【EDH・統率者】《包囲の塔、ドラン》と《完全無欠の魂》【MTG】
相性が良かったり悪かったり。
《完全無欠の魂》というカードがある。
白黒3マナ0/4で防衛を持ち、自身に戦闘ダメージが与えられるたびにその点数分のライフを得て攻撃プレイヤーにはその点数分のライフを失わせるクリーチャーだ。
これが立っているとライフレースに大きな差がつけられるので優秀なのだが、EDHでは所詮1体のちょっと厄介なクリーチャーでしかなく、パワー4以上の大型クリーチャーに攻撃されれば誘発は1回で終わるし、回避能力持ちや、大量の1/1クリーチャーのような小さな物量攻撃にも対応できない。
戦闘ダメージでしか誘発せず、さらに攻撃プレイヤーのライフを失わせるため、戦闘時以外に戦闘以外の方法でダメージを与えても意味がなく、どうにかならないものかと考えていたところ、移し変え効果と相性が良いことに気づいた。
移し替え効果の詳細については各々調べてもらうとして、簡単に言えば他に与えられるはずのダメージを別のオブジェクトに対してのダメージに置換する効果だ。
この移し替えの際にいろいろな情報は失われないらしく、戦闘ダメージであればちゃんと戦闘ダメージのままだし、ダメージの発生源の色なども記憶されている（って《Veteran Bodyguard》の項目に書いてありました）。
ということは、《コーのシャーマン》のような能力で戦闘ダメージを《完全無欠の魂》に移し替えてやれば良いのだ。
特に《コーのシャーマン》は2つ目の能力で対象のクリーチャーに与えられるダメージを自身に移し替えることができる（そして1つ目の能力で別のクリーチャーにさらに移し替えられる）ので、マナはかかるが複数体のクリーチャーへの戦闘ダメージを《完全無欠の魂》に移し替えることができる。《完全無欠の魂》1体だけではさほど圧力は感じないかもしれないが、複数体のクリーチャーが《完全無欠の魂》になると考えると、攻撃した際の総ダメージがほぼそのまま返ってくる上にライフ差がつくので、なかなか厄介ではなかろうか。
そして幸いにも《包囲の塔、ドラン》は「パワーではなくタフネスに等しい点数の戦闘ダメージを割り振る」能力により、《コーのシャーマン》を用いるループ・ジャンクションのコンボと相性が良く、自然と《完全無欠の魂》と一緒に採用できる。むしろループ・ジャンクションのコンボのほうが強いので、そのついでに《完全無欠の魂》を採用できるというべきか。
ただ、《完全無欠の魂》はその能力の都合上、微妙に《包囲の塔、ドラン》と相性が悪い点がある。
まず防衛を持っているため、そのタフネスを活かして攻撃に参加することができない。一応、《包囲の塔、ドラン》には《突撃陣形》という防衛持ちクリーチャーの攻撃を許可するエンチャントを採用できるが、1/99に頼ることになるため、不安定なことは否めない。ただ、これに関しては次の欠点と比べれば些細なことだ。
もう1つの欠点が、ライフを失わせる先が攻撃プレイヤーであるということだ。《完全無欠の魂》と似たカードに、自身に与えられた戦闘ダメージを失わせる能力を持つ《魂の壁》というクリーチャーがいるが、こちらは戦闘ダメージを与えられたときにプレイヤーかPWを対象に取ってダメージを与える。他方、《完全無欠の魂》は攻撃プレイヤーがライフを失うため、自分から攻撃しに行って戦闘ダメージを受けようものならライフを失うのは自分自身なのだ。
幸い、ライフを得る能力のほうは防御プレイヤーではなく「あなた」なので差し引きとしては失った分を回復して0になるが、攻撃に行っても特に得がないため、カードに書いてある通り防衛持ちのクリーチャーとして攻撃に参加させずにいたほうが大抵は良い。
とはいえ、戦闘ダメージを受けないと能力が誘発しない以上、《完全無欠の魂》を攻撃に参加させるかと言われると怪しいところではある。そうであれば防衛を持っていてもさほど気にならないし、厄介なクリーチャーとして置いておくだけで十分活躍をしていると言えるだろう。黒とか赤の防衛型重厚統率者はよ。
タフネス4と、大型クリーチャーに対しては生存しにくいというスペックもまた欠点と言えなくはないが、《包囲の塔、ドラン》であるならばタフネスを上昇させる装備品やオーラが採用できるのでその点を補強できるし、パワー40のようなあまりにも打点が大きすぎるクリーチャーともなれば1回の戦闘で十分であるためさほど気にならない。
ちなみに自身で攻撃すると状況によってはライフが差し引き0になるという挙動も、ライフを得て、失ってはいるので《血なまぐさい結合》などを組み合わせることである程度悪用することができる。
防衛を持っているという点から《包囲の塔、ドラン》と組み合わせるには最初の印象が悪かった《完全無欠の魂》だが、思ったより相性が良いことがわかった。
使いこなすにはやや癖のある性能だが、もし悪用方法を思いついたのなら、《完全無欠の魂》を採用してみてはいかがだろうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？