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ビギニャーに捧げる技術同人誌のススメ

技術同人誌をご存じでしょうか?4/14に池袋で開催された技術書典6を知っている方も多いかもしれません。

技術同人誌の世界は、技術を愛する人たちの情熱が注ぎ込まれた世界です。技術同人誌を書く、というと何か難しいことをやっているように見えるかもしれませんが、そうではないよ、ブログを書くのとあまり変わらないよ!というのが今回の記事です。

技術同人誌とは

技術同人誌は、一般的な商業出版の本(出版社が本屋やAmazon経由で販売している本)とはどう違うのでしょうか?

同人誌はブログと同じように、誰でも書けるものです。リアルの即売会に参加するためには申し込みと、当落を乗り切る運が必要になりますが、電子データなら思い立った瞬間に頒布する方法がいくつもあります。もちろん我らが note でも可能です。

基本的には数ヶ月(人によっては2週間や、あるいは数日!)で1冊の本が書かれます。商業に比べてスパンがとても短いので、技術の発展が著しい昨今では商業だととても出せないスピード感を持ち、市場規模の問題で出せない本であろうと自由に出せるという特徴があります。

・ 最近α版が出た技術の本
・ 流行ってるけど情報が散逸しすぎて、探すのが大変な技術の本
・ 日本で著名なあるOSSコミッタが書いた、そのOSSの本
・ 製品マニュアルの作り方について書かれた本
・ 技術書の執筆について書かれた本
・ 勉強会を開催したり参加したりするノウハウの本
・ 入門書や入門以前(入門するため)の本

ここで挙げたものは一例にすぎません。

技術と言っても、ソフトウェア技術に限りません。ハードウェアや、科学技術、ソフトスキルと呼ばれるようなものまで、様々な本があります。

本を書くのって難しくない?

いいえ!

本を出したいという熱意を持つことと、実際に作業をすることで、実際に一歩を踏み出すこと、この2点さえあれば難しくありません。

難しいのは、熱意が足りないか、実際に一歩を踏み出せてないからです。

まだブログを書いたことがない人はまずブログを書きましょう。クォリティはさておいても、いっぱい書けば書くほど、財産となります。

「初心者なので間違ったことを書くかも知れませんが、そのときはご指摘ください」と書いておけば、いつもはキツい諸先輩も、ちょっとやそっと間違った事を書いたとしても優しくツッコミを入れてくれるはずです。そこで得たものを糧にして、さらに自分の知見を深められるのってお得です。

そうしてブログに書いたものを、本という形にまとめるのです。

LTしてる人はそのLTのスライドをベースにして、肉付けをすればいいのです。

アウトプットをする人は、それによって色々なものを得ます。「試験勉強を人に教えてたら、自分の成績も上がった」現象と同じです。人に説明するためにあれこれ試行錯誤したりまとめるだけで、自分の中の知識や経験が整理されます。

下手くそなのを出すのが恥ずかしい?

イマをアウトプットしようでも触れたこの hyuki 先生のツイートが金言です。

あと、アウトプットは、しないと上達できないです。まずはブログという一歩を始めましょう。

技術書典?コミケ?

技術書典はとてもいいイベントです。ただ、規模が拡大中のため、タイミングによっては当落の倍率が跳ね上がるタイミングがあり、参加できるとはかぎりません。特に技術書典4や技術書典6は倍率が上がった回でした。

コミケは人を選ぶイベントです。体力が無いと参加出来ない、技術書以外があり、参加者も技術書以外を求めている人の方が圧倒的に多いです。

現状では技術同人誌のオンリーイベントは、技術書典1強時代ですが、いくつか新しい技術同人誌のイベントを開催しようという動きも出ています。

例えば僕も少し関わっているイベントとして、再販Nightというイベントがあり、ちょうど5/13に技術同人誌再販Night★#4 #技術書典 の技術書が集合&LTが開催されます。

これは、技術書典では著者(サークル主)が自分のブースを離れられず、せっかくのお祭りを楽しめないという矛盾をカバーするために、ゆっくり頒布物のやりとりとおしゃべりとLTと飯を楽しむという、少し特殊なイベントです。

また、5/3には、埼玉実業実学書典(銭けっと)というイベントもあります。もともと関西で立ち上がったイベントです。

他に、7月に、技術イベントが新しく立ち上がる予定です。

技術書典って怖い?

技術書典関連ツイートなどを見ていると、売り上げ部数が200冊以上とか、コミケではあまり考えられない数字がバンバン出てきて、一部の方が「売り上げ至上主義なのでは?」みたいに見ている人もいるようです。

累計で1000冊以上を売り上げるサークルがいくつかあります。その一方で、少部数だけど、「俺はこれを書いて広めたいんや!」というサークルももちろんあります。

僕の観測範囲で言えば、みんな好きにやっていると思うし、何かを押しつけたい人はほとんど見かけません。ですので、怖い空気をわざわざ感じ取る必要は無いと思っています。

人に迷惑を掛けるような行為はもちろんダメですし、募集要項やサークル参加要項を守る必要もありますが、その範囲でどういう関わり方をしてもいいと思います。

元々マーケティング畑の人間が、マーケティングの知識と経験を生かすパターンも何サークルか見かけますし、技術の中でもとがったものを追い求めるサークルや、とてもマイナージャンルを展示するサークルさんも興味深くて面白いです。

いかに多く頒布するか、自分の知恵と知識と経験を活用するのも、いかにマニアックな本を書くか、自分の知恵と知識と経験を活用するのも、大人げも無くプロの技を発揮するのも、どういったやり方にせよ、楽しめばいいのです。

僕はそういったごったまぜ感が好きで、技術書典もコミケも、共にそういった世界であると認識しています。

書き方とかサークル参加ノウハウとか

本を書く、印刷する、サークルとして準備、当日オペ、次の締め切りなど、技術同人サークルとして本を出すための全てのノウハウを収めた本を一冊お薦めしておきます。

僕も一部書いていますが、いい本です。悩みに悩んで試行錯誤してきたあれこれが詰まったノウハウ本です。

一人だと心細い人は

合同誌という形もあります。どこか、既にあるサークルの合同誌に参加してもいいですし、会社や学校などでサークルを立ち上げてもいいでしょう。

気軽に聞いてください

同人誌の著者というのは、同人誌を出すことで、どうしてでも誰かに伝えたい何かを持っている人が多いです。

みんながみんなそうとは限りませんが、質問とか来たら、喜んで答える人も多いでしょう。僕もそうです。僕のTwitterで質問リプを飛ばしていただいてもいいですし、ここのコメントに書いていただければ、僕に答えられることなら答えたいと思います。

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