からいなくなります。

それと同時に、その技術も失われていきます。

そして、「あの人はすごかった」と伝説の人になるのです。

伝統の継承とは、鮨なら鮨の、大工なら大工の昔から受け継がれてきた技があります。基本だけれども、奥が深く極めるのがなかなか難しい技です。

そのような本質的な技を完璧に習得し、それを体現して、後世の人がそれを学び、自分のものにしていく
という時空を超えた循環の中に自分の身を置くということです。

人ですから当然亡くなりますが、それでも技術は後世に引き継がれていきます。

行天さんは、基本の技の数々を極めて、それを自ら体現することで、目の記憶で後世に残し、弟子に教えて、手の記憶で後世につないでいこうとしているのだと感じました。

そのためには、自ら先頭に立っていかないといけません。「やってみせ、言って、聞かせて」をやらないと引き継いでいくことができないのです。

そして、自らも技術を磨き上げ続けないといけません。仕入れにも目を光らせないといけないし、接客や店内の設えにも気を抜くことができません。マネジメントだけに注力することはできないのです。他店舗展開をやっていくこともできません。

目の前のお店に集中し、そこを最高の空間に仕上げ、その中で人も育てていく必要があります。

一方で、同じ鮨であっても、スシローのような回転ずしのお店もあります。マニュアルとシステム化が行き届き、全国展開されています。価格もリーズナブルです。

当然、スシローの経営者は、マネジメントに全精力を結集させたプロの経営者です。どうやって効率的にそしてコンスタントに利益を出すのかが一番求められます。

目指しているものが全く異なります。

行天さんで鮨を食べた後、自分の生き方を考えました。

それは、新たな気づきというより、今までの想いを再確認したものでした。

私は、マネジメントに徹するより、社労士として、ディスカッションパートナーとして、幸せな組織、幸せな生き方を追求していきたいそこにある本質を見つめ、それを後世へ継承していきたいと思うのでした。

自分の中にある確固たる信念とそれを体現する技術で人を魅了して、その中にある大切なものを継承していきたいのです。

大切なものは、決して自分が見つけたものでも、開発したものでもありません。多くの先輩、仲間から教えてもらったもの、その人たちとの対話や活動の中から気づいたり、身につけたものです。

それを独り占めするのではなく、それを繋いでいきたいのです。

わざわざ福岡まで、鮨を食べに行きたいと思ってしまう、自分の心のうちに気づいた瞬間でもありました。美味しい鮨を食べたいだけでなく、そんな空気感に触れたいのです。

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